昨年6月、ミクシィに書いた日記を思い出させたのは、日本郵政とローソンの会見だった。
そろそろ動きだしやがるようだ。
ちなみにこんなん書いてましてん。
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前の勤めは医療法人だった。
1年ほど前、日本YouSayの西日本担当という人間が僕を訪ねて来た。何でも共同事業の提案があるてことだった。
今年10月の民営化を前に何事かな、と思って話を聞いてみた。
正直、驚いた。
前の首相は、やたら民営化・民営化と騒いだが、なるほど、これが奴らの企みか、と納得した。
持ちかけられた事業の概要はこうだ。
現在、東京駅前や大阪駅前の中央YOU便局は、規制で5階建てまでとされているが、民営化に伴い、その規制は撤廃される。ここに超高層のマンションを建てる。ここにクリニックを併設し、高齢者向け、介護・看護付住宅として売り出す、というのだ。ターゲットは、一度は郊外へ居を構えたものの、都市回帰の傾向が強いと言われる“団塊の世代”。
同じような事業は、関東圏で東Q沿線でもう既に展開していた。バブル期にトレンディドラマなどで人気の出たあの沿線の住居を体よく地上げして再開発に向ける、というシナリオだ。その受け皿として、介護・看護付高齢者住宅を展開していた。
YouSayの提案そのものは、大して違和感はなかった。“5階建て”なんて規制があったのは初めて聞いたけど…。
しかし、よくよく聞いていくと、そんなのは序の口だった。
「○ーソンなどの商店も入ります」
・・・・・あ!
○ーソンは、旧ダイAグループ。バブル期、吸収合併でダイAは全国に多店舗展開を進めていた。どこから資金が出てるの、て疑問は、経済人みんなの暗黙の了解だった。目的は、卸という日本特有の商慣習を破壊すること。
そのダイAは、日本の商慣習破壊と言う目的をほぼ達成すると、急速に資金繰りが悪化し、ものの見事に経営破綻した。○ーソンの実権を握ったのは、菱のマークの財閥商事。軍需産業も握ってる企業グループだ。この金庫番たるバンクは、バブル期に踊らされることなかった。おまけに外為に強いトキオBKと合併までしたっけ。
その○ーソンにYou便ポストが設置されたのは記憶に新しい。だけど、あんまりみんな重要視してなかった。宅配便でも十分事足りるからだ。
だけど、これで納得できた。ひょっとすると町の特定YOU便局は、○ーソンのフランチャイズ店になるかもしれない。
さらにだ。
旧国鉄は、YouSayに莫大な借金がある。この返済を公社のうちに物納してるって言うんやな。“土地”でね。
つまり、JR沿線の広大な所有地は、気づかない間にYouSayの物になってるわけだ。YouSayがJRとつるむと当然、物流面でも大改革だろな。
なるほど、頑なに黒ニャンコが抵抗するはずだ。
「んで、運用できる資金面はどんなもんですのん?」
訊ねてみた。
返ってきた言葉に愕然となった。
「23兆円ぐらいですかね」
正確な数字かどうかは検証できない。
だけど・・・、
You便局は「貯金」だ。銀行は「預金」だ。
銀行には、「預ける」のであって、その言葉の背景には、銀行が「預かった金は運用しまっせ」という意思が見える。
「貯める」は、そうじゃない。みんなYou便局には、せっせ、せっせと「貯め」てきたわけだ。
だけど、民営化で貯金は預金になるんやな。
戦後、わが国の経済復興は、他国に例の見ない「低金利政策」によって実現した。
国は、本来、責任をもって整備すべき福祉や社会保障を蔑ろにすることで、国民の老後の不安感を助長させた。だから、国民は貯蓄に精を出した。ほとんど利息もないのに、だ。
資本主義における教育は、本来、“金の使い方”を教育すべきなのに、初等教育から「無駄遣いはあきません」「お小遣いは貯金しましょう」と美徳を押し付けられた。
給与として企業が支払った国民の所得は、幼子のお年玉に至るまで金融機関が吸い上げ、二束三文の利息しか還元せずに、企業に低金利で融資した。
マル優の廃止は、子供のお年玉にかかるタダ同然の利息にまで課税するってわけだ。
同じようなシステムは、当初、「福祉目的」とされた1989年の消費税導入にも当てはまる。
ずっとこの国の民は、搾取され続けてるってわけやな。
さて、今年10月。
YouSayの動きに目が離せませんな。

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