紙をこするとクセがつく、紙を加工する上でよく利用する重要な紙の性質である。これを意図的に徹底してやるのがこすり折りである。

実際にやると上のような感じ、ペーパーナイフのような切れ味の鈍い刃物で何度も軽くこすって微細な折り筋を加えていく。この時刃先の鈍さに応じてくわえる力を加減することが大切、切れ味の良いペーパーナイフというのもあるもので、こういうもので力を入れてこするとあっという間に紙が破れる。
この道具はステンレスの爪のついたお気に入りのカッターナイフ(オルファカッターナイフ大型(HA-F59Y))を使用している。刃が丈夫で鈍くて力を加減しやすいのが好きなのである。下に敷いているのはゴム製の赤いスタンプパッド(ハンコを押す時に使う台)、紙の変形を滑らかに受け止めてくれます。

これを駆使して作ったのがこの作品、蟠竜幡竜闘争図。眼の部分ではさらにこの技法を推し進めてズルをやっている。
ズルの中身、紙に水滴をたらして柔らかくし伸びやすくしたう上で、やさしく根気よくこすって紙を変形させるのである。紙というのは繊維を絡ませて乾かしたもの、濡らすと固まった繊維がほぐれて自由な変形が可能となる。どこまで変形できるか、それはあなたの経験でつかむしかないでしょう。
私からのアドバイスはズルは最小限に効果的に使うこと、スポーツの反則と一緒で露骨なズルはゲームの品位を下げますから。
PS これをズルと感じない人は存分に使って良いでしょう。折り紙の世界では反則でしょうが、ペーパークラフトというくくりで見れば何ら反則ではありませんから。切り折り紙の世界では、、、まだこの世界は確立した世界ではありません。あなたが思うようにしてください。

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