国民と民族、これは明らかにに違う。
ところが、案外、日常、混在して使ってるんやな。
「日本人」て何や?
「日本国籍を有する者」なら、民族に拘らへんわな。
ところが、とりわけ、日本の場合、なんとなく「日本人」=「日本民族」ってな錯覚を起こしてるように思う。
これは明治時代からの大日本帝国下における“洗脳”の影響がまだ連綿と続いてるんやろな。
日本人が単一民族であるという根拠としてあげるのは「島国だから外敵の侵入を防ぐことができた」って奴…。
まさかね、ほんまにそんなことみんな信じてるんかな?
たいてい元寇を引き合いに出して語られるこの理由付け・・・ナンセンスも甚だしいんやな。こんな洗脳が未だに通用しとるんやな。
対馬海峡から朝鮮半島って見える距離なんやで。
島国なんていやグレートブリテンなんてどうなるの?
ポリネシアの島々には、人はどうやって移り棲んだっていうの?
オーストラリアだって、アメリカにだって、人は移り住んでいる。
そんなことより、沖縄や小笠原に人が移り住んでるのに、なんで対馬海峡が越えられへんねんな。
変やん。島国が単一民族の根拠なんてのはね。
「日本語」という共通の言語を持っている?
だけど、青森や鹿児島の人間が話すお国言葉を僕らはまったく理解できへんやん。こんな狭い国土で、なんでいくつも言語があるねんな。
黄金の島“ジパング”は、諸外国から見てもユートピアやったに違いないよ。流れる川の水を、腹を壊さずに飲める土地やで。山の幸も海の幸もある。暑すぎず、寒すぎず、雨も多い。本当に緑に溢れた土地やからね。
アメリカ大陸を空路横断したとき、空から見えたアメリカの山々は、荒涼とした荒地やった。それに比べると日本は山々に木々は群生し、食うものに困らんかったはずやな。しかも、温暖な気候は、疫病の発生すら抑えてくれてたはずやからね。
他の土地に住む者からは、「狭い」ってこと以外にデメリットはなかったと思うよ。
だから、このちっぽけな島に1億数千万の人間が住むんやな。
欧州諸国なんて、イギリスもドイツもフランスもたかだか数千万の人口やからね。
日本の「力」はこの人の集約−−もっと言えば「人智の集約」によって生まれたものに他ならない。
「大和」、「大きく和する」思想が国の是となったのは、多くの異民族国家を束ねた国やからやな。
だから、言葉も未だに暗号のようにその土地の人間しか分からない言葉が存在する。
宗教だって、異民族の多くの神々を認めたから「八百万の神」なんやな。
無宗教って言われる日本人やけど、しっかりした「先祖崇拝」って宗教は、厳然として残ってるよ。
他民族やから、自分の祖先こそが「神」なんやな。
そう考えてるとこれからの日本という国家にほんまに必要な施策が何であるのか見えてくる気がするよ。
早く「単一民族」という呪縛から解き放たれるのもひとつの条件かもしれんな。


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