今日は快晴に恵まれ、明け方には冷え込んだようですが、グランドコンディションも良く、地区の最終戦でした。リベンジとでも言うべき一戦になりました。立ち上がりはやはり何となくもたつく展開です。主導権を相手に握られるとイヤだなと感じもありました。それでも前回の対戦と異なり、一人ひとりが落ち着いて、余裕のある空気もあります。あまりカリカリせずに見守ることにしました。細かなミスはあるものの、課題の接点もクリアしつつあります。徐々に相手陣に入る時間帯が増えます。そして相手陣22メートル近辺のラインアウトから、バックスのサインプレイではありましたが、サイン通りにボールを渡すのではなく、相手のスペースを突いて、スタンドオフがそのまま走りきり先制です。このあたりが前回の試合との違いでしょう。前回はこのランを戦略として封じていました。てすから相手としては、うちのスタンドオフのラン能力がどれほどであるのか、はかりきれなかったのかもしれません。
このトライで落ち着いたのか、比較的安定した試合運びになります。相手のフィールディング能力がうちよりも劣ることを見越してのハイパント攻撃を執拗に仕掛けます。結果として相手のミスを畳みかけてのトライも生まれます。相変わらず精度の悪いプレイも見られますが、それが響かない試合展開です。3トライ3ゴール、失点なしで前半を折り返します。怖いのは相手のラインアウトからのモールだけですから、それに対処するように指示して後半を迎えます。
前回の試合も、後半に一つ取られます。今回も後半の最初は相手でした。それもほぼ自分たちのミスから最後はゴールラインを割られました。とにかく前に出る意識と、一つにまとまることが大切です。ところが相手に主導権を握られると、とたんに自分たちのペースを乱すのが、今のうちの一番の弱点かもしれません。ちぐはぐになった攻撃がなかなか修正できません。それでも防御網が崩壊しなかったのが、成長の証でしょうか…とにかくねばり強くタックルをし、相手のフォワードの波状攻撃をしのいで、後半もほぼノータイムです。相手スクラムからこぼれ出たボールをハーフが上手にゲットし、果敢にラン、タイミング良くスタンドにパスをし、そのままポストしたにトライです。ゴールも決まったところでノーサイドの笛でした。
試合前にも、終わったみたら点差としても完勝と呼んでもいいほどです。それでも私はノーサイドの瞬間まで、安心ができませんでした。それは彼らを信じていないわけではなく、高校生のもろさをイヤと言うほど知っているからです。後半の中盤で、相手のリズムになりかけるシーンがいくつもありました。あそこで相手のリズムになれば、いくらでも引っ返されてしまう要素があったのです。そこを意識して、食い止めた成長ぶりに感服です。
これで春の関東県予選の最後の一枚を手にしました。この一枚の切符は、私が予想した以上の効果を持ちそうです。それが今日の試合後の彼ら、一人ひとりの顔に表れていました。あらたなスタートラインに立ちました。私も立たせてもらいました。そのことにただ感謝です。実に3年ぶりの県大会です。ここに向けて、また走り出しましょう。自信に繋がる一勝をありがとう。

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