2008/5/6

5人目の不在、立ち尽くす4人  しばいデイズ


いしかわじゅんさんは、THE PLAN9をはじめて見ての感想をお書きになっていましたが、それ以外の観客の大半にとってにもこの春公演は「はじめて」となる舞台でした。

5人だったTHE PLAN9がはじめて4人で行う舞台。
だからこそ、これまでの「○th 本公演」と云う名称も「春公演」という漠然としたものに変わりました。
しかも、初の2部構成とあって、ファンの方はどんな新生THE PLAN9公演となるか、かなり期待と不安があったと思います。

今回の春公演の内容を象徴しているのが、ポスターでした。
そこで使われている4人の写真は、
そのまま、「お誕生日壊」の舞台である安井の部屋に飾られている形で登場します。



クリックすると元のサイズで表示します


この日安井の部屋に訪れることになっているのは、かつての同級生近藤、堀井、杉ともう一人坂本の4人。
本当なら5人でのお誕生会だったはず。
しかし、当日安井の部屋を訪れたのは3人のみ。

観客もそれは判っています。
THE PLAN9のメンバーの数は4人ですから5人目を演じることはできません。

そんな安井の部屋に飾られたフォトスタンドの写真に写っているのは、安井、近藤、堀井、杉の4人です。
この写真を撮影したのが、坂本だったことは想像にたやすいです。

それにしても変な写真です。
普通、これから懐かしい同級生を迎えるのにそのうちの1人が欠けた写真を飾るでしょうか?
5人で写っている写真がないならないで、坂本のいない写真をこれ見よがしに飾っておくのは、どうなんでしょう?
例え、坂本が欠席することを事前に報告されていたとしても、この写真は、随分と配慮に欠けたものではないでしょうか。

写真に写っているのが安井、近藤、堀井、杉の4人という理由を観客には判っています。
その理由は劇中の人物には無関係のことです。
でも、誰も不思議には思いません。

その写真が暗示するかのように、結局、誕生会はおろか、写真の中ですら5人目の人物である坂本が舞台上に出てくることありません。

だって、5人目はもうここには存在していないのだから。

劇中にも、
THE PLAN9と云うユニットにも。

でも、5人目がいるという事実までは否定されていません。
「お誕生日壊」の登場人物は5人です。

そして、続く「a room」。

舞台は変わって、安井の隣の部屋である、大西の部屋。
部屋には入れ替わり立ち代わり人々が訪れますが、最終的に部屋に残るのは5人です。
ただし、5人目は一度も姿を見せません。
部屋にいた大西以外の3人がその5人目の存在を知るのはクライマックスになってからです。

さらに、タイトルに使われているアルファベットは5文字。
エンディングに絵を持って立ち尽くす登場人物の数は4人。
4人はそれぞれ「room」の「r」「o」「o」「m」を受け持ち、冠詞である「a」は脚立を使って大文字の「A」を表現しています。

ここにも5人目の不在を見てしまいます。
そして、その存在の無い5人目を完全に消滅させることもできず、かといって代わりの人物で補完することもできない4人の苦しい姿を見てしまいます。

切り捨てることもできず、4人として再スタートとしたTHE PLAN9の最初の公演は、4人での舞台というよりは5−1人でのものになってしまいました。

4と5−1は数としては同じでも、意味合いが違います。

この舞台には本来居るはずの5人目がいます。
坂本という人物が2月に脱退した鈴木さんに重なって見えるのはたんなる気のせいではないと思います。

この舞台は、THE PLAN9の4人としての新たな船出ではなく、鈴木さんと云うメンバーを意識してできた別れの儀式のようなものだったのかもしれません。


0



この記事へのトラックバックURLはありません
トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ