
今の私には癒しが必要だと思った。
今日は朝早く起きて、江ノ島裏磯に行きたいと思っていたが、熟睡していて目が覚めたら7時。美味い魚を獲るには、時既に遅し・・・。
とてもとても疲れていたので、何が釣りたいという狙いはなく、癒し気分で海釣りに行く・・・こんな気分の時だと、やはり朝早く起きられなかった。
今日の海はすごく静かで平穏、透明度も高い、晴天でもある・・・これなら今年最後のキス釣りに最適だと考えたが、Tバーには、キスは居てはくれなかった。
人と魚の思惑はいつも一致しないものだから仕方がない。
釣り場に着いて、寂しさ漂う初冬のエボシ岩を撮影。
10分後、体の中から心の心底から「キジを撃ちたい」欲求にかられる。
しかし、Tバーには「キジ撃ち場」が無い。
久しぶりに野天露天しかないなと思ったが、人がたくさんいる場所ではキジは撃ってはいけない。
速攻で片付けて家のキジ撃ち場まで戻ろうと思った。
自転車を漕いでいるうちに、キジ撃ちの欲求は消え、今度はビールを買いたい要求がやってきた。
ビールを買い終えたら、またキジを撃ちたくなってきた。
家の前に来てキジが目の前に現れたような気持ちがした。
撃ちたい気持ちで苦しくなった。
慌てて、動転して、ビールの袋を落とした。
ブブブブュと漏れた音がした。
・・・ううううっ
遠くかすかにエボシ岩の幻影が・・・見えたような気がした。

ブブブブュは、ビールが破裂した音・・・だった。
私は広大な庭に入り私有のキジ撃ち場の扉を開けた。
キジが飛び去るのにかろうじて間に合った。
キジを撃ち終わり満足。
はっと気がつくと、ビールは泡まみれになっていた。
釣りに再び行く気力は消えた。とにかく、気合が入らなかった。
●キジを撃つ:山の用語、今でも使われているかは不明
投稿者:imori masuda takao