今朝、ニュースを見ていたら、作家の石田衣良氏がインタビューに答えていました。最近の作品に学校をあつかったものがあるために受けたインタビューのようでした。彼の発言に好感が持てたものですから、ここで一言と思ったのです。彼はその中で、学校という場所がとかく批判の的になっているけれども、多くの教員と、普通の生徒たちがとてもがんばっている場所なのだと話していました。この点では現場にいる私たちは同感なのですよね。教育現場はたしかに様々な問題を抱えつつも、個々では真剣に生徒たちと向き合って、少しでも今よりもよくなろうともがいているはずです。この教育現場に要求することが多いけれども、要求以上に協力こそが教育現場をよりよくすることだと語ります。ここでの本音は実は禁物なのですが、それでもあえて言わせてもらえば、要求の多くは生徒個人に関することです、それが協力となるともっと多くのものを含むものになります。ですから、やはり協力してもらえると助かるのですよね。
石田氏が、教師の力として人間力を挙げていたのです。この人間力は、性別も年齢も飛び越えて、持っているものだけが持つ説得力があるようです。うなずけるのですよね。先生と生徒とはいえ、結局は人間対人間です。そこには信頼関係に基づく、尊敬の念が互いになければなりません。信頼関係があれば、多少の理不尽も超えられるものだと語っていました。たしかにそうなのかもしれませんね。そうしないと、クラブの顧問などはできないかもしれません。生徒に時に理不尽とも思えるような要求をします。もちろんそれが部員たちのプラスになることを信じているからです。そしてその要求に応えてくれたなら、そこからは次に試されるのは私たち指導者側です。次には結果を出さねばなりません。
私にそんな人間力があるのかどうか、まったく自信はありません。それでも小手先の技術的なテクニック論で現場は通用しませんから、丸ごと目の前の子どもたちにぶつかっていくしかありません。このあたりは年を重ねたせいか、肩肘に力を入れずに、変にかっこつけたりせずに子どもたちと向き合えるようにはなりました。もちろん評価するのは相手、つまり子どもたちですから、彼らに聞いてみなければ分かりませんが、おめでたい私は単純にクラブの子どもたちには愛されているかもって、気をよくしてグランドに立っています。私には彼らに認めてもらえるのが、何よりの幸せなのですよね。そのために今日もグランドで、ずいぶんと大きな声を出していました。その声に応えてくれた浜リスのベアへのハードタックルが目に焼き付いています。孝は俊に一発、ものすごくいいタックルを決めたよね。三井の3トライも上出来でしたね。その三井のトライをゴールラインの先で阻止した隅田には、誰もが驚かされましたよね。グランドに倒れ込んだレオと多田の悔しい気持ちも、私にはうれしいのです。だってやられて平気な顔をしているよりも、もっとうまくなる片鱗を見せてもらえるのですからね。毎日、グランドで元気をもらっている顧問なのでした。

0