私の場合、畳めるということを重視しています。畳むことができれば「(封筒などに)しまえる、持ち運びできる、プレゼントできる」わけで、実用上たいへんに大事です。
そこで畳めるためには何か条件があるのではないか、解析してみたらありました。まずは横を向いた牛の型紙で見てみましょう。

まずは下の方を向いた牛、首の線と谷折り線のなす角度x°が、谷折り線と背骨のなす角度y°より小さい、つまりx<yの場合です。
これをたたたんでみると各角度の間には次の関係が成り立ちます。
z1=z2-x+y
よって z1+x=z2+y
x+y+z1+z2=360
よって(z1+x)+(z2+y)=2×(z1+x)=360
よって z1+x=(z2+y)=180

次にX>yの場合、同様に
z1=z2-x+y が成りたつ、よって結論も同じ。

さらにx=yの場合、中央の山折り線と他の折り線は直線であるから
z2=180-y、 z1=180-x=180-y=Z2
x+z2=y+z1=z1+x=z2+y=180
結局どの場合においてもx+z2=y+z1=180が成り立ちます。
これを局所的平坦条件といいます。先行報告者は
川崎敏和先生、川崎先生は折り鶴の変形理論で知られ、さらに有名な川崎ローズの発明者です。
川崎先生の本*から引用しますと
「一点から放射状に延びる折り線で紙が平坦に折りたためる時
(i)折り線の数は4以上の偶数、
(ii)折り線のなす角の一つおきの和は180°」 これは川崎定理と呼ばれるようです。
こういう知識が果たして必要なのか、普通は要らないと思います。でもそうたとえば、たまにあなたが行き詰ったとき、そんなときに素晴らしいヒントをくれるかもしれません。
*川崎敏和著「バラと折り紙と数学と」森北出版株式会社1998

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