「七夕は幸運を呼ぶ」
7月6日18:00仕事を早めに終えて久しぶりに近所の港に行きました。
のんびりと夜の大物ブッ込み釣りの準備をしていました。並継ぎ竿にリールをセットし終えて仕掛けを作ろうとしていると・・・
一人の茶色タンクトップの若者が必死の形相で走ってやってきました。眼が血走っていました。
「タモ!網!貸してください!絶対、絶対!!お願いします!!イカ、イカ、イカ、イカなんです!!!アオリイカ・・・」迫力に押されました。私、すぐに貸しました。
彼は、凄いスピードで釣り場に走って戻っていきました。
私は数秒間考えました。「初心者ではないようだし、あの慌てようは変だ?何かおかしい。ひょっとしてもの凄くデカイんじゃないか?」
そんな思考後、約5秒後に私も彼のあとを追って走りました。私の直感が「彼を手助けしろ!!」と命じたのです。
実は、「先端まで来る途中、突き出し堤防にいた彼の釣り方」を(スカウト活動で身についた癖)観察しておりました。
彼は軽量メバル用ロッドにワーム:ソフトルワーでチョワチョワやっていたんです。今時メバルはいないのでフッコかカサゴでも狙っているのかなあ?と思って通り過ごしたんです。
まだ獲物を見ていない段階で、私は50m程後方から大声で叫びました。
「おい!タモ網出してやろうか?助っ人しようか?」
「はい、お願いします。」と明快な返事。
彼はタモ借りにくる間、獲物をくっ付けたまま軽い短いロッドを放置していました。
一人なんでどうしようもなかったと言っていました。
海を覗いてみると、極細ハリス糸に黄色いナイロン道糸をくっ付けて悠々と泳いでいるデッカイアオリイカがいました。
私は、興奮している彼を落ち着かせ、イカの背後に回り、タモ網を静かに沈め、彼にイカを動かないようにする指示を出しました。
獲ったり、掬ったり、掴んだりするのは私の得意分野ですから、私には失敗しない自信がありました。
ハリス糸は0.8号でしたので、掬った後引っ張ったらすぐに切れました。
私は、彼のカメラで写真撮影:イカを抱きかかえた彼の満面の笑顔をパチリパチリ・・・
ここで信じられない言葉が・・・
「おじさん、このアオリイカ貰ってもらえませんか?釣っただけでいいんです。僕はいらないんです。どうですか?」
「えッッ!!えッ!!! 何?何?ナニ〜〜 今なんて言った?」
「あげます。あげます。アオリイカ。コレ!!」
「本当かよ!!貰う貰う貰う〜〜絶対貰う〜」
二人で一緒にわっはっは〜
・・・という訳で自分で釣りやる前にデッカイ獲物をゲットしたのです。
私たちの周りに集まってきた釣人たちは、私だけをもの凄く羨ましそうに見ていました。
イカを抱えた私を妬んでいた人もいたようです。
「正直かつ親切心に溢れた・・・心優しい義侠心溢れた」私の性格が幸いしたんですね。
人を助けたら自分にも幸せがやってきた。
一日一善・・・やってみるもんですね。
日頃の活動で培った何気ない観察力の成果でした。
今が旬のアオリイカ=イカでは最高の味、最高級価格の逸品です。
私の大物ブッ込み釣りの釣果は、20時半までやってチビちゃいキス1匹。幸運は一つで充分
