禱りの糧

馬の首を切る夢を少し前見た
ずっと忘れられないくらい鮮明だった

過去生の記憶とある人が言った

そうかも知れないがそうでないかも知れない

考える為だけにみたのかも知れないよ…

浮羽町は林業の町
今は森林組合はトラックで材木を運ぶ

以前は
母親の娘時代は
馬で運んでいたらしい
母親は結婚前に
私の母方の祖父と馬車で材木を運ぶ馬車引きだった
山に車で連れて行くと
ここも通った
あそこも行ったと話す
馬車に揺られて昭和20年代の戦後
山の中を材木を運んだ娘時代の記憶は忘れないようだった

馬は競馬の為ばかり存在していない

車の入らない林道は
キャタピラー付きの運搬車の登場する前は馬が主役だった

馬の足に鉄の履き物を打ち付ける
蹄鉄屋がニ年前まで近所にあった

最近取り壊されて、昭和がまた一つ消えた

私の通った保育園の目の前だったので
朝と夕方馬を見ながら通った

やがて大人になって馬刺を食べるようになった

馬刺しは人に近い肉の色をしている
それは美味しかった・・・

牛は刺身で食べないが、この浮羽町の土地の人たちは馬刺が大好きだ

正月が来る…

沢山の馬が食卓に並ぶだろうな…

この日の為に

競馬場から
競馬出来なくなった馬が…

山から
材木を引き出せなくなった馬が…

肥育場で
一度肥育されて
脂をのせられて・・

精肉されて店に並ぶ

一言祈って
美味しく頂きますと言って食べましょう

何を考えているの

何考えているの

カフェでコーヒーを飲んでいたら
給仕してくれる女性のオーナーが声を掛ける

ただ座っているだけなんだが
頭は動いていないけど

雰囲気は
考えている姿に見えるのだろう

あんまり考えていないよ…

雪の朝だ
今日で今年は終わり

いろいろあったです

単に、グレゴリオ暦での終わりだけれども
この暦で
今は日本も経済を共にする国も
防衛を協力する国も
動いているので

一応の節目の日です

ある意味本当に祝うのは正月よりも
今日の夕方かもしれないので
やり残す事の無いように朝のこの時間を大事にします

正月の朝より大きな晦日の朝…

人の一生で云えば、臨床の日…

学校で云えば
卒業式が終わり
みんなチリジリになって旅立つも3月31日までは籍が残る卒業資格が満了する日…

意外とこれは大事な日で、事と次第では卒業資格が問題になる場合がある…

稲で云えば
刈り取りの日…

アセンションでいえば自分で遺伝子を書き換える日
古い情報は捨てろ捨てろ…

始まりの日は泣いても笑っても仕方ないけど
覚悟しようにも
すでに遅いけど
終わりの日はまだ出来る…

牛を食べた事のある人又は
牛の乳を飲んだ事のある人
手を上げなさい

はい…

私は牛を殺しました
お金で屠殺人に頼んで
私の代わりに牛を殺してもらいました
美味しかったです

牛を飼って
牛の体を撫でて
牛の糞を毎日掃除した事のある人

手を上げなさい

はい…
牛はかわいいです
小さな小学生の頃から巨大な牛の鼻をひねり上げ
朝外に引き出し
夕方小屋に入れて
牛のでんぐり返りの目とにらめっこした
楽しく牛と遊びました
ドナドナの歌を歌いましょう

牛の乳を飲ませると
我が家の子供が
牛のようになるから
先生！
飲ませるな!
と怒鳴った事のある人
手を上げなさい

はい…

事実です
可愛い娘を牛のような顔にしたかったら
牛の乳が一番ですね…

放し飼いの鶏を食べさせてもらった

とても美味しかった

飼い主が、束縛を少なくした環境で育てた鶏だった

何よりも
命の大切さを理解している方が
包丁で丁寧に…

首を切って

血を抜いて

解体して
料理した鶏料理でした

その鶏は、自由に走り回れる放し飼いで育ち

卵を産みたい時に
産みたいだけ産んで

産めなかった残念の少ない無い鶏だ

エサも自然に近いもので
大地の砂も土も食べている

まだ産めるけど
卵を産む役目から体を食べてもらう事に変更して
差し出された命だ

一つの役目が終わったら
次の役目が待っている…

ああ
哀れと思う無かれ
一晩経ち

食べられた鶏が消化され

私の体を走りまわり

古い鶏飼いの記憶を呼び覚ます

そうなんだ

食べたものは
血となり
肉となって
その人の体を駆け回る…

コケコッコーと駆け回る…

どんな育て方をしたのか
されたのか

食べて
味見して
判断しないと
好まない所に連れて行かれるぞ

自営
自立
自由にするため
なるために

もう人に仕え無いため

もがく日々…

なんで収入を得ればいいか
そうだな
鶏を飼おう

そして100羽の鶏を7年飼った
毎年
毎年
雛を入れて育てて
中雛
成鶏にして
廃鶏にした

鶏人生だったな…
朝起きると青い草を求めて山に川にジープで駆け出し

年末は
裏の山の立木に鶏をぶら下げて首を切った

卵を産まなくなった鶏は人々に食べられる事でその生活を全うする

鶏を食べる人は
バタバタするのを

静かにしろ！
と言い聞かせて
自分で庭先に吊して
その首に包丁を入れて
子供にたらいを持ってこさせ
一緒にお湯を掛けて
羽根をむしり
手を血まみれにさせながら
肉と内臓を分け
しかるのち
生で食べられるものを生で食べて
命を提供した鶏に敬意をあらわす

それが鶏を食べる人の礼儀正しい行為なのだ

でも私は、毎年のこの儀式がイヤになり
やがて鶏飼いはやめてしまった

たまに鶏を食べるのは美味しいけど

米さえ食べれば
人は命を養える

栄養があるから食べなさいは、間違いだな…
栄養は要らない
栄養は少ないがいいぞ
栄養を欲しがる者は
命を食べるべし

庭先で生きた鶏の首を切って
お湯掛けて
子供にナイフで切り刻まさせて
食べられば

いくらか肥満児の数は少なくなるはずだ

私は子供と一緒にそうして年末の儀式をした
雪の2012年の朝です