どうも年末の感じがしないまま12月も後半にさしかかった。
この時期になるとテレビは愚にも付かない年末特番に占拠されるのだが、
僕はその愚にも付かない特番も結構好きだったりする。
くだらない喧噪が、年末の気分を運んできてくれるような気がするのかもしれない。
そんな師走も、いつの間にか変貌していく。
様々な場面でチャンネルが増えることで楽しみやライフスタイルは多様化していくのだろうけれど、
それはひとつのことを共有するコミュニティがどんどん小さくなることでもある。
何かを表現するときに、あるものに対して固定されたイメージを大多数の受け手が持っていれば、それをステップボードにして前提を省略することが出来る。
人々がそれぞればらばらの方向を見ていると、それは通用しなくなる。
だからこの先「三波春夫でございます」みたいなギャグでは笑えなくなるだろうし、小遊三師匠の「先日また福山雅治に間違えられまして」にキョトンとする人も増えるだろう。
その果てにある世界は意外と小さくて薄いものなんじゃないだろうかという不安は無きにしも非ずだが、
それを寂しいだとか世知辛いとは思わないし、世の中というのはそうやって知らないうちに変わっていき知らないうちに最適化されていくものだと思っている。
そして、そこにもたぶん、面白いものの種はいくらでも転がっている。
ユニコーンの「雪が降る町」を聴きながら、そんなことを思った。
世の中は色々あるけど、きっと来年も、そこそこ楽しい。
イラストはアメリカナマズ(特定外来生物)。
英名がチャンネルキャットフィッシュなので、連想して落書きしてみた。
実物はこんなにしかめっ面ではないが、幼魚はちょっとピメロディア類を思わせるスマートな姿でなかなかカッコいい。
昔はこの魚の幼魚がペットショップや熱帯魚店で安く売られていて、南米の中大型ナマズを飼えない小中学生を誘惑していた。
微睡んでいるうちに事態は深刻化して、駆除という「悪いのは人間」だからこその罰ゲームを強いられる時代。
楽しみは多い方がいいが、慎重に真剣に面白がる必要は絶対にあると思う。特に自然や生物が相手の場合は。
あ、facebook始めました。リアルorネットで面識のある方は探してみてください。

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