昨日は一年に一度の、本校同窓会の総会のためにブログの更新ができませんでした。一応、事務局長などを仰せつかっているもので…それはともかく総会直前までグランドにいたのですが、県選抜の練習会に参加していた三人が戻ってきました。なんとヤナイが手をつっているではありませんか。聞けば、二日間で四度も外してしまったとか…手術が必要だと言われたというのです。ただ今、手術をしても、秋の全国予選には間に合わないというので、だましだまし使っていくというのです。そして今日の決勝戦も外れるまでは出ると言います。そこに彼と、彼らの並々ならぬ覚悟を感じたため、許しました。
ヤナイがスタンドオフとして、これまでのようにパスできるはずもなく、自ずとバックス全体のポジションチェンジを余儀なくされます。不安はありましたが、これからだってそういう状況はあり得るのですし、一月の春日部戦もヤナイは不在でした。厳しい状況は相手も同様のようで、本来のレギュラーを数枚欠いてのチームだったようです。
一つ前の県大会では粘りのラグビーで、私たちよりも上位に勝ち上がった相手です。秋を見据えても、どの程度通用するのか試しておく意味でも大切な一戦になるのだと、試合前にネギには話しました。それでもネギやメサキはやはり見た目にも疲れが見えます。勢いのある相手だけに、苦戦は必至です。それでも試合が始まれば、そんなことも言ってはいられません。
戦前の予想通りというのでしょうか、一進一退の攻防が繰り広げられます。序盤、ピンチはうちです。キック処理をほんの少しだけもたつく間に前に出られます。自陣からの戦いを強いられます。それでもそこから盛り返し、先制トライはうちでした。ラックを連取し、ほぼ中央でのトライが認められます。単発で持ち込む選手が目立ち、ちょっと冷や冷やしたのですが、勢いが勝ったと言えるでしょう。
その後の失点は、うちの反則からでした。その前から注意されていたのですが、スクラムでエンゲージのコールまで我慢できずにフリーキックからでした。相手の反応は早く、一気にボールを大外へと振ります。人数と言うよりも、視野が狭くなったために相手を活かすことになり左隅に飛び込まれます。ああした笛の反応を見習いたいですね。やはりうちは長い笛をもらっても、吹かれても、スイッチをオフにしてしまう選手が目立ちます。60分(今回は50分でしたが…)スイッチを切らずに戦える体と意識を持ちましょう。
後半も一進一退です。後半に唯一、インゴールへボールを運んだのはうちのカリームでした。ただ残念ながら押さえたとは認められず、痛恨のインゴールノックオンです。本人が一番悔しいことでしょう。みんなの様子からしても、一瞬押さえたという感覚はあったのかもしれませんが、相手も上手に守ったのです。そしてその後も相手陣深くで戦ったのですが、相手の集中力はさすがで、ゴールラインを陥れることはできませんでした。後半は両チーム共に得点なく、ノーサイドです。
今日のノーサイドは格別だったのかもしれません。好敵手とは、こういう相手を言うのかもしれません。両校優勝です。それを互いに讃えるための堅い握手です。私も春日部のキャプテンと握手をさせてもらいました。そして両校で写真を撮りたいという、春日部の保護者の提案で、肩を組んでの記念撮影をしました。今年のチームを象徴するような姿がありました。
今の状況を考えると今日の同点は上出来でしょう。勝てたらもちろんいいのですが、勝つだけが意味のあることではありませんよね。今日の同点から学ぶことも多くあります。そして長く続いた公式戦が一区切りです。体はしばらく休めましょう。その代わりに頭は使うのです。今日、みんなと約束しました。部員の誰も追試にならないという約束です。これを達成するため、明日からはしっかり試験勉強です。

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