『一人で始める短歌入門』(ちくま文庫 枡野浩一:著)を読みました。
CHINTAIの「いい部屋みつかっ短歌」募集があったのは
もう10ヶ月も前の話になるのですね……。
と、思ったのもつかの間。
あれからまだ10ヶ月しか経ってないのに
(賞が決定してからは7ヶ月!?)
こんなにたくさんの投稿歌が
枡野さんのコメントつきで載っている文庫本ができたなんて
おとぎ話のように思えてきました。
募集期間中に更新されていた
「心ひかれ短歌」に選ばれていた短歌たち。
私にとって、気になる短歌がたくさんありました。
なぜ、気になるのか
自分でもわからなかったけれど
枡野さんのコメントで少しずつ明らかになっていきます。
私の気になっていた短歌をひとつ挙げておきます。
・帰るたび泣いていたけど帰りたい場所だったから いい部屋でした (松陽)
じわじわと心に染みてくるような
説得力のある短歌だと思って眺めていました。
難しい言葉も表現も、
ものすごい想像力も必要なく理解できて
でも、少し想像するといろいろな場面が浮かんでくるような短歌。
では、なぜこんな説得力が出るのでしょう?
それをこの本の中で枡野さんが解説してくださっているのです。
難しい言葉ではなく日本人ならほとんどの人がわかるような言葉で!
これがこの本のよいところなのです。
さて、私の短歌ですが
・引っ越して半年になるマンションで隣のコーギーだけが知り合い (振戸りく)
犬をコーギーに落ち着かせるまでに時間を取りました。
そして、それが評価されています(笑)。
しかし、枡野さんって不思議な方ですね。
なんでわかったんだろう……ベランダだって。
それも私の脳内にある仮想ベランダだというのに!
それから、
気になっていたことがもうひとつ。
「今日の一句」さんって筆名の方がいらっしゃるんですが
「心ひかれ短歌」が更新されてこの方の名前を見るたびに
枡野さんと同じつっこみをしていた私です。
私はこうやって短歌を始めてしまっている身なので
まっさらな気持ちでこの本を読めていないのかもしれませんが……
もし、書店で目にすることがあったら
年齢も性別も生活環境もバラバラな100人が作った100首の短歌と
かんたん短歌blogの後藤グミさんのポップなイラストと
軽妙かつ繊細な枡野さんのつっこみを
是非ご堪能ください。

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