飾り切りがなぜフレームとして働くのか、仕組みは単純である。

左@は折り線だけで折った例、真ん中Aは多数の「>」形の飾り切りを入れた例、右Bは「>」形の部分を切り落とした例。これを無理やり曲げると

左側の折り線で折っただけの例では多数の折りじわが発生する。ところが飾り切りを入れた真ん中の例では折りじわはさほど目立たない。じつは折りじわは多数発生してはいるのだが「<」形の構造に隠れてしわが目立たない。さらに(右の例を見ればわかるように)折りじわの発生する場所が分散しているため、一つ一つの折りじわが目立たない。
ここから先は応用問題である。
1.竜などにこのテクニックを使えば、ごつごつした体表と流麗な体の線が同時に出せて一石二鳥。
2.鱗?の数を増やしたり大きさを変えたり配置を変えたりすることによって、多様な曲面を作り出すことが可能。
3.鱗?の数、大きさ、配置と得られる局面については一定の関係があると推測される。これらについて理解したものはさらに高い造形力を得るものと推測する。
PS この技法、実は書きたくなかった。だってこの技術は芸の世界においては「秘すれば花」の領域なのだから。でも書くのである。「秘すればゴミ」、そういう世界もまたあるのである。

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