残念なことですが、9月になってからクラブに顔を見せなくなったメンバーがいます。夏合宿を乗り越えたのに、実にもったいないことなのです。とにかく体力的にも、精神的にも一番厳しいのは合宿です。それをやり遂げておきながら、クラブから遠ざかってしまっているわけです。もちろんクラブを続けるのは、体力、精神力ばかりではなくモチベーション、つまりクラブを続けるための動機付けが大きいわけです。クラブを続けるための理由よりも、クラブを続けない理由が自分にできたのかもしれません。もしもその理由が前向きなものであれば、私たち指導者だって快くそれを認め、応援しますよ。次の目標が、ラグビーよりも優先されるのであれば、それは各自の判断です。
ところがどうなのでしょう、何か新しいものが見つかったのでしょうか。生活面、成績面を見ても、次の何かを見つけたとは言いにくいのですよね。そんな中、クラブを投げ出してしまうことがどれほどの危険というか、リスクをはらんでいるか、なかなか今は分からないと思うのですが、冷静に判断してほしいですね。
おそらくそのことを先日、引退してばかりの3年生たちは身にしみて理解しているのではないでしょうか。中学時代にクラブを途中で辞めてしまったメンバーたちは、そのエネルギーを持て余して、少しばかり暴走していた時期もありました。高校に入学して、ラグビーを始めてからまずは生活面が落ち着き、クラブに没頭しながらも次の自分の歩むべき道を見つけていくことになりました。その道のりは決して明るくも、平坦でもありませんが、それでも妥協することなく、たどり着きたいと考えているはずです。クラブを最後までやり遂げたからこそ見えているものも少なくないはずです。
私は自分の性格から、とにかく途中で投げ出すのはイヤなのです。最後まで見届けてみないと分からない、言えないことがあると考えています。その意味を今の3年生は分かるはずです。そして私と、私たちと共に楕円級に出会ったメンバーには、最後までやり遂げた向こうに何が見えるのかを確かめてほしいのです。もちろんその途中にはいろいろとハードルはあるはずです。それは自分の外にあることも、内にあることもあります。それでも継続は力なりなのです。
今、クラブから離れようとしているメンバーの中に少しでも今の自分を超えたいと願う気持ちがあるのならば、やはりクラブを続けることを勧めたいのですよね。そして私や、3年生たちの言葉に謙虚に耳を傾けてほしいのです。近いうちに3年生があなたに語ってくれる言葉があるはずです。最後までやり遂げた先輩たちの言葉です。

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