クリスチャンでもないのに、おまけに大きな煙突もないのに、子供のころの我が家には、毎年、サンタクロースが来てた。
子供心に「どうせ、サンタはお父ちゃんだろう」と思って、正体を見破ろうとして、兄貴と二人、布団の中で起きてたこともあったけど、気がつけば、朝になってて、枕元にはプレゼントが置かれていた。
もうとっくにサンタは来ないし、僕の髭は年々サンタみたいに白くなってきた。
若い時分は、それでもなんとなくウキウキしてて、クリスマスアルバムなんかを買って、好んで聞いたりしてた。
スティーヴィーの「思い出のクリスマス」なんか大好きだった。
「レゲエクリスマス」のシリーズも毎年買っては楽しんでたんだけど、レゲエを取り巻く商売が胡散臭くなって買うのをやめた。
今では、そんなワクワク感を感じることもなくなってしもた。
だけど、今年は、クリスマスアルバムを買った。
ボブ・ディランの「Christmas in the Heart」。
買う気になったのは、チャリティーだから。
2枚買って、1枚は、ディラン好きのマスターのいるバーの周年の時にプレゼントした。ちょっとは貢献できたわけだ。
もっとも、国内盤は、なんとなく中間搾取がありそうな気がして、輸入盤を買った。1枚1,500円やったしね。
車のカーステで聞くと、なかなか笑える。
なんせ、ディランの歌でメロディーが聞きとれる曲を初めて聞いた。
なんだ、まともに唄えるんやんか。
だけど、どんな顔してレコーディングしてたんかな、なんて考えると、また笑てもた。

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