2009年の干支、牛の切り折り紙は私の22年に及ぶ切り折り紙史上エポックメイキングな作品でした。これまで動物を作って横を向かせる際には出来上がった作品をいじくりまわして、半ば強引に横を向かせていました。それを設計段階から首を横に向かせることに初めて成功した、それが本作です。出来てしまえば大したことではありませんが、ここに来るまで20年もかかってしまいました。
できた後でなんで出来たのだろうと解析を始めるのが私の仕事、みなさんにも伝わるようになんとか説明してみます。

まずは壁面に当たるパーツを1→2→3→4というふうに単純化して、型紙を単純なフレームの状態へと戻していきます。(こういう学問を位相幾何学といいます)

同じモデルを上から見たところ、単純化が進むと同時に基本となる構造が見えてきます。どっかで見たような折り方ですね、そう中割折りです。

先ほどの4のモデルのパーツを4→5→6とちょっとづつ変形していくと、あれ中割折りになっちゃいます。これまで学習してきた中割折りは7の左右対称なタイプ、今回登場した6のモデルは左右非対称なタイプ。左右非対称でも中割折りと言うのかって?、私にもわかりません。仕方ないので6のような折り方を左右非対称な中割折りとここでは呼ぶことに決めてしまいます。先行する名称が見つかればそちらを検討しますが、果してあるものやら?知ってる方がおられたら教えてくださいね。

2