本業のことで、かなり頭にきてる。
本業ってぇのは、大学生の就職支援の仕事だ。
僕は、29歳の時にこの仕事に出会って、「こりゃ天職やわ」って感じた。
当時、この世界で「カリスマ」だった大先輩に「この世界でのオピニオンリーダーになれ」と煽てられ、その気にもなったんで、それなら、ほんまもんのプロになったれ、と色々と勉強もし、経験も積んできた。
んで、47歳の時に2度目の転職をして、今の職に就いた。
「オピニオンリーダー」ってのになれたかどうかは分らんけど、それなりに僕の発言や行動は、この世界ではそこそこの影響力を持てるようににはなってる。
気がつけば、カリスマだった大先輩の年齢に近くなってきた。
そうなると「後進」ってのを育てなきゃならない。
幸い2年前に僕の部下に転職してきた男は、意欲もある、センスも良い。
僕はこの12歳下の部下を徹底して鍛え、持ってるノウハウを教え込んだ。
それがだ、1日付で異動!
それも、役員の秘書だと!?
偉いさんにカバン持ち、茶坊主にするために鍛えたんとちゃうわい。
事前にネゴしに来よったけど、向こうの言い分は「高い評価をしてるから」と来た。
営業を強化するのに、一番、油の乗ってる営業マンを取り巻きにするか?
医師不足が問題になってる時に、患者をたくさん抱えた評判の医者を現場から外すか?
だいたい、僕の部下は、引き抜かれることが多い。
僕とやる仕事は楽しいから、嬉々として仕事をやる。そんな姿を見ると「優秀」にも見えるやろし、使い勝手もよさげに見えるやろう。
だけどなー、それは「動機づけ」の問題やねんぞ。
基本的に僕は部下の異動には異論を挟まない。
だけど、頭には来るんやな。
こっぱ役人どもめっ!!

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