どこかの時期に、誰もが通る道です。それでもその道でどちらを選ぶかは、大げさに言えばその後の人生に関わるほどの選択になります。私自身が今でも高校時代のクラブの仲間たちとのつきあいがあり、しかもその数人はグランデに立ち、合宿にも来て指導してくれるのです。おそらくこのまま私の人生と共に、彼らとの日々があるはずです。そうした本当の意味での仲間がどれほど助けになるのかは、経験したものにしか理解できないものです。しかもそれを手に入れたものにしか分からないものです。
そしてその過程は、それほど楽ではないのです。特にラグビーという競技の場合、歯を食いしばらねばならないことの方が多いのです。それでも仲間がいるからこそ乗り越えることが出来、その仲間だからこそ一生の友になるのです。まだラグビーを始めて1年にも満たない君たちは、これからまだまだ超えねばならない壁があるのです。それがその壁の手前で、勝手にあきらめてしまっては、手に入るものが手に入らないのです。
ここのところ試合結果が良好ではありますが、それだってうちは勝利至上主義ではありません。クラブを通じて、自分に対するプライドと、コミュニケーション能力とが育成されていきます。それは将来的にも意義のあることです。もちろん足下に問題があるのは気になりますが、そこにだけ目が止まり、将来の伸びまでも犠牲にしてしまうのは残念でなりません。これは部員に問題がないわけではありませんが、それでもだからクラブを取り上げてしまわぬように保護者にはお願いもしたいのです。
クラブを離れようとしているみんな、そんなに簡単に仲間を手放していいですか。教室ではクラスメイトとしていられるかもしれませんが、歯を食いしばって乗り越えた仲間ではなくなってしまうこと、そこに違和感はないですか。そうしてまで手に入れたものがどんなものか、見たくはないですか。それはジワジワと効いてくるはずです。そのことをみんなに理解してほしいのです。これを読んだ保護者の方、もしこの言葉を信じてもらえるのなら、離れそうな仲間をクラブに取り戻すべく、お子さまと話をしてみてください。男の子は、教室ではなく、グランドで活きていくために本当に必要なものを身につけるかもしれません。そしていずれ教室の大切さも知るはずです。
1年生、そして2年生たち、仲間を何より大切にしましょう。仲間がグランドを離れることにもっともっと危機感を持ちましょう。戦う気持ちが折れてしまったのなら、しばらく戦うことを止めてもいいのですが、グランドにいることは問題ないのです。今までもそうした先輩たちがいます。戦えなくても仲間をサポートする方法があります。仲間が大切ならグランドにはいられるのだと伝えましょう。いずれちゃんと戦えるようになります、2年生は知っていますよね、ハマ先輩がそれを証明してくれたではないですか…そのことを忘れずにいましょうね。

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