国公立の前期試験が終わり、やれやれと思ったところへ、とんでもない事件が明るみに出ましたね。どのようにやったのか、本当の目的は何なのかはわかりませんが、大学入試の根底を揺るがしかねない事件ですね。すでに韓国や中国では問題となっていた件です。試験中にサイトに問題の答えを尋ねる質問を出していたのです。発端は京都大学の試験に関してですが、それ以外の大学でも同様な事例があったようです。これはメールでというより、どうやら画像でどこかに送り、そこから変換してメールでの質問となっているようで、複数の人間が関わっているとの見方が強くなっています。
これが受験生が合格したくて行ったことであれば、受験生しては失格ですし、それ以外の目的があったとしたら真剣に受験に臨んだ人たちを冒涜していることになります。どちらにしても許されることではありません。
資格試験などではこれまでもこれに近い不正行為は見られたようです。ポケベルを使って、早めに退室した人が答えの番号だけを送るということがあったようです。この場合、多くは専門予備校が合格率のために行っていたようです。国家試験の合格率の低い試験の場合、こうしたことで次の入学生確保へとつなげていく目的があります。それでもそれは個別対応の要素が多く、不正行為としては正統的なものかもしれません。
ところが今回の場合、誰がどんな目的で、ということが気になるのです。誰もが誰かにすがれたらと思いながら、自分の力を信じて試験に臨むわけです。そうしたことで受験生が手にするものは合否だけではないのです。努力をして手にした結果を引き受けていくことで、大きく成長するのです。その意味で現行の大学入試制度は、試験制度として決して理想的ではないとしても、成長の契機としては役割を担っているのです。それを今回のような安易なやり方で台無しにしてほしくはないですね。とっても残念です。

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