第11話 大樹寺事件の真相 3  シブイチ狂想曲



大樹寺>いきがってる割には大した事ないね・・・お兄さんたち。

ヤンキーB>ざっけんなよ!!
(大樹寺のセリフにキレたBは殴りかかろうと突進するが・・・)

大樹寺>フ・・
(Bを鼻で笑うとBの拳が大樹寺の頬にあたる寸前にかがみこみ
その状態のまま左足を軸として円を描くように右足を180度コンパスの様に回転させBの足を刈る。
その瞬間・・・)

ボキィィ!!!!

ヤンキーB>うぎゃああああああああああああ!!!!
(足を刈られひっくり返るB、足が膝側に脛から下が曲がっている。
大樹寺の水面蹴りにBの足は完全に骨折していた。
この世のものとは思えない奇妙な声をあげのたうちまわるB。)

ヤンキーC>あ・・ありえねぇ・・・
(腕の関節を外されたD、手の甲を粉々に粉砕されたA、そして足を骨折させられたB・・・
相手は女、しかも中学生だ。
Cは完全に戦意喪失状態、震えながら後ずさりするがビビリ過ぎて腰から砕け落ち尻もちをついてしまう。
だが、さらなる衝撃がCを襲う。)

大樹寺>さてと・・仕上げといくか・・・な。
大西流格闘術の怖さをたっぷりと教えてあげる。
(右手の掌をパっと開く大樹寺。
そして開いた5本の指が再び拳を握り締める時、5本の指の関節が凄まじい音をたてる。)
ばき・・ぼきばき!!!!

ヤンキーC>ひっ・・ひぃぃぃぃぃぃ
(あまりの恐怖に脅えるC。
大樹寺は再度、掌を開くとCの首を掴む。
そのまま引きずりあげられるように立たされるC。)
ゆ・・許して下さい・・・た・す・け・て。
(泣きながら懇願するC。)

大樹寺>ダメ・・許さない。
(冷たく言い放つ。
「もはやこれまで・・・。」覚悟を決めたのか目を瞑るC。
大樹寺がCの首を掴んだまま横に向けようとしたその時、誰かが大樹寺の腕を掴んだ。)
何?
(大樹寺が振り返る。
腕を掴んでいたのは真紀であった。)

真紀>姉さん、そこまでだよ。

大樹寺>真紀・・ちゃん・・・
(大樹寺は真紀の腕を振り払おうとしたがまったく動けない。
ギロリと真紀を睨み付ける大樹寺。
真紀は微動だにせず大樹寺を見つめながら首を横に振った。)

大樹寺>わかったよ。
(大きなため息をつくと大樹寺はCの首から手を離したのである。)

ヤンキーC>た・・助かった・・・
(ヘナヘナとその場にへたり込むC。
そのまま失禁してしまう。)

大樹寺>・・・・
(再度、真紀を睨み付けるとそのまま言葉を発することもなくその場を去っていく大樹寺。
これが二人の決別の瞬間ということを真紀も大樹寺も知る由はなかったのである。)

(そして場面は現在に戻る。
レストランで取材活動を続ける赤松幸恵。)

赤松>それが大樹寺事件の真相だったんですね。

男性>その後、ヤンキー3人は救急車で運ばれ残ったCは警察官に事情聴取されたんです。

赤松>それで大西道場の門下生が事件を起こした事が師匠の耳に入ったわけね。

男性>自分は優香さんが道場を破門されたあとも数年間通っていました。
今の自分があるのは優香さんのおかげです。

赤松>あなたがあの時の俊君?・・・

男性>はい、自分が俊です。





にほんブログ村ランキングに参加しています。
応援して下さる方は下記のバナーをクリックお願いします^^
(1日1回限り有効です。)


にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村





第10話 大樹寺事件の真相 2  シブイチ狂想曲



(4年前のバレンタインデーの日・・・
稽古が終了し道場を出る二人の少女。
大西真紀と大樹寺優香である。
二人は同い年ではあったが大樹寺が少しだけ早く大西道場に入門した事から真紀は大樹寺の事を「姉さん」と呼んでいた。
本来二人は仲が良く稽古が終わった後は二人連れ立って帰るのが通例となっていた。
当時、大西道場には30人近い門下生がいたが高校生が数名でその大半は中学生と小学生であった。
この日、真紀と大樹寺の横から走って帰ろうとする小学生が。)

真紀>俊くん、ちよっと待って。
(真紀がこの小学生の男の子を呼び止める。)

俊>あ、真紀さん・・・
(きょとんとした顔で真紀の方を振り返る。)

真紀>(真紀はバッグの中から小さな紙バックを取り出すと俊に手渡した。)
はい、これ^^

俊>・・・あっ!! ありがとうございます。
(紙バッグの中身を確認する俊、中にはチョコレートが入ってた。)

大樹寺>俊、嬉しそうだね・・・じゃ、アタシからもね^^
(さらに大樹寺からもチョコレートをもらった俊は大喜びだ。)

俊>優香さんまで・・・ありがとうございます。
絶対、ホワイトデーはお返ししますから。
(ぺこりと頭をさげると大切そうに胸に抱え帰っていく俊。
真紀も大樹寺も笑顔で俊の後姿を見ながら帰路に・・・つくはずであった。
だが事件はこの直後、起こったのである。)

俊>あっ!!
(俊が走りながら角を曲がったときヤンキー4人組と正面衝突してしまったのである。)

ヤンキーA>痛てーなぁ・・・


俊>す・・すいませんでした。
(ぶつかった勢いで転んでしまった俊。
だが走っていた自分が悪いとすぐに謝ったのだが・・・)

ヤンキーB>こらガキ、それが謝る態度か?
(俊が転んだ勢いで地面に落ちたチョコレート。
俊はヤンキー達に謝りながら真紀たちからもらったチョコを拾い集めていた。)

(その頃、真紀と大樹寺は・・・)

真紀>あ、姉さん真紀ね、買いたい物があんだ。
今日はここで。

大樹寺>もう・・その「姉さん」て言うのやめてよ。
同い年なんだし・・・

真紀>はいはい、わかったよ。
じゃあね 姉さん。

大樹寺>もう・・真紀ちゃんたら・・・
(そう言いながらも笑顔の大樹寺。
本音は真紀から「姉さん」と呼ばれることにまんざらでもない様子。
真紀とわかれてしばらく歩く。
そして俊と同様、角を曲がった時、大樹寺の表情が一変した。)

ヤンキーC>人に謝る時はよぉ・・・土下座するもんだ。
えぇこら聞いてんのか? あぁ?!!

ヤンキーD>俺ら一個もチョコ貰ってねぇのにこのガキ、こんなにもらいやがって。
いい気になってんじゃねーぞ!!

俊>す・・すいませんでした。
(土下座して誤ろうとする俊。
その時・・・)

大樹寺>(俊の首ねっこを掴んで立ち上がらせる。)

俊>ゆ・・優香さん。

大樹寺>俊、男は簡単に土下座なんかしちゃ駄目だよ。

ヤンキーA>関係ねぇ奴が口はさむんじゃねーよ。 あぁ?!!

ヤンキーB>・・んだ、こんなもん!! グシャ!!
(俊が落としたチョコレートに唾を吐き、さらに何度も何度も踏みつける。)

俊>ああ!! やめてよ!!
(飛び出そうとする俊を片手を広げて止める大樹寺。)

大樹寺>俊、逃げな。

俊>だって!!

大樹寺>いいから早く逃げな。
俊、あんたはこんなクズどもにかかわっちゃいけないんだ。
(俊は泣きそうになりながらもコクリとうなづく。)

ヤンキーC>誰がクズだって? えぇ? ネェちゃんよぉ。

ヤンキーD>よく見たらマブイネェちゃんじゃん?
(大樹寺の肩を抱こうとしたヤンキーDの右腕を瞬時につかむと肩から絶対に曲がらない方向へ腕を捻りあげる。)
ごきっ!! ばきばきばき!!!!
うぎゃああああああああああああ!!!!!!
(肩を押さえ絶叫するヤンキーDだが腕は絶対に曲がらない背中側を向いたまま動かない。)

ヤンキーA>おいD!!
テメーよくも仲間を・・・(ナイフを取り出すヤンキーA。
大樹寺に向かいナイフを振り回すも、ものの数秒でナイフを持っていた方の手首をつかまれる。)

大樹寺>あんたの手首・・・粉々になっちゃうけど良い?

ヤンキーA>でっ・・できるもんならやってみろやぁ!!

大樹寺>そ。
(左手でつかんだヤンキーAの手首に力を入れる大樹寺。
ヤンキーAの手が震えだしナイフが地面に落ちる。
そのまま右手をヤンキーAの手の甲にそえるとギュっとつかみ手首を180度回転させてしまう。)

ヤンキーA>うぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃあああああ!!!!!!
(どうやら本当に手首から上が粉々にされてしまった様だ。
手首を押さえながら地面を転げまわるヤンキーA。)

俊>はぁはぁはぁはぁ・・・あ、真紀さん!!
(一方、逃げた俊は偶然にも買い物を終えた真紀と出くわした。)

真紀>あれ俊くん、息切らしてどうした?

俊>優香さんが・・優香さんがぁ!!

真紀>俊、落ち着いて。 案内してくれる?

(真紀は俊とともに現場へ向かった。)





にほんブログ村ランキングに参加しています。
応援して下さる方は下記のバナーをクリックお願いします^^
(1日1回限り有効です。)


にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村




第9話 大樹寺事件の真相 1  シブイチ狂想曲



(とあるレストランに赤松幸恵の姿があった。
同席しているのは高校生くらいの男性。
この男性・・過去に大西流格闘術を学んだ事があるという。
大樹寺優香の命を受け大西流の究極奥義を探っている赤松は得意の変装術を使って
雑誌記者を装いこの男性に近づいたという訳だ。)

赤松>あなたが大西流格闘道場に通ってていたのはいつ頃の話なの?

男性>自分が通っていたのは小6から中学を卒業するまでの4年間ですね。

赤松>大西真紀さんはご存知?

男性>ええ。彼女は有名人ですから・・・

赤松>大西真紀さんと同時期に道場に通っていたという事は大樹寺優香さんも当然・・・

男性>優香さん・・・もちろん知ってますよ。

赤松>大樹寺優香さんは、ある事件で道場から破門されていますよね?

男性>(コーヒーカップを口元に運びかけた手が一瞬、震える男性。
赤松はその瞬間を決して見逃しはしなかった。)
ご存知だったんですね・・・あれは悲しい事件でした。

赤松>大西流の後継者と目されていた彼女が究極奥義を伝授される直前の破門・・・
そして究極奥義は大西真紀さんが受け継いだわけですね?

男性>いいえ。真紀さんは受け継いでいませんよ。

赤松>えっ!! 究極奥義を受け継いだのは大西真紀さんじゃなかったのですか?

男性>真紀さんは師匠が優香さんを破門にした事に激怒し師匠と口論になったんです。
結果、真紀さんは道場を辞めてしまったんです。
師匠も優香さんが大西流の後継者から外れた今、真紀さんにとの思いは強かったはず。
ですが真紀さんもあの気性ですからね。

赤松>(赤松は唖然とした。
究極奥義は真紀が受け継いだものとばかり思っていたからだ。
何よりも驚いた事、それは真紀が大樹寺を破門にした父親に噛みつき自ら道場を辞めてしまった事だ。
大西真紀が大樹寺優香をかばったということか?
しかし大樹寺本人はこの事実を知らない。
究極奥義は真紀が伝授されたものと信じて疑わない。)

大樹寺優香さんが起こした事件、お話して頂けますか?
決してあなたの不利益になる様な記事は書きません。
約束します。

男性>でも・・・
(躊躇する男性。)

赤松>大西道場の後継者と目され将来を期待されていた大樹寺優香さん。
しかし彼女はある事件を起こし道場を破門されてしまう。
そんな彼女をかばって究極奥義を伝授される事も蹴飛ばして道場を辞めてしまった大西真紀さん・・・
これは今は無き大西道場の美談になります。
ぜひお話を聞かせて欲しいのです。
あなたの実名を出さない事も誓います。

男性>・・・・
わかりました。お話します。

赤松>ありがとうございます。

(大樹寺が勘違いし大西真紀を逆恨みしている事実を知った赤松。
赤松はこれを利用しない手はないと考えた。
赤松はこの男性を騙し全てを聞き出したのである。
そして究極奥義の行方も。
赤松の口元が不気味に歪んでいた。)





にほんブログ村ランキングに参加しています。
応援して下さる方は下記のバナーをクリックお願いします^^
(1日1回限り有効です。)


にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村




第8話 哲也と優香 決別の瞬間  シブイチ狂想曲



大樹寺>待ってください大西先生!!

(道場を後にしようとする大西哲也を呼び止める大樹寺優香。
哲也は振り返る事無く道場の扉の前で立ち止まる。)

納得がいきません。
アタシはこれまで先生の教えを忠実に守ってきました。
先生もアタシを後継者としてこれまで育ててくれたはず。
それが突然、後継者は別の者にすると言われてもアタシは・・・アタシは・・・
(拳を握り締め怒りを露にする大樹寺。)

大西哲也>納得がいかない・・か。

大樹寺>大西先生はおっしゃいました。
そろそろ究極奥義をマスターしても良い頃合だなと。

大西哲也>確かに私もそう思っていた。
だが優香、お前は大西流格闘術を伝承していく者として相応しくないと判断した。
そういう事だ。

大樹寺>そんな・・・
先生は自分の娘である真紀ちゃんや林檎ちゃんを後継者にしたい。
そういうことですよね?
彼女達よりもアタシの方が実力も上です。

大西哲也>優香・・・これ以上、言わせるな。
先週起こった事件・・・自分の胸に手を当てよく考えてみる事だ。

大樹寺>!!
・・・・先生、ご存知だったんですか。

(一瞬にして顔が蒼ざめる大樹寺。
うつむいた時、極度の緊張からか彼女の唇は震えていた。)

大西哲也>大西流格闘術は本来、護身用に考案されたもの。
だが使い手が一歩間違えればそれは殺人技となってしまう。
大西流の後継者は心技体揃わなければ真の後継者とはいえない。
残念ながら優香、お前には心が無い。
心無い者は伝承者とは、なりえないのだ。

大樹寺>・・・
(膝ま付き両手を床につけ、うなだれる大樹寺。)

大西哲也>もうここに通う必要も無いだろう。

大樹寺>そ・・それは・・・破門ということですか?

大西哲也>そうだ。
(哲也は一言語ると扉をあけ道場を出て行った。
大西哲也と大樹寺優香 師弟決別の瞬間であった。)



大樹寺>(回想シーンはここで終わる。
ソファーに腰掛けたまま、じっと瞑ってた目を開く大樹寺。
5年前に起きたこの出来事が彼女の人生を大きく変えた。
そして彼女は裏大西流ともいうべき大樹寺塾を立ち上げたのである。)

フ・・大西流究極奥義を手に入れた時、真の戦いが始まる。

(大樹寺はグラスに注がれたワインを一気に飲みほした。)




にほんブログ村ランキングに参加しています。
応援して下さる方は下記のバナーをクリックお願いします^^
(1日1回限り有効です。)


にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村








AutoPage最新お知らせ