円弧折りを使ってハ虫類のうねる体を表現するやり方は前回紹介しました。今回は意外なところに使われる円弧折りの応用例です。

これは
我流切紙人さんのカブトガニです。

辺縁をよく見ると、何やら細い円弧上の折りが入っている。これはなぜ?我流さんのブログに曰く「この円盤がなかなか思う通りにいかんのですね〜♪こまった、こまった。」って、あんた解決策見つけてるやないか!(なぜか突っ込む時には関西弁)。

簡単な実験をしてみました。ミタント紙を切って片方は円弧上の折りを外周に加え、片方はそのまま曲げて円錐を作ります。作ってみるとわかるのですが、外周に円弧上の筋を入れて(爪を押し当てるだけで十分)、それから折りを加えると筋が折りと曲げを誘導してくれて自然と美しい円錐面が出来上がります。
さらに五分後、折筋を入れなかった方は紙がもどって倒れてしまいました。
というわけで我流切紙人さんは美しい曲面を求めて円弧を外縁に使うという方法を編み出されたのでありました。この技法、「外縁(がいえん)に使う円弧折り」と名称をつけさせてもらいます。

ところでこの技法、つまるところは折ると曲げるとの差に行きつきます。この写真の紙(ミタント)を使って、折ったのと曲げたの、どっちがもどりやすいかを実験してみましたが、結論は「素材と形状によって多彩に変化する」。折りやすい紙、曲げやすい紙、もどりやすい紙、これらの性質が材質によって異なるわけで一概には言えないと思われます。要は自分の使っている紙の声に耳を傾けること。
PS 紙の声がちっとも聞こえないという人もいるはずです。でも大丈夫、わからなければこのブログによく登場する紙を使えばいいんです。私が愛用しているのはミタント紙とマーメイド紙、それ以外も使いますけどこの二つが圧倒的に多いです。

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