願うことは割と重要 神様も優しい時があるそうだから (りく)
晴れてほしい、と願った。
正確には雨がやんでほしい、か。
娘の私立高校の受験をひかえた前夜は土砂降り。
おまけに雷も鳴っていた。
風は吹き荒れ、雨戸を打つ雨。
車で送っていってもずぶ濡れになるだろう。
せめて靴下の替えを持って行くように言わなくちゃ、と思ってた。
翌朝、資源ゴミを出しに出て、その空の美しさに絶句。
神様は時々わたしの願いを聞いてくださる。
ほんとうにほんとうに時々だけど。
雨に濡れることなく無事会場入りした娘。
試験終了時刻に迎えに行くと、車を山から吹き下ろす風がグラグラと揺らす。
「寒い」といいながら乗り込む娘は「落ちた」とつぶやく。
「たぶん、大丈夫だよ」と笑う。
家に帰ったら甘い物でも食べましょう。
また翌日も別の試験だから早く寝ましょう。
神様、わたしにはまだまだ願うことがたくさんあります。
どうかもうすこし頻繁にわたしの願いを叶えてください。

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