渋谷最強伝説外伝 最終章 夕日  特別企画もの



(壮絶な戦いから数週間後・・・

地下リングのオーナー室に血相変えて飛び込んで行く真紀の姿があった。)

バーーン!!
(ドアを物凄い勢いで開け怒りの表情だ。)

真紀 > 後金ないってどう言うこと?!! 約束が違うじゃん!!

地下リングオーナー > ん?? 
ああ、大西真紀か・・・・・・・
(豪華なイスに座り、落ち着き払った様子の地下リングオーナー。)
怪我は、もういいのかね?
(そういいつつ、真紀の後ろから飛び込んできたボディーガードを身振りで下がらせる。)

真紀 > 留美の手術代に金が必要なんだ!!
その為にリングにあがったんじゃんか!!
この嘘つき! 卑怯もん!
(そばにあった椅子を手に取りオーナーに投げつけようとする真紀。
すぐさま待機していたボディーガードに取り押さえられる。)
放せって!!

オーナー > ・・・・契約書はちゃんと読んだかね?
(ニヤニヤ笑っているオーナー。
イスから立ち上がりつつタバコに火をつける。)

「後金は対戦相手に勝った時、支払われる。」

こう書いてあるんだよ。
オマエは姫川鈴穂に勝ったとでも言うのかね?
(フ〜と、取り押さえられた真紀に煙を吹きかける。)

真紀 > ふざけんな!! テメー!!
(怒り出す真紀、オーナーに掴みかかろうとするがボディーガードに押さえつけられそのまま外につまみ出されてしまう。)
放せ・・放せって言ってんだろが!! ああっ!! バタッ!!
(出口まで連れて行かれ突き飛ばされ転んでしまう。)
・・・痛って〜〜チキショウ!!
(コンクリートの地面を叩く真紀、付き添ってきた美香がそっと真紀に肩を貸す。)

美香>仕方ないよ・・・これから留美の所へお見舞いに行くんだけどどうしよう・・・

真紀 > 留美に合わせる顔がないよ・・・

(途方に暮れる真紀と美香、手術決定のタイムリミットは今日迄。
もはや手術は断念せざるおえない状況だ。)

オーナー > ふん・・・餓鬼のクセに生意気な奴だ。
・・・ん? なんだ鈴穂か。
(真紀と、ボディーガードたちが去った後、オーナーの部屋に現れた鈴穂。)
鈴穂、オマエには失望したぞ。
あんな小娘一人・・・・・・
おい・・・なんだ?
(物言わぬ鈴穂がオーナーに近寄っていく。)

鈴穂 > 真紀を地下に呼んだのはあんただそうね?

オーナー > そ・・それがどうした?・・・・・・・

(どんどん近寄ってくる鈴穂。
そのただならぬ気配に顔から血の気が引いていく。)

ちょ・・ちょっと待て!
いったい何を怒っているんだ!?
おい!! 
そんな事をしてタダですむと・・・・・・・・ドスッ!!・・パタン!!
・・・・・・・
(少し物音がした後、地下リングのオフィス部分は静寂を取り戻した。)

鈴穂>・・・真紀・・・・・・
(オーナー室からでてきた鈴穂は大きな紙袋を持っている。
彼女の後ろからは誰も出てくる事は、なかった。)



(数時間後、悩みに悩んだあげく留美の病室に行く真紀と美香。)
トントン!! カチャ!! 

美香>留美・・・元気かぁ?
(真紀も美香の後ろから姿を見せつとめて明るく振舞おうとしている。)

真紀>退屈してんじゃないの?

留美>あっ、ミカリン・・・真紀ちゃんも^^
(満面の笑みを浮かべて真紀達を向かいいれる留美、まだ顔に少し傷が残っている真紀に)
あれ?真紀ちゃん、どうしたのぉ? その顔? 
はは〜さてはまた喧嘩したんでしょ?

真紀>え?・・・うん。まあ。・・・

留美>ははは!!
それよりも留美ね、明日手術が決まったの。
真紀ちゃんのおかげだよっ!! 
さっきママが「大西さんの名前で入金があった」って。
ウチ、貧乏だからさぁ・・・
ママったら真紀ちゃん家にお礼言いに行くって、さっき飛び出して行ったよぉ^^
(留美の言葉に驚く真紀と美香。)
                             
真紀>(真紀には誰が入金したのか、すぐにぴんときた。
こんな事が出来るのは、あの子しかいない。)
鈴ちゃんだ・・・ありがとう・・・

(心の中で、そう語る真紀。

留美の手術が間に合った事もあるが、何よりも鈴穂の気持ちが嬉しかった。

病室を出ると美しい夕日が真紀の額をかざしていた。)






『この作品は、れふさんの協力のもと作成されました。』




にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村




渋谷最強伝説外伝 第八章 絶望  特別企画もの



鈴穂 > あああああああ!!!!
(狂ったように叫び声を上げ、真紀に襲いかかる鈴穂。
真紀を押し倒しマウントポジションを取る。
拳を握り締め・・・)
わたしの手はねぇ!! バグッ!! もう!! バキイッ!! 血まみれなのよ!!
バガァッ!! もう昔には帰れないの・・・
(マウントパンチの雨が降る。
血飛沫が左右に飛び散り、真紀の顔面、マット、そして鈴穂の顔面を汚していく。)

真紀 > ドスッ!!バキッ!!バコッ!!
(凄まじいパンチの嵐に血しぶきが上がり見る見るうちに腫れ上がっていく真紀の顔面。
あまりにも壮絶な光景に目をそむける美香。
鈴穂のマウントポジションからの容赦ないパンチは尚も続く。
必死にガードする真紀だが鈴穂の攻撃が怒涛のごとく押し寄せる。)

美香>駄目だ・・このままじゃ真紀ちゃん、死んじゃうよっ!!
(肩に掛けていたタオルを掴む美香だがグッと踏み留まる。)

鈴穂 > バッキイイイッ!!!!
(ひときわ大きな打撃音が木霊する。
強烈なマウントパンチが真紀のボコボコの顔面を吹き飛ばした。)
はあ・・・はあ・・・はあ・・・・・・
(荒い息の鈴穂、立ち上がると文字どおり血まみれの手で髪を掴んで、真紀を引きずり起こす。そのまま、腹を下にして肩の上に担ぎ上げる。これは!)
・・・・・・さよなら真紀ちゃん・・・・・・
(無表情の鈴穂がポツリという。)
ダンッ!!
(マットを蹴る音と共に、ふわりと宙に浮く鈴穂と真紀。
鈴穂の体勢が傾いていき、真紀の後頭部が下を向く。そして落ちていく・・・)
ズゴオォオッッ!!!!!!
(受身もなにもなく、技の勢いと二人分の体重が真紀の後頭部に集中する。
深く陥没するマット。殺人デスバレーボムだ。)

真紀 > がっ!!・・・・ズドーーーーーン!!!!
(シーンと静まり返る館内。
その壮絶な光景の前に誰もが真紀の死を予感させる。
鈴穂のデスバレーボムの前に血まみれで大の字となる真紀。)

鈴穂 > ・・・・・・・・・・・
(ゆっくりと立ち上がっていく鈴穂。ダメージでふらついている。
赤く染まった手と、上半身に飛んだ真紀の血が凄惨だ。
どことなく寂しげな表情で真紀を見下ろす。)

レフリー>(カウントを取り始めるレフリー)
シックス!!・・・セブン!!・・・エィト!!・・・
(その時、真紀の腕がロープを掴んだ。
立ち上がろうとする真紀・・ド肝を抜かれた観客がドッと沸き返る。)
はぁ・・・はぁ・・・まだだってば・・・鈴ちゃん・・・
(ロープを掴んで最後の力を振り絞り立ち上がる真紀。
ペッと血まみれで折れてしまった歯を吐き出す。
美香の目の前に転がる血まみれの歯、それはなんと奥歯であった。)

鈴穂 > (レフリーも終わったと思い、ダウンカウントを取っていた。
しかし、)!!!!!!!
(十分すぎるほど手ごたえはあった。
真紀がロープを掴み、カウントが止まったとき、鈴穂はリングを降りようときびすを返したところだった。驚愕の表情で振り返る鈴穂!!)

真紀 > 鈴ちゃん・・真紀はまだ死ねないよっ!!
(振り返ろうとした鈴穂の首に真紀の腕が絡みつく。
薄れ行く意識の中で最後の力を振り絞りチョークスリーパーに入る真紀。
そのまま鈴穂の背中にしがみ付きリングに引きずり倒すと胴絞めチョークスリーパーを極める。)

鈴穂 > はぐッ・・・・・・・ぐはあッ!!!!!
(完全に不意を疲れた。
なにより、ここまでの激戦で消耗しきっていたため、あっという間に極められる。
見る見る赤くなっていく鈴穂の顔。)
く・・・・っ!・・・・・ぶぐ・・・・・・ガッ!!ガガッ!!
(爪を食い込ませながら、左手で喉を絞める真紀の腕を引き剥がそうとしつつ、右ひじを脇腹に打ち込みまくる。)

真紀 > ぐっ!・・がっ!・・
(必死の形相で鈴穂の首を締め上げる真紀、脇に肘を入れられる度に流血の量が増していく。)留美を守らなきゃ・・・
(徐々に薄れていく意識。
「真紀、まだ死んじゃダメだよっ!!」
自分に何度も言い聞かせる。
だがロックしていた腕に鈴穂の爪が食い込み脇腹の痛みも手伝ってスリーパーが緩んでしまった。)
あっ!!・・・

鈴穂 > ぐぶ・・・
(だんだん赤から青に変わりつつある顔色。
このままでは落ちる。ここでやっと・・)
!!!!がばっ!!
(緩んだスリーパーから抜け出す鈴穂。さらに、)
ガツゥ!!!
(腹に巻きついている足にも痛烈な肘を落とし緩ませて脱出。
必死に距離を取っていく。)
・・・ふく・・・・・げほっ!!!がはっ!!!
(盛んに咳き込む。)

真紀 > (館内から溜息がもれる。
極限状態の二人・・・
これほどまでに凄まじいファイトは地下のリングでもめったに拝めない。
二人が戦い始めて優に2時間が経過しようとしていた。フラフラになりながらも、それでも立ち上がろうとする真紀。
もう、とうの昔に肉体的限界は越えていた。
残っているのは気力のみか?
その姿がなんとも痛々しい。)
はぁ・・はぁ・・来い!!・・・

鈴穂 > がほっ!!!・・・くっ・・・・
(口元をぬぐ、鈴穂も何とか立ち上がる。
良く見れば、全身が細かく震えている。
鈴穂の肉体も限界のようだ。
次・・・・次の一撃で決める。)
フゥ・・・フゥ・・・ッフゥ・・・・ぐおおおおおおおっっ!!!!
(右腕を引き、走りこんでいく鈴穂。)
ダダダダダッッ!!!!
(二人の距離がぐんぐん狭まって行く。)

美香>真紀ちゃん、危ない!!  

真紀>これで決めなきゃ・・・
(意を決して拳を握り締める真紀、走り込んでくる鈴穂めがけて真紀が「あの封印」を解いた。うなりを挙げながら右の豪腕ストレートが火を吹く。)
ヴゥオオオオオオオオオオン!!!!

鈴穂 > ふうッ!!!! ギュオオオオオオッ!!!!
(鋭い息を吐き出すと、鈴穂も右ストレートを打ち出す。
しかも回転している。コークスクリューだ!
プロボクサーでさえ再起不能にする鈴穂の必殺ブロー!!
二人は今、お互いしか見ていない。
そしてどちらも、残っているすべてを右の拳に集めている。)
バッキイイイィイィイイイッッ!!!!!!!!!
(木霊する打撃音!! 果たして二人は・・・!?)

(会場内がシーンと静まり返る・・・
誰しもが声を失う壮絶な相打ち。
鈴穂の必殺コークスクリューの前に吹っ飛ぶ真紀、
全身が宙に浮き上がり血染めの水着と共に散っていく。
それは凄まじい散り際だ。

一方、鈴穂も同じように吹き飛んでいく。
顔は真横を向き、頬の部分が大きく陥没している。
折れた歯が混じった血が噴出し、一緒に宙を舞う。)

ズシャアアアアアッッ!!!!!
(マットに激しく激突し、ロープ際まで滑って行った。)

レフリー>(そしてカウントは進み)
エイト!!・・・ナイン!!・・・・・・テン!!

(吐き捨てるようにレフリーは叫びゴングを要請した。)

カン!! カンカンカン!!!!

(同時にリングに駆け込み真紀を抱きしめる美香、涙がとどめなく溢れ出し止らない。
数分後、救急隊が駆けつけ意識の無い二人をストレッチャーに乗せ運んでいった。)

(壮絶な戦いは、その幕を閉じた。
この一戦は、姫川鈴穂が地下格闘場史上、唯一「勝てなかった」試合として記憶される事となる。

メディカルルームでは、黒服の男が、相打ちなので後金は出ないことを美香に告げ去っていった。)

美香>そ・・そんなぁ・・・・

(茫然と立ち尽くす美香。
もはや留美の手を元通りにするのは不可能なのだろうか?)




にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村





渋谷最強伝説外伝 第七章 宿命  特別企画もの



鈴穂 > くう・・・
(バックドロップを打つためにかなり無理をした。
右足を押さえて座り込み倒れゆく真紀を見やる。)
はくっ・・・
(痛みに顔をしかめつつ立ち上がり、右足を引きずってダウンした真紀に近づく。)

美香 >(這いつくばり動きが止まった真紀に対してストレッチャーが用意される。
絶叫する美香。
関係者に取り押さえられるも意を決して制止を振り切るとついにリングに上がり今にも眠りについてしまいそうな真紀に張り手を叩き込む。)
真紀ちゃん!! お願い起きて!! 

真紀 >(何度目かの張り手にハッと目を覚ます真紀。)
あっ・・・・・!!
(驚いた表情で美香を見ると険しい表情で)
終わっちゃったのっ?!!

美香 >まだ大丈夫だよっ!!
(一瞬、安堵の表情を浮かべると急いでリングを降りる美香。)

真紀 >(鈴穂に猛然と飛び掛りタックルをぶちかます)
このっ!!

鈴穂 > ぐふっ!! ダン!!
(足の痛みのために追撃が遅れた鈴穂。
タックルを正面から食らい尻餅をつく。
ただ、真紀のダメージも相当なものだったらしくタックルの切れはいまいちだ。)
ギュギュギュッ・・・・・・・
(すかさずフロントスリーパーに捕らえる。)

真紀>くっ・・
(真紀が上になっているが下から鈴穂にフロントスリーパーを極められている状態。
左手で鈴穂の顔に爪を食い込ませながら右の拳を握り締め鈴穂の脇腹に何度もパンチを叩き込んでいく。)

鈴穂 > ぐあッ!!・・・がッ!!・・・ぐッ!!
(左脇に真紀を抱え込んだ鈴穂。
顔に傷が刻まれ、脇腹にもダメージが蓄積されていく。
しかし、簡単には放さない。
右手で顔に食い込んだ真紀の左手を引き剥がしつつ左腕で、ぐいぐい締め上げる。)
とっとと・・・落ち・・・ろっ・・・ぐぐぐぐぐ・・・

真紀 > くぅっ・・・
(鈴穂に折り重なる状態で首を極められ続ける真紀、脇腹に叩き込んでいったパンチも徐々に回数が減っていく。
真紀の顔が硬直していき、もはやこれまでかと誰もが思ったその時、左手首を掴まれながらも両手で鈴穂の首を絞めに出た真紀。)
落ちて・・・たまるかっ!・・・ギュギュギューー!!

鈴穂 > く・・・ふっ・・・
(弱まる抵抗。密着している真紀から力が抜けていくのを感じる鈴穂。しかし、)
うぐッ!?
(喉にかかる真紀の両手。思わず締めを緩めてしまう。)

真紀 > 鈴穂っ!・・・お前こそ・・・落ちろっ!!
(鈴穂のスリーパーが緩んだと同時に絞めている両手の親指を首筋に食い込ませていく真紀。
自らの両足も鈴穂の足に絡みつかせ頚動脈絞めに入る。
だが鈴穂も下から尚も絞めつづけ抱き合いながらリング上をゆっくりと2転3転と転がりリング下に落ちてしまう。
お互いの首を絞めあったまま膠着状態となりとても危険な状態だ。)

鈴穂 > どさッ!!
(絡み合って落ちた二人・・お互いに食らいついたまま放そうとしない。
さらに鈴穂は真紀の手首を放して両手を組み、攻撃に専念する構え。)
ぐぶ・・・・・・ギュッ!! ギュグググ・・・・・
(意識が飛びそうになりつつも必死で絞めつづける。
口の端からは泡が出始めている。
壮絶な二人のぶつかり合いが展開されていく。)

真紀 > ああ・・・うっ・・・
(真紀の口からも泡が吹き始める。
膠着状態のまま数分が経過するも物凄い形相の二人、両者このまま失神してしまうのか?
と、その時・・真紀がいきなり頚動脈絞めを解き両手で鈴穂の髪の毛を鷲掴みにすると上半身を起こしコンクリートの床に倒れ込んだ。)
ガン!!
(叩きつけられる鈴穂の後頭部。)

鈴穂 > ギュギュギュ・・・・・
(二人ともかなり弱っているため、どちらも攻めきれない。
ここで喉に撒きついていた真紀の手が外れる。
勝利の二文字が鈴穂の頭をかすめた瞬間、髪が掴まれたのを感じる。)
な・・・・ぐあっ!!
(後頭部に衝撃が走る。 両手のクラッチが外れた。)
くっ・・・しま・・・
(もう一度絞めなおそうとするが・・・・・)

真紀 > (再度、絞めを嫌って鈴穂を突き飛ばす真紀、自らも尻もちをつく。
フラフラになりながらも、ゆっくりと立ち上がる。)
げほ!・・・ゴホッ!・・・
(起き上がろうとする鈴穂の右足に低空ドロップキックを叩き込むと這い上がるようにロープを掴んでリングへ戻る。)

鈴穂 > ごほッ!!・・・・げほッ!!・・・・・・があッ!!!!
(咳き込みつつ立ち上がろうとしていた鈴穂、そのとき右足に衝撃が走る。)
ぐあッ!!・・・ぐうっ!!
(場外で右足を押さえ、のたうち回る鈴穂。)

真紀 > (もはや立つのは無理か? 勝利を確信し
「鈴穂・・・お願いだから、もう立ち上がってこないで・・・」
限界が近い真紀、そう願うが足を引きずりながらもリングに戻ってくる鈴穂。
「・・・なんて子なの?!」
愕然とする真紀。
ロープごしブレーンバスターで担ぎ上げ鈴穂の体が真紀の体と一直線になった時一旦
停止し、気合もろとも鈴穂の後頭部をマットに突き刺すデンジャラスドライバー
が炸裂した。)
ドッカーーーーーーン!!!!

鈴穂 > (強く歯を食いしばり、脂汗を流しながらも立ち上がり、真紀を睨みつけながらリングに戻ろうとする。)
くっ・・・
(しかし、真紀は黙って待ってはくれなかった。
エプロンに上がったときに捕らえられ、高々と担ぎ上げられてしまう。そして・・)
ぐがあッッ!!!!!
(首が激しく前屈し、見開かれた目の焦点がぼやける。)

真紀 > はぁ・・はぁ・・
(鈴穂をデンジャラスドライバーでクギ付けにした真紀、首と足には鈴穂の手形がくっきりと残りドス黒く内出血を起こしている。
全身アザだらけ。限界が近いのか?
それでも倒れている鈴穂の髪の毛を掴み立ち上がらせるとバックを取りジャーマンスープレックスを狙う。)
今度こそ・・・・くたばりやがれっ!!
(持ち上げて後方に投げようとした瞬間、痛めていた腰がついに悲鳴をあげた。)
うっ!!
(それでもなんとか投げきったもののブリッジが崩れてしまう。)

鈴穂 > (無理やり立たされる鈴穂。
朦朧とする意識・・背中に感触があることに気付いた瞬間、ぼんやりとした光景が一回転する。)
がふッ!!!!!!
(再び叩きつけられる鈴穂。
一人エビ固め状態でピクリとも動かなくなった。)

真紀 > (エビ固め状態のまま動かない鈴穂の後方でブリッジが崩れたまま腰を押さえて横向きに倒れ大きく息を付く真紀、腰に激痛が走り呼吸するのも苦しいようだ。
必死の形相で鈴穂の体に抱きつきカバーに入ろうとする真紀。)
レフリー、カウントぉっ!!
(ニヤッと笑ったレフリーが近づいてきて、)

レフリー>もっと嬲ってもいいんだぜ?・・・
おっと、わかった、わかったよ・・・
(軽口を叩くが、真紀の殺気だった視線を受け、カウントを始める。)
ワン・・・ツー!・・・ス
(レフリーがカウントを入れる度に真紀の中で様々な光景がフラッシュバックする。
幼い頃の鈴穂と遊んだ楽しかった光景、雨の中、もう帰ってこない鈴穂をずっと待って立ち尽す真紀。
鈴穂との残酷な再会、留美のもう一生使えなくなるかもしれない腕・・・カウントスリー目前で鈴穂の体が傾き体制が崩れカウントが止まってしまった。)

レフリー>カウント2!!

鈴穂 > ・・・・ピク・・・
(危うくスリーカウント入るところであった。
フォールが崩れたのはたまたまなのだろうか。
横様に倒れた鈴穂の人差し指が一瞬、動く。
しかし、すぐに動き出すことなくダウンしたまま。
完璧に失神したのか? それとも・・・)

真紀 > バン!
(マットを叩いて悔しげな表情を浮かべる真紀、なんとか立ち上がろうと踏ん張るが背中の激痛と共に足がガタガタと痙攣をおこしそのまま崩れ落ちるように鈴穂の隣に倒れ込んでしまう。
朦朧とする意識の中でリングサイドで激を飛ばす美香の姿を見つめる真紀。)

美香 > 真紀ちゃん、いつまで引きずってるのっ!!
もう昔の鈴穂なんてどこにもいないんだよっ!!
(完全に吹っ切ったと思っていた真紀、だが美香の言葉にどこかで昔の思い出のかけらをつなぎ合せようとしていた自分がいた事にハッとする。 真紀は立ち上がれるのか・・・)

鈴穂 > くくッ・・・くっくっくっく・・・・・・
(苦しげな、喉の奥から搾り出すような笑い声。
見れば、鈴穂が四つんばいながら立ち上がろうとしている。)
ここまで・・・・とは・・・ね・・・・・・
(汗にまみれた鈴穂が前かがみになりながらも立ち上がり、真紀を見下ろす。
あれだけの攻撃を受けながら、なぜ立てるのだろうか?
その姿は、まるで手負いの肉食獣だ。)

真紀 > 鈴穂・・・
(笑いながら真紀の目の前で立ち上がり見下ろす鈴穂を見あげる真紀。
目が真っ赤に腫れている。 あの真紀が泣いているのか?)
鈴穂っ!! なんでそんなんになっちゃったんだよ?!!
昔の事、全部捨ててしまったって言うの?!!
(真紀の悲痛な叫び。
四つん這いになり立ち上がろうとしながら鈴穂を見つめる真紀。)

鈴穂 > ・・・・
(苦しげで戦闘的な笑みを浮かべていた鈴穂の表情が消える。
何かが鈴穂の心の奥底でうごめき、徐々に徐々に表面へと浮かび上がっていく。
うなだれていく鈴穂の頭。)
・・・・真紀・・ちゃん・・・・・・
(ゆっくりと上げられる鈴穂。
その表情は、おだやで、さきほどまでとはまるで別人。
やさしげな微笑を浮かべている。
それはまさしく、真紀の記憶にある「鈴ちゃん」だ。)

真紀 > 鈴ちゃん・・・
(昔の笑顔を見せた鈴穂。
真紀の悲痛な願いが鈴穂の昔の記憶を呼び戻したのか?
真紀の目からついに涙が零れ落ちた。
ゆっくりと立ち上がり鈴穂に手を差し伸べようとする真紀。)

鈴穂 > ・・・・ぎゅ・・・・
(両手を広げ真紀を包み込むように抱きしめる。
真紀の耳元で)
本当は、会えてうれしかった。
・・・でもね・・・・・・・・
(真紀の両肩を掴み、ゆっくりと引き剥がす。
見詰め合う二人・・いつの間にか鈴穂の表情は、哀しげな微笑になっている。)
・・・もう遅いの・・・・・・・・・ガツウッ!!!!
(言い終わるや否や、鼻っ柱に頭突きが炸裂する。)

真紀 > えっ?!!
(しっかりと抱き絞め合う真紀と鈴穂。
「もう・・・遅いって?」
鈴穂の言葉に問いかけようとしたその時、鈴穂の頭突きが直撃、目を見開きブッ倒れる真紀。
上半身を起こし鼻に手をやるがその直後にドッっと鼻血が流れ出した。)

美香>もう・・・遅いんだよね。
何もかもが・・・
(ここは地下のリング、殺し合いの場。
特に今回の一戦は莫大な大金が懸かっている。
もう友情等と甘い事を言っていられる状況ではないのだ。
真紀と鈴穂の真情を察するに余りある美香も沈痛な表情でリングの戦況を見つめる。)

(留美の手術代、この為に地下のリングにあがった真紀。
鈴穂を倒さなければ手術代は無い。
鈴穂に破壊された留美の腕は一生動かなくなってしまうのだ。
身も心もズタボロにされた真紀。
それでも闘うしかないのだろうか?)




にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村





渋谷最強伝説外伝 第六章 極限  特別企画もの



鈴穂 > ぐはっ!!
(いきなり背中を蹴り飛ばされる鈴穂。さらに引き起こされ・・)
ズダンッ!!
(しっかり受身は取るものの、鮮やかに投げ飛ばされる。)
ぐ・・くっ!!・・・・
(さらに腕を極めようと組み付いてくる真紀。
空いているほうの手でクラッチし何とかしのぐ。
いきなりの奇襲攻撃で、さすがの鈴穂も必死の形相だ。ここで、鈴穂に異変が。)
ギリッ!!!!
(鈴穂の歯軋り・・大きく目を見開く。)
調子にっ・・・
(ぐっと身を捻り足をマットにつける。
腕に組み付いたままの真紀はフォールされた状態になる。さらに間髪いれず)
乗るなあッ!!
ブンッ!!・・・ドガアッ!!!!
(そのまま持ち上げ、マットに叩きつけて振り払う。 凄まじいパワーだ。)

真紀 > うわっ!!・・・ズド〜〜〜〜ン!!!!
(信じられない体勢から
持ち上げられマットに叩きつけられてしまう真紀。
さらにリバウンドしてゴムまりのように弾き飛ばされる。
リングが激しくきしむ。)

鈴穂 > ふううう・・・・
(大きく息を吐き出し腕を回して無事を確かめる。)
やってくれるじゃない・・・・
(ニヤリと笑う鈴穂、一気にエンジンがかかったようだ。)

真紀 > (腰をさすりながら立ち上がると前傾姿勢を取り右手を斜め上に掲げ指をヒラヒラとさせる真紀、力比べを挑もうとしている様だ。)
来いやっ!!

鈴穂 > (ススッと距離を詰めた鈴穂。左手が動く。力比べに応じるのか?いや・・・)
バシッ!!
(目にも止まらぬハイキックで掲げられた手を蹴飛ばした。 そのまま体を回転させ、)
ビュオッ!!
(返す刀で後ろ回し蹴り。手を蹴られて体勢を崩した真紀の胸元を狙う。)

真紀 > ヴォォォォォォォォン!!
(ハイキックを手のひらに叩き込まれた瞬間、まるで電気が走ったかのように痺れる。
手をブラブラさせ顔をしかめる真紀に超速の鈴穂の後ろ回し蹴りがうなりをあげる。)
ドカッ!!
(仰向けにマット上にぶっ倒される真紀。)

鈴穂 > ガシッ!!
(倒れた真紀の髪がわしづかみにされ上半身が起こされる。)
ぎゅッ!!
(喉に巻きつく腕・・いきなりチョーク(首絞め)を狙う鈴穂。)
「来いや」??・・殺し合いの意味がわかってないようね・・・・
(嘲笑うかのような声音。)

真紀 > くぅっ・・
(真紀の脳裏にあの衝撃的再会の際のKOシーンがまざまざと甦る。
またしてもチョークスラムで叩きつけられてしまうのか?) 

美香 >(美香も夢のシーンとまったく同じ展開に驚きを隠せない。)

真紀 >(首を掴まれた状態で真紀の体が徐々に引き上げられそうになる。
そして爪先立ちになりそうになった時、真紀の肘が鋭角的に物凄い勢いで鈴穂の顔をえぐった。)
ビュッ・・・バコッ!!
(チョーク攻撃という最悪の状態を切り抜けるとリング上にかがみこむ真紀、そのまま抜群の跳躍力で体を宙に舞わせると後ろ両足を勢いよく突き出した。
カンガルーキックが鈴穂のアゴを直撃する)
ドボッ!!

鈴穂 > ぐぶッ!!
(思わず手を離してしまう。
真紀の喉に手形を残し顔面を押さえつつ後退。そこへ、)
がふッ!!・・ズダン!!
(跳ね上げられるあご。
足が浮きかけ、後ろに倒れる。口の端から一筋の血が。)

真紀 > 鈴穂っ!! 立て、こらぁっ!!
(倒れた鈴穂にストンピングの雨嵐。
地下リング初出場の真紀に観客席からどよめきが起こる。)

観客>うおおおおおおおおおおおっ!!!!

鈴穂 > ガッ!!ガガッ!!!ガッ!(降り注ぐ蹴りに顔をしかめガードするが、腕にあざができ始める。
しかし、何かを狙っている様子の鈴穂。真紀が足を振り上げた瞬間・・)
ドゴオッ!!!
(つま先が下腹部に突き刺さる。)

真紀 > がっ!!・・・鈴穂・・・お前っ・・・
(容赦なく鈴穂の体中を蹴りまくっていた真紀の下腹部に電流が流れる。
そのままうずくまるように倒れ込む真紀。
歯軋りし悔しげな表情をうかべながらうずくまり鈴穂を睨みつける。)

鈴穂 > ガゴォ!!!!
(すかさず立ち上がった鈴穂の前蹴り。 真紀のあごを跳ね上げる。)
前のお返しってところね・・・・
(ニヤッと笑う。
やはり、前回の敗北をなんとも思っていないと言うわけではないようだ。)

真紀 > (うずくまりながらも顔だけは上げ鈴穂を睨みつける真紀のアゴに前蹴りが炸裂する。瞬きひとつせず、しっかりと鈴穂の蹴りを見据えてよけようとしたが体が言う事を聞かず直撃されてしまう。
後方に大きくのけぞるように倒れ込む真紀の口からも一筋の血が流れた。)

鈴穂 > (真紀の両足を掴む。それぞれを脇に挟み、真紀の背中をマットから引き剥がそうとする。ひっくり返してボストンクラブに持ち込むつもりだ。)
ぐずぐずしてる暇はないわよ・・・

真紀 > ぐっ・・・
(いとも簡単にボストンクラブの体勢に持ち込まれそうになる。
体がしゃちほこの様に折り曲げられ歯を食いしばって耐える真紀。
ロープに手を伸ばそうとするがここは地下のリング、ブレークなどない。
腕立て伏せの体勢を取り強靭な脚力で鈴穂を振り払おうとする真紀。)
負けらんない・・・負けて・・・たまるかぁ!!

鈴穂 > くッ!?・・・この・・・
(ひっくり返したものの、脚力だけで跳ね飛ばされそうになる。
前につんのめりかけつつも、ぐっと踏みとどまり、)
表でっ!! ぐぐぐぐぐッ・・・チャラチャラしてるあんたに・・・
(どんどん腰が落ちていく。)
何ができるっ!!
メキメキメキメキッ!!!!
(ボストンクラブ(逆エビ固め)が完璧に極まった。
悲鳴を上げる腰・・鈴穂のパワーで折り曲げられているのだから、たまったものではない。)

真紀 > きゃあああああっ!!
(真紀の絶叫が館内にこだまする。
一度は浮きかけ前のめりになりそうになった鈴穂の腰がしっかりと真紀のお尻に落とされる。
いまだかつて体験した事のない激痛に意識が飛びそうになるが気合を入れなおし再度、脚を踏ん張る真紀。)

鈴穂 > くっ・・・・チッ!!
(再び、徐々に腰が浮き始める。
いらついた鈴穂はここで解放することにした。)
ガッ!!ガッ!!ガッ!!
(足は離したものの、体の向きを変え痛めつけた腰にストンピングを落とす。)

真紀 > くっ・・がっ・・人の・・・心を忘れたお前より・・・よっぽどましだあ!!
(痛めた腰にストンピングを入れられたまらずリングを転がってリングサイドに非難する真紀。しばしリングの上と下で睨み合いが続く。
真紀はエプロンからそっと手を伸ばし鈴穂の脚を掴む。
引っ張り倒される鈴穂を鉄柱まで引きずって行き片足を思いっきり叩きつけた。)
ガコーーン!!!!

鈴穂 > おまえに何がわかる!?
ガッ!!! ガガッ!!!
(執拗に蹴りつけロープ際まで追っていくが、エスケープした真紀を追おうとしていたところをひっくり返されてしまう。)
バタッ!! なッ!!・・・・やめッ!!・・・・があッ!!
(そのままずるずると引きずられ、右ひざを打ちつけられてしまう。)
ぐう・・・・あ・・・・
(膝を抱えて丸まる鈴穂。)

真紀 > わかんないよっ!!何もかも!!どうしてお前とこんなに憎しみあって闘わなきゃならないのか・・
(膝を抱え込み丸まった鈴穂を横目に素早くコーナーポスト最上段に駆け上ると急降下膝爆弾フライングニードロップを右足に叩き込む。)

鈴穂 > ぐああああぁああッッ!!!!
(絶叫を上げる鈴穂。 折れたかとさえ思えるような激痛が!)
はぐっ!! あ!! があっ!!!!
(右足を抱えたまま右へ左へ転がる。)

真紀 >(転がる鈴穂を反対側コーナーポストまで追い詰める真紀。
髪の毛を掴んで無理やり引きずり起こすとローキックを痛めた右足に連発する。)
バシッ! バシッ! バチッ!
(だがボストンクラブのダメージからか腰に突如、激痛が走った。)
え?・・痛っ!!・・・(顔をしかめる真紀。)

鈴穂 > ぐあ・・・・
(無理やり引きずり起こされるも右足の震えは止まらず、きっちりマットを踏みしめていない。そこへ)
ぎッ!! ぐっ!! ぎあっ!!
(さらなる右足攻め。このままでは・・・・だが・・)
!!!!
(ほんの一瞬、真紀が顔を歪めた瞬間を鈴穂は見逃さない。 ギラリと光る鈴穂の眼。)
どぼっ!!
(体勢を崩した真紀の鳩尾に鈴穂の拳が埋まる。
さらに前屈していく真紀にバックを取り)
うおおおおお!!!!
(右足の痛みを叫び声で耐えバックドロップ! リング中央方向に投げ飛ばした。)

真紀 > あっ!!!!
(その時、セコンドの美香を始め観客の誰もが声を失った。)
ドーーーーーーーーーン!!!!
(真紀は脳天からマットに突き刺さるという超危険な角度で落下しそのまま数秒停止したあとグニャっと首が折れ曲がるように崩れ落ちる。)

美香 > 真紀ちゃん!!
(血相を変えてエプロンまで駆け上がる美香だが関係者に取り押さえられてしまう。)
バンバン!!
(関係者に押さえられながらもエプロンを必死に叩き真紀を起こそうとする美香。)

真紀 >(ピクリとも動かない真紀。
だが目は見開かれ鈴穂を睨みつけている様にも見える。 壮絶な地獄絵図だ。)

真紀 > (耳鳴りがし、目の前が真っ白になっていく自分がわかる真紀。)
あ〜真紀・・・このまま死んじゃうのかな・・・
(そうつぶやいた時、鈴穂との幼い頃の思い出や腕が2度と使えなくなるかも知れない留美、危険を承知でセコンドについてくれた親友の美香・・・真紀の頭の中でグルグルと渦を巻いた。)

まだ死ねない・・!!
(這いつくばった真紀の指がかすかに動き始めた。
だが絶体絶命のピンチに立たされる真紀、この極限状態の中、いったいどうなってしまうのか?)




にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村




渋谷最強伝説外伝 第五章 オーラ  特別企画もの



(美香を先頭に長い花道を歩き、ゆっくとリングインする真紀。
相手が誰なのかまったく知らされていないが、その表情は自信に満ち溢れていた。
その時・・)

(入り口から姿を現す鈴穂。)

「うおおおおおお!!!!」

(とたんに大歓声が巻き起こる。
すでにその徹底した戦い振りで人気を博している鈴穂。
全身真っ黒なコスチュームに冷たい表情、まるで死神のようだ。
前だけを見てリングイン。
すっと視線を上げ、真紀の方を見る。
あたりの温度を下げるかのようなオーラを発している。)

美香>やっぱり!!・・・
あの黒服のオトコ、ハメやがったんだよ!!
(美香の心配は的中した。
リングインした鈴穂を見つめながら)
凄いオーラだよ・・・・あんなオンナ見た事ない・・・・
(背筋がゾッっとするような感覚に捕らわれる美香。)

真紀>(真紀も鈴穂が花道に姿を現した瞬間から余裕が消える。
厳しい表情で反対側のコーナーに立つ鈴穂を見つめる。)

レングアナ>時間無制限ドミネーションプロレス!!
凶器の使用以外、禁止事項はありません!!

「おおおおおおお!!!!」

「ひゅううッ!!」

(リングアナの宣言に観客が答える。 
すでに賭けも始まっているようだ。)

(レフリーが二人をリング中央に呼び、ゆっくりと歩を進める真紀。
視線は鈴穂を離さない。
真紀の脳裏に様々な事が交差するが、なんと言ってもこのままでは腕が一生動かなくなってしまう留美の手術代の為・・・負けは許されない。
いや勝たなければならない真紀、もはや迷っている場合ではないのだ。)

鈴穂>・・・・・・・・
(こちらも無言で、真紀だけを見つめて進んでくる鈴穂。
レフリーを間に挟んだとき、その口が開かれる。)
これから始まるのは殺し合い・・表のお遊びとはわけが違う。
・・・わかってるんでしょうね?
(その声にはいかなる感情も含まれていない。
前回KOされたことにも触れず、これだけいう。)

真紀> 鈴ちゃんと殺し合いとはね・・・
(ある程度予測していた鈴穂のセリフ。
あえて「鈴ちゃん」と昔の呼び方をすると真紀の口元が不敵に笑った。
徐々にタチの悪い顔つきに変貌していく真紀、本気だ。)
それも面白いよね。

鈴穂>(対照的に、ピクリとも表情を変えない鈴穂。
ボディーチェックが終わると、無言でコーナーに戻る。
その下には果たしてどんな感情があるのだろか?)

真紀 >(無言でコーナーに戻ろうと背を向けた鈴穂の背後からドロップキックの奇襲攻撃に出る真紀。
間髪入れずに背負い投げから腕ひしぎ逆十字に捕らえると素早く上半身を起こしては何度もマットに倒れて絞り上げる。
短期決戦に出るつもりなのか?
目にもとまらぬ奇襲攻撃で幕を開けたリング上。
ゴングの乾いた音色が鳴り響いた。)

カ〜〜〜〜ン!!!!




にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村




渋谷最強伝説外伝 第四章 黒服  特別企画もの



鈴穂>・・・・・・
(真紀が去った後も意識を取り戻す事が出来ない鈴穂。
しばらくすると地下闘技場のスタッフが現れ、医務室に運んだ。
一方、建物から出た真紀は黒服の男に尾行されていた。)


(それから1週間後・・・真紀は留美が入院している病院のロビーにいた。)

真紀>留美ん家ではとてもそんな大金工面出来ないらしいよ。

美香>何とかなんないの?・・・・

(沈痛な面持ちで話し込む真紀と美香。)

(鈴穂によって右腕を破壊された留美。
その腕を元通りにするには、大金のかかる手術が必要であった。
高校生にそんなお金が用意できるはずもない。途方にくれる二人。
そんな真紀たちに近づく男が一人・・・・・)

黒服のオトコ>大西真紀さんですね?
(穏やかな口調で話し掛ける。
黒スーツを着たその男は、明らかにかたぎではない。)

真紀>は?真紀達、今マジ話してんだけど!・・・ナンパなら間に合ってるよ。

美香>ちよっ・・・真紀ちゃん、・・・
(恐持ての黒服のオトコにビビる美香。)
す、すいません。この娘、口が悪くって・・・
(なんとか場を取り繕うとする。)

黒服のオトコ> (穏やかな微笑を浮かべる黒服。構わず言葉を続ける。)
試合で弱っていたとはいえ、あの姫川を倒すとは感服致しました。
(誰も知らないはずのことをしゃべりだす。)
どうです? ウチのリングに上がってみませんか?・・・
そちらも色々と物入りのご様子・・手術代稼げますよ・・・・
(悪魔がささやく。)

真紀>真紀に地下のリングにあがれって事?
手術代・・本当に出してくれるの?
(鈴穂の名が出たときに真紀の表情が一変した。
真剣な眼差しで黒服の男に尋ねる真紀。)

黒服のオトコ>ええ・・・
(興味を示す真紀に満足げな笑みを浮かべる。)
ビジネスですから約束は守りますよ。
半額は前金で、残りは対戦相手に勝った際にお支払いします。

真紀>わかった。・・・あんたを信用する! 細かい契約事項を教えて。
(ロビーに美香を残し病院の喫茶室へ向かう真紀と黒服の男、その後話し合いは2時間にも及んだがついに真紀は契約書にサインをした。)

黒服のオトコ>はい、けっこうです。
(仕事を終え、満足げな黒服。契約書をしまい込む。)
試合は一ヵ月後、○月○○日です。お忘れにならないよう。
それでは・・・
(黒服は去っていった。)

美香>真紀ちゃん・・・本当に契約しちゃったの?
 
真紀>したよ。これで留美の腕の手術が出来るよ。
あ〜そうそう、美香も真紀の試合見にきてよね〜
(うれしそうに話す真紀。
だが美香は真剣な顔で真紀を見つめ・・)

美香>行かない! 今度ばかりは絶対に行かないよ! 

真紀>は? なんで?
 
美香>真紀ちゃんと姫川の間に何があったのかは美香は知らない。
でも・・・留美を見たでしょ?
あの腕!・・・
真紀ちゃんは確かに強い。 
でも姫川は真紀ちゃんが知ってる昔のあの娘じゃないんだよ!
とてつもない怪物になっちゃったんだってば。
(顔を左右に振り)
勝てっこない!
お願いだからリングに上がるのをやめて。
(懇願する美香。)

真紀 > 美香ぁ・・・もう鈴穂とは終わった。
・・・あの娘と対戦する事は二度とないよ。
(そう言って病院を後にする真紀。)

美香>・・・・真紀ぃ!!
(美香が追いかけてきて真紀の腕を掴んで振り向かせる。
真紀の胸ぐらを掴んで唇を震わす美香。)
・・・・・
(殴ろうと拳を握り締めるがしばしの沈黙のあと、掴んでいた胸ぐらを突き放す。)
勝手にすればいいじゃん!!
(その場を去っていく美香。)

真紀>美香・・・・
(去っていく美香の後姿を見つめる真紀。) 

美香>真紀のわからずや・・・なんで美香の気持ち、わかんないだよ。
(真紀とわかれた帰り道、泣きながらつぶやく美香・・・本当は心配でたまらないのだ。)



(場所は変わってここは地下闘技場の医務室。
完璧な医療設備が整えられ優秀な医療スタッフがそろっている。
ベッドの上に寝ているのは鈴穂だ。
折れた肋骨を固定する包帯と、額の傷を覆う布が痛々しい。
傍らに男が立っている。)

地下オーナー>鈴穂・・大西真紀がOKしたぞ。

鈴穂>そう・・・・(その顔は何も語らない。)

地下オーナー>うれしくないのか? 復讐(リベンジ)のチャンスだぞ?
(そう言われても宙を見つめたまま答えを返さない。)

地下オーナー>・・・・まあいい。
試合は一ヵ月後・・・・きっちり殺すんだ。 いいな?
(勝利時のファイトマネーを惜しむオーナー。
完全な状態の鈴穂なら負けるはずがないと考えている。
さらには、真紀を殺害し前金まで取り戻そうと考えている様だ。
命令を下すと、去っていくオーナー。)

鈴穂>・・真紀・・・・・・
(一人になった鈴穂。
無表情なまま、ポロリと漏れた真紀の名前。
それは何を意味するのだろうか。 二人の激突は、一ヵ月後と決まった。)



ぐっ!!・・・・
(真紀の喉に鈴穂の5本の指が喰い込む。苦痛にゆがむ真紀の表情。
次第に真紀の足がフワリと宙に浮かび)
ブワ〜〜〜〜〜〜・・・・ズッダ〜〜〜〜〜〜ン!!!!
(凄まじい喉輪落としの機械力・・リングにポロ雑巾の如く叩きつけられる真紀。)

美香>まっ・・真紀ちゃ〜〜ん!!!!
(必死に立ち上がろうとした真紀だが足がガタガタと震え出し、そのまま崩れるようにダウン、まったく動かなくなってしまった。)

美香>お願い・・・起きて!!・・・
真紀ちゃん?・・・真紀ちゃ・・・
嫌あああああああああああ〜〜〜〜〜〜っ!!!!
ガバッ!!
(慌ててベッドから上半身が飛びはねる美香。)

はぁ・・はぁ・・・・夢だったのか・・・・
(真紀の地下リング契約の問題で真紀と口論となってしまった美香、真紀がKOされる恐ろしい夢にうなされていたようだ。)

美香>(溜息まじりに)まだ、こんな時間か・・・
(時計を見やる美香、もう一眠りしようとベットに横たわろうとした瞬間)
・・・雨?
(部屋のカーテンをそっとあける。外は小雨がぱらついていた。
カーテンを閉めようとしたその時、美香の目は驚いたように見開かれた。)
・・・・真紀ちゃん?・・・・あっ!!
(絶句する美香、まだ薄暗い外では真紀がトレーニングウェアに身を包みロードワークを行っていた。)
やっぱりあの子、本気なんだ・・・・
(真紀を殴ろうとした自分を恥じる美香であった。)


地下オーナー>わかってるな。負けは許さんぞ・・・
(そして1ヵ月後の地下格闘場の控え室。
今日は大金が動く為、オーナー直々に念押しに来ている。)

鈴穂>わかってる・・・
(ぶっきらぼうに答える鈴穂。
腕は二の腕まで、足は膝上までを覆うボディースーツを着ている。
色は黒・・地下では見栄えを重視して煽情的な水着が多い。
しかし今日は鈴穂の強い希望で、これになった。)

(さらにオープンフィンガーグローブを着用。完全に戦闘用の服装だ。)

地下オーナー>ふん・・・バタン!!
(鈴穂の態度に気分を害しながらも控え室から出て行った。)

(一方、真紀の控え室。
一人ぼっちの個室で折りたたみ式パイプイスに片足をのせたまま腰掛け膝下まである赤いリングシューズの紐を結んでいる。
水着は赤のタイダイ柄。
うつろな目、表情は硬いがなぜか鼻歌を歌いながら・・・)

地下闘技場関係者>トントン・・ 大西さん、時間です。
(試合開始の時間がせまり真紀を呼びに来る関係者。)
・・・行くか。
(ドアを開けた瞬間、驚く真紀。
そこにはトレーニングウェアに身を包んだ美香が立っていた。
しばし見詰め合い抱き合う二人。)

美香>真紀ちゃん、行くよっ!!
(長い花道に続く通路を歩き、いよいよ入場ゲートへ出陣する真紀と美香。)

鈴穂>(椅子に腰掛け、何やら古い一枚の写真を見つめてる鈴穂。
それは小学生時代の鈴穂と・・・)
・・・真紀。
(ポツリと口に出る名前・・無表情が解けかけるが・・・)
トントン・・・・
(合図のノックが。
見つめていた写真をバッグにしまう。
たちまち冷徹な地下ファイターの顔に戻ると控え室を後にする鈴穂。 

そして真紀はまだ知らない・・・相手が姫川鈴穂だという事を。

地下最深層リング史上、最も凄惨な試合が始まろうとしていた。)




にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村







AutoPage最新お知らせ