麦を収穫していた
小麦色の良い色になった麦を収穫して次の畑に移動した
頼んだ人がそばにいる…
どうも自分の畑ではないようだった
日当たりが悪いその畑の麦は青白い
形は先ほどの小麦と変わらないから生育は順調だったが、色が付いていない
頼んだ人にまだ青いと合図した
収穫日は今日しかないらしくて取り入れてくれと云う
忙しいのはわかるけど、いやだなと思った
熟していない麦は混ぜられない
少し待てば
日を掛ければ
それなりに実を結ぶのに取れと云う
混ぜられないから袋を替えようと降りた所で場面が変わった
色を付けるのは太陽光線の恵み
育つのも太陽のお蔭
どんな所に住んでいる人でも、自然の恵みを食べて生きている
例外もあるかもしれないが、みんな太陽の光の変身したものを食べている
買えば日の当たらない所でも小麦は手にいる
元々光のかたまりだと思って食べている人は少なくなった
日当たりを意識して食べないなら、元気の源を意識して食べないならただの有機化合物になって栄養としか感じなくなる
畑に立って、どうやって育つか知らなければ、理解は出来ない
そんな知らない人でも、毎日何か食べられだけ幸せというものだ
つまらない事に気を取られている人も、食べられない日は
一度来る
考えている人もやがて、食べられない日がくる
見た目の形が同じならば、せめて色の付いた小麦のようになりたいものだ
次の世界につながっていく

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