昨夜の雨で掛けていた稲の束は、又濡れた
季節は冬に近くなる・・
おそらく籾はこのまま乾かないと判断する
気持ちはとても晴れた
シーズンが終わり、今年近くの農家が廃棄した小型の乾燥機が製材所跡にある
なんとかこれを使う事にする・・
「来年の秋に使えればいいな」くらいに思っていたがまさか今年始動するとは思っていなかった
必要な時にもう準備が出来ている・・
溜まっていた雑用を夜明け前からとにかく処理する
身体的には筋肉と骨を使わないから世の人達の「休日」に当たる
ラクさせてもらう
同じ状態・・同じエピソードでも苦痛に思え・・闇に感じるか?
花畑で遊んでいると感じるか?
人様々だろう
そんな日だった
今年の稲作は最高に面白かった
規模を少なくしたいと苗を600箱から400箱に減らしたが、田植え当日に駆け込みで植えて下さいと隣の老人が頼むケースが相次いで結局元の面積となった
苗を減らしても収量はほとんど変化しないのに驚く
手品みたいに感じた
17センチ・30センチ・36センチの株間の収量がみな同じなら苗箱が少ない方が全体の経費は安くつく
籾種選別も同じように塩水をきつくしておよそ三分の二は浮かせて、優秀な種だけにした
浮いた籾は洗って・干して食べてしまった
三粒の種が二千倍・三千倍になる
「世の株」よりよほど面白い
稗は雨で腐れて堆肥になっていたけど、稲穂は最後まで立っていた
ものすごい生命力を今年体験した
経費と米の収益がたとえ同じでも、レクレーションがいらない業種は他にないだろう
わがままな私が目を輝かせてやれるのはそんな面白い事があるからだ
農業高校はほとんど廃止されて、農家の後継者がいても親が「儲からないから勤めに出なさい」
そんな事を勧める時代だ
お金は使うもので
お金のマジックで吸い上げているナントカの種族の洗脳にだまされてはいけない
米の飯とオテント様は付いてまわるものなのだろう
芋・麦・蕎麦・主食があれば生きられる
少数の中のその又少数になってしまった食料生産者がきっと認められる日がくるだろう
居場所を見つけた私は幸いだ

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