題詠100首2007への投稿が終了しました。
前半50首は以前に
記事にしてあるので後半を並べておきます。
051:宙 カプセルに宇宙を詰めて飲み込んであしたもきっと走るのでしょう
052:あこがれ かっこよくハイヒールでもよろけずに歩ける人にあこがれている
053:爪 サンダルになる夏が嫌 爪にまで紫外線とかあてたくないし
054:電車 冷房の効いた電車で乾かした スニーカーとかコンタクトとか
055:労 かんたんに手にいれるより苦労した方が大事なものになります
056:タオル おひさまと風をたっぷり吸い込ませ厚いタオルを軽くしました
057:空気 空気まで美味しい場所でメレンゲを泡立てている職人気質
058:鐘 早朝の鐘が知らせるお別れに丸めた背中を正す父親
059:ひらがな ひらがなの「い」と「り」の区別がつきにくい少女の文字をまねてみました
060:キス おやすみのキスをしましょう 眠れなくならないようにそっとしましょう
061:論 体裁は小論文のようだけどラブレターだとわかっています
062:乾杯 咳止めのシロップだけど乾杯と言ってから飲むほうが美味しい
063:浜 パラソルで埋め尽くされた砂浜を縫うようにして海を目指そう
064:ピアノ 何年も調律せずに放置したピアノを連れて嫁に行きます
065:大阪 大阪は通天閣を中心に自転している星みたいだね
066:切 ひきだしの奥のはさみやカッターに取り戻したい切れ味がある
067:夕立 裏口で夕立を待つアマガエル積乱雲を呼ぶ精になれ
068:杉 あおあおとした杉玉が並んだらそろそろ秋も終わるのですね
069:卒業 ジュニア用ブラを卒業した夏にワードローブが広がりました
070:神 空をうめつくす雨雲 鳴神が君の自転車追いかけてくる
071:鉄 コンビニのサプリメントで採る鉄も意外とバカにならないのです
072:リモコン リモコンという名の棒で操作する祖父のテレビは14インチ
073:像 胸像の並ぶ廊下を自転車が走る 夢だと信じたいけど
074:英語 これからは英語力より中国語力が必要かもしれません
075:鳥 夜に飛ぶ覚悟を決めた鳥たちがざわめいている日比谷公園
076:まぶた あと2秒震えるまぶたを閉じないで 息を止めてて構わないから
077:写真 右隅に通りがかりの君がいた修学旅行の写真を飾る
078:経 いつもより時が経つのが遅いのは何かを待っているからなんだ
079:塔 割り箸で作った塔に火を放つ儀式で夏とお別れします
080:富士 富士山はいじわるをした仕返しにいつも冷たい雪を背負ってる
081:露 日曜の午後の駅前 青い目の露天商からリングを買おう
082:サイレン サイレンが鳴り出したのをきっかけに君に近づく訓練をした
083:筒 銀色の筒から出したハンカチでよければ涙拭いてください
084:退屈 フレッシュの代わりに入れた退屈を冷たい紅茶と混ぜ続けてた
085:きざし きざしっていえばなんだかよいことが舞い込むような感じがします
086:石 石鯛が釣れたからって喜んでいるけどここは「どうぶつの森」
087:テープ サージカルテープじゃかぶれそうだから面倒だけど包帯にした
088:暗 暗室の黒くて重いカーテンとよく似た服の行列を見た
089:こころ 「こころよりおわびします」のリピートをただ流すしかない電波塔
090:質問 肝心なことを質問してるのに答える代わりに質問される
091:命 たまになら命令されてあげるけど従順だとは限らないから
092:ホテル 海辺には巨大ホテルが建ち並びネズミの国を支え続ける
093:祝 結び切りの祝儀袋を買ったけど一度で済めばラッキーかもね
094:社会 生活科から社会科と理科になりさらに分岐は続くのでした
095:裏 きゅぅきゅぅと鳴く裏の犬 おばさんはまだ実家から帰ってこない
096:模様 週末に模様替えするつもりです 風水よりも機能重視で
097:話 実際にあった話を元にして創られている僕らの記憶
098:ベッド 早朝の駅のホームのネクタイはベッドタウンの住人でしょう
099:茶 真夏でも熱い緑茶がのみたくてドリンクバーを頼んでしまう
100:終 始まったことは必ず終わるから無理に止めたりしなくていいよ
以上でした。

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