今朝の朝日新聞朝刊1面、折々の言葉で次の言葉が紹介されていた。
「教育とは死に至らない失敗を安全に経験させるためのものです」
北海道にある株式会社
植松電機、植松 努 専務の言葉だそうだ。
資本金1千万円、従業員数十数人の小さな企業だ。
以前、
「『どーせ無理』を無くしたい…世界を感動させた町工場のおっちゃんのスピーチ」というのを読んだことがあった。
「教育とは死に至らない失敗を安全に経験させるためのもの」
うまい言い方をしたもんやな、と思った。
20年ほどまえ、労働省のシンクタンクの連中らと「究極の就職支援システム」について議論を交えた。
その時に、僕は「ドラえもん」やね、と答えた。
きょとん、とされた。
「あれは、のび太に特化した『自立支援システム』――いわば『キャリア・ディベロップメント・システム』でしょ」って説明した。
ドラえもんは、四次元ポケットから様々なツールやハウツーは提供するけど、それに依存すると失敗するっていう体験を毎週積ませる。
そして、年2回ほどは映画の中で「大冒険」を経験させて、ぐうたらなのび太の自立を促すわけやからね。
大学におけるゼミナールやインターンシップみたいなもんなんやね。
だけど、このシステム、人工知能によって膨大なデータを解析し、プログラムを進化し続けなければならない。
まず、採算が合わんから、商品化は無理やね。
だから、就職支援ビジネスの連中は、安直なハウツーしか商品にしない。
そして、マニュアルに頼り、失敗を避けて通る事なかれ主義の人材ばかりを「生産」するわけやね。
だけど、教育機関が採算を重視して、その労力を惜しんだらあかんよね。

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