落書野帳

※イラストは適当にチョイスしたものなので展示内容とは関係ありません。



遅ればせながら、昨年リニューアルした姫路市立水族館へ行ってきた。
改装前の、入館料が200円の時からこの水族館にはいつも楽しませてもらっている。
施設の拡充どころか存続さえ危ぶむ声も聞こえていたので心配だったのだが、見事にアップグレードされていた。
「200円で満足」だった内容が、損なわれることなく「500円で大満足」へ。
これは意外と難しいことだと思う。



ここにはジンベイザメも、マグロも、イルカも居ない。
身近な海や川に住む生き物を中心に揃えた、丁寧で抜かりのない展示。
一つ一つの水槽の前に何時間でも居られるような、何とも言えない充実感。
ああ、お弁当を持ってくれば良かった。



珍しい魚や「スター」が居なくても、生き物が好きで、楽しくて、その楽しさを伝えたいという気持ちがあればこれだけ楽しいものができる。
それはたぶん、そのまま野外での楽しみにも繋がっていく。
僕は、自然や生き物と対峙したら目の前で起きたことすべてが「ご褒美」だと思っている。
そんな日々を重ねていけば、この水族館のどこかで必ず見られる奇跡のように眩しい瞬間にきっと出会えるだろう。

そんな風に勇気づけられる展示だった。


姫路市立水族館はこちら。
http://www.city.himeji.lg.jp/aqua/
入館料500円は非常にお得。


同じ敷地内で、かつて姫路市内を走っていたモノレールも展示中。

今年の年賀状のために描いたイラストと挨拶。




色々なことがあったから、
今年は「約束を果たす年」にしたいと思っています。



今まで、「その日を境に世界が変わってしまう」経験は何度かあった。
当事者ではないけれど、17年前の1月も、11年前の9月もそうだった。

昨年も、遠くに居るからこそ、失われた日々をただ呆然と見送る余裕があったのだろう。

僕は、表現する人にとっては、どんなにむなしく浪費した時間もけして無意味ではないと思っている。
むしろ「どれだけ無駄に過ごしたか」こそ大切だと信じてさえいる。

けれど、その無為に過ぎていった時間を結実させるためにはまたそれなりの時間が必要だということを、
最近強く思うようになった。

これから先は、もう少し「形にすること」を意識して生きることにする。

時間は限られているから、待っている人がいるから、果たせないでいる約束を遂げに行こう。




イラストはアメリカに住む両生類のグレーターサイレン。後ろ足がないのがポイントなのだが隠してしまった。
実際はもっと灰色がかっている。
最後までアンフューマとどっちにしようか迷った。たぶんどっちも不正解。

カットを描いた『大学数学の証明問題　発見へのプロセス』（阿原一志著　東京図書）が『数学セミナー』誌2012年1月号の書評ページで取り上げられたとのこと（評者は黒木玄さん）。

それだけなら特別珍しいことではないのだが、「中身のイラストがかわいい本」と挿絵に言及されたのが嬉しい。

挿絵はあくまで脇役。特に今回は解説を伴わない殆ど付け合わせのようなものなので、本来は気にもとめられなくて当たり前だと思っている。

それでもやっぱり反応が返ってくると有り難いもので。

この本の挿絵の主役は猫キャラなので、ネコ好きとしては二重の喜び。


※内容は大学生向けの教科書です。

あけましておめでとうございます。

年賀状のイラストは皆さんに届いたころを見計らってアップするとして、
龍っぽい魚ということで以前「アクアライフ」誌に描いたアロワナ類のイラストとともに新年の抱負を。


ブラックアロワナ


今年は自然科学や生き物を取り巻く状況がより一層ややこしくなりそうな雲行きだが、
僕は今までと変わらず「絵」に出来ることを探し続けていきたいと思っている。


アジアアロワナ


本の仕事をいっそう充実させたいし、オリジナルの制作についてもちょっと好き勝手にやってみようかなと企んでいる。
系統樹を端からデフォルメしてやるくらいの意気込みで。
あくまで意気込みで。


ノーザンバラムンディ


11月には4年ぶりに池袋のジュンク堂書店でイラスト展を予定しています。
会期は1ヶ月なので、お暇なときにでも足をお運び頂ければ幸いです。

先のことだと思っているとすぐ来ちゃうから、コツコツ準備しないとね。


ヘテロティス


まあ、僕のことだから相変わらず↑こいつみたいにボーッとしちゃうんだろうけど、
もういい年だし、仕事にしても自然観察にしても、もう少し時間を大切に生きてみたいと思う。

世界はまだ楽しいし美しい。それを忘れないように、描き続けよう。

今年もどうぞよろしくお願いします。