勝負の時
センター試験が終わり、すでに先週末から一般入試の受験もスタートしました。本格的な受験へと突入です。まずはセンター試験の結果を冷静に分析しなければなりません。平均点を下げている科目については、問題の難易度が変わったり、問題構成が変わったりという何らかの要因があります。そんな中で自分はどうであったのか、難しいかもしれませんが、一歩引いて客観的に分析する必要があります。試験結果は点数という形で一応の決着していますが、その点数が納得のいかないものであるのならば、その要因を探り、これから始まる私立大学の受験に活かすべきですよね。
センター試験の平均点が二年連続で下がり、直接的には国公立志望者に影響があります。志願先を変える受験生が出てくることでしょう。何度か話しているように、不況の影響も懸念されます。どうしても現役で、しかも浪人はできないという受験生の場合、さらに安全な受験先へと流れるはずです。首都圏よりも地方でより顕著にそれが現れるでしょう。
私立大学ではどうかといえば、レベルでいうところの中堅からその下のセンター型に多くの受験生が集まっています。獨協大学だって前年比四割増です。ほぼ倍増している大学もあるほどです。このあたりにもやはり手堅く押さえて、少しでも受験校を減らして経済的な負担の軽減をしたいとの意図がうかがえますよね。センターの平均点が下がったということは、これからのセンター型の出願には注意が必要ですね。予想以上に志願者を集め、ボーダーが上がることが十分に考えられるからです。
ここまで考えてくると、首都圏が通学圏の私たちはどのように受験に臨むべきかが見えてきますよね。ここまで来て、特にセンター試験の結果などを見て、安易に受験校のレベルを下げるのは危険です。おそらく多くの受験生が抱えている悩みを共有して、さらに自分を苦しい方向に向けてしまうからです。へこんでいる気持ちを奮い立たせ、残された時間で過去問などでしっかりと対策をして、自分の実力相応校を強気で攻めていきましょう。
始業式後の十日に、ラグビー部は地区大会の決勝戦でした。昨年の国体地区予選と同じく春日部と対戦です。前回は同点でした。今回は惜敗でした。トライという決定的な得点ではなく、キックで狙う点数のみの決着です。実は今回も同点にする機会はあったのです。そこでキックを選択せずに攻めました。それは得点にはつながりませんでした。善戦ではありましたが、惜敗ではありますが、敗戦でもあります。よく守りました。よく攻めました。それでもゴールラインを割ることはついにできませんでした。勝負とはそういうものでもあります。似たようなことが、今年の大阪・花園ラグビー場での全国大会でも見られました。茨城の茗渓学園と佐賀工業は過去二年の対戦で二回とも同点でした。そして同点の場合、ラグビーは基本的には抽選になるのですが、ここで佐賀工業が次に駒を進めていたのです。今年もこのカードが組まれました。佐賀工業リードの後半、茗渓学園に同点のチャンスが巡りますが、今回のうち同様にトライを狙いに行き、跳ね返され三点差の惜敗です。それでも抽選での敗退よりもすがすがしいと話した主将の表情が印象的でした。
高校三年間とはいいませんが、少なくともこの一年はこれからの受験のために準備してきたあなたがいます。勝負をするつもりで準備を進めてきたのです。間違っても受験もせずに、簡単に誰かにその席を譲ったりしてはいけません。たとえその席が自分のために用意されなかったとしても、自分が決めた勝負をしましょう。そうすることでしか結果を引き受けることもできないはずです。勝ち戦ばかりが勝負ではないのです。負けるところから学ぶこと、身につくこともあります。それでも勝つイメージを失わずに挑み続けましょう。そのために残された時間を有効に使いましょう。「人事を尽くして、天命を待つ」それがあなたです。

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