禱りの糧

昨夜遅く相談に来客有り

車で来ると電話があったが小学生が歩く距離だったから歩いてきてくださいと言った

相談されても結論の出ない内容だった

どうしたらいい
こうしたらいい
と答えはあるが

何も力になれない

精神的な話だからどうもこうもない

あきらめなさいを何度も言った

私は力になれない・・自分で決めなさいと言った

ちょうど朝書いた日記があったので読んでもらった
そんなに長くないから二度三度読んでもらった

わからない？？？という
主語を抜いて書いているからわからないかもしれないが

里の暮らしをひとまず置いて
スケッチブック片手に緑濃い谷川を歩く情景には
里の暮らしの確立が背景にある

里の暮らしの入り口にも来ていない人ならわからないかもしれないなと思った

お金は必要だけど
必要以上のお金を求める人に、のんきに散歩などできないことを言っている

百姓したら貧乏するのが当たり前だ

自分で種をまき・育てて・刈り取りまでしないとわからないのは当然だと思う

私も大事な人に失礼を重ねてきた・・自分の負い目は自分で刈り取るしか手立てはない・・

これ以上負の種まきはしたくない・・刈り取るなら喜びを刈り取る側にいたい・・

毎日そう思っている

社会的な話題は毎日報道を賑わすけど・・

出来合いの冷凍食品に私の農産物は使われていない・・

自分で煮たり焼いたりする人には無縁の世界・・

今の世の中信用できない事が多い・・なるべく食材そのものを自分で煮炊きしたいと思う

見えない負債は返すのが大変だ・・



悩みはひとまず里に置いて

山の谷川を歩いてみましょう


スケッチブックを抱えた浮いている人達は確実に増えている

２０１３年１２月３１日　２３：３７

今日は大晦日・・
外出は控え・掃除や神棚の飾り付けをした

私の田んぼの藁で作った親戚の納豆が届いた・・
以前はどこの家でも作っていた




自宅の前にある神社・・
新年に向け、当番の地区が飾り付けした


「うそ・・」
地元では「鳩替え神事」と呼ぶ神事が春行われる・・

凶作の翌年に昨年の事は「うそ」であったとして神事が行われる









ストーブの前で自宅用の注連縄をなう





藁は農村の生活に欠かせないものだった・・

農業機械は農民を過酷な作業から開放した

反面・農的な暮らしもなくなった

ハウス園芸
果樹専門の農家は水田をしなくなった

いや出来なくなった

収入を伸ばそうと思えば作目を絞り込む必要がある

春と秋は忙しくなる

しだいに百の品目は一つになる・・

仕方ない・・
それが今の世・・

今日は午前中家の改造・・
午後餅を搗いた

西洋暦（グレゴレオ暦）の正月前の恒例・・

人の顔の表情はその頃の心を映す・・
写真は語る・・

鶴が自分を見つめている・・
どう生きていくか・・


７歳・志賀島・・海の美しさ・水の綺麗さ・・まだ覚えている


１２歳


１４歳の秋・毎週日曜日は家の農作業
子供の農作業ではない・一人の働き手として参加していた
耕運機作業・牛の世話・消毒・収穫なんでもした
今なら児童虐待にあたる・・
町の子がうらやましかった
時々自分で青果市場に畑の産物を引き抜いて持っていった




１６歳農業高校入学・・
前年中学浪人して自分の道を一年考えた・・
本ばかり読んで・毎日あるきまわった・・
勉強らしきものはしなかった

この頃の一年はあとの高校３年間より長かった・・
一生を決める大事な時期をじっと立ち止まり眺めた

毎日人は何のため生まれてきたのか
どんなことをして生きていけばいいのか

本では得られなかった
友人は少なかった

年寄りくさいといつも言われた
農業後継者は決められた進路だったが、嫌だった
自分の時間がなかった


１７歳・冒険の旅・・少し開放の味を覚えた・弓道部だった


１９歳・農業試験場・・基本的な座学と実習
理論は高校の時の比ではなかった
分析と記帳・・温度管理・水管理・楽しかった
毒物・劇物の取り扱い者試験・大型農業機械の免許取得などもあった


三島由紀夫をよく読んだ時期




５０歳







５７歳の秋


結局静かな農夫をやっている
華やかな舞台ではないが、観客は何億もいるちいさな生き物だ・・
そして自分にとって一番幸せな道だった

２０１３年ももう終わる・・・
来年はどんな年か・・

　 2013年12月30日04:32

目覚めてしまった朝

起きて何かするには惜しい時間

水田の一年を想う・・・


今は冬

寒さで上に伸びないで、下に伸びる時期

雑草の根の先端で何が起こっているのだろう

樹木の根と同じように、岩石を溶かし自分の栄養とすべき様々なミネラルや必要とする元素を作っているのだろうか

微生物も活躍しているのだろう

自分の意識を小さく小さくして行って

寒い夜中のベッドから抜け出して、地下に潜る

地下室の錬金術師は地下で無いものから有るものを作っている

何千何億の虫はその年必要な養分を生産する

草の根の

学術的な知識は知らない

知らないけど

毎年稲は実る

その結果があれば狭い研究室と長い論文の紙はいらない

手探り・・

実れば証する

あかしが立てれば彼らは喜び私も喜ぶ


作り手には作り手だけの楽しみと喜びがある



腕を組み流れる川を見るような姿勢で一年を過ごし

それを５年10年と繰り返せば、利益と計算に追われる事もなく毎年作り続けられる

バケツでも作ったな・・


かわいそうな赤裸の土地も傷を癒やす人体の治癒のシステムと同じように、草が生え、樹木が育ち・・

森になり

雨を呼ぶ・・


思いの思う所を土の中に向ければ、暖かく豊かな世界が広がっている


他人の知識に一度汚染されたら抜け出すのに大変な思いをする

農夫の親が余計な事は覚えるなと云う意味は深い

学者は孤高の学問を探求すればいい

農夫は虫に変身して草の根の先端を見にいけばいい

自分の立ち位置を認めればいい

ひっそりと暮らす農夫だ・・・