師走です
今日から十二月になりました。いよいよセンター試験まで四十五日にまで近づきました。来週からの定期試験をまずはやっつけなければなりませんが、この先の入試を視野に入れながら、それぞれに対応をしてください。三年生はこの試験で卒業かどうかが決まります。すべての単位が認定されれば卒業へと向かいます。単位が認定されない場合には、年明けの追試の準備をしなければなりません。その意味で特に三回考査までで単位未認定が残っている人たちは、提出物や小テストの再確認をし、単位認定に必要な点数を確かめ、対策を講じてください。できるかぎり単位未認定がないことが望ましいのは、あなたにとっても、私たち教員にとっても同じことです。やるべきことは試験の前にやりましょう。試験の後からあれこれといいわけをしなくてすむようにしてほしいものです。
というわけで今月は、成績の確定のために処理が必要で三年の担任は一年の中でおそらく一番忙しい月でしょう。まさに師走という言葉そのものかもしれません。さらに私はクラブの方が暮れまで続き、レフリーの割当があれば本当の意味で走り回ることにもなります。そんな月になるわけです。
ただ学校の場合、年度の切り替えは三月と四月なので、年の瀬というのは気分的なものなのかもしれませんね。ただ旧暦では一月の睦月は、初春でもあり、すべての始まりの月だったのでしょうね。しかも中学開設後は、十二月以上に一月の方が落ち着かない月になりました。入試が続くからです。さらにここにセンター試験が加わり、いろいろな意味で緊張の続く月が一月だったりもします。
それでも一年の終わりということで、今年という年のまとめをして、来る新しい一年への決意を固める月にしたいですね。受験生のあなたにとっては、来るべき次の月は勝負の月となるわけですから、今月までの自分を冷静に振り返り、これからどうすべきかを判断し、それを実行に移すことが大切です。受験当日を落ち着いた気分で迎えるために必要なのは、今月の手応えのある過ごし方です。完璧な準備をして受験当日を迎えられる受験生などは皆無だと言っていいでしょう。それが試験範囲の決まっている定期試験との決定的な差です。だからこそどれだけ自分が納得できるかが鍵になります。
ただ師走の「師」は私たち教員ではなくて、お坊さんのことなのです。「しはす」という言葉そのものは平安時代の終わりには確認されているのですが、漢字が当てられるのはもっと後になってからのようです。しかも月のつかない月は、この師走と弥生だけです。その意味でもちょっと特別な月なのかもしれませんね。
なんとなく気分の問題もあるのでしょうが、なぜか師走はせわしないですよね。しかもそれはクリスマス以後の一週間くらいで急速に増す気がします。裏を返せば、日本人なのにクリスマスのイベントで盛り上がり、その後でさらに日本式の正月までやってしまおうという、ある種の節操のなさが拍車をかけているようにも思われます。ただそのチャッカリぶりが日本人らしいともいえます。気づけばハロウィーンすら日本に定着しつつあり、商業ベースに乗っている部分がないわけでもないのですが、それでもこうしたものを通して世界の多くの文化を知っていくと発想を変えてみるのも一つかもしれません。
元々の趣旨から離れて、イベントとして楽しむことに違和感を感じる人もいるのかもしれませんが、前述のような発想も大切です。つまり文化をどのように受け入れていくのか、というのは大げさに言えば世界平和への一歩になるからです。世界には多くの文化が存在し、それらはどんなものであれは否定されるべきものではないと、こうして知っていくのが日本なのかもしれません。そう考えて、師走を走りきることにしましょう。

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