第49話 総裁クロサワの逆襲 1  新世代闇巣女子学園



梨沙子>あれ?
(今日の精算も終了し閉店の準備をしていた梨沙子。
目に入ったのは真依子の姿だった。)
真依子じゃん・・・今日は蓮くんは一緒じゃないの?

真依子>あ、梨沙子さん・・・
蓮ですか?
知りませんよ・・あんな奴。
(頬をプク〜っと膨らましご機嫌斜めな真依子。
梨沙子は苦笑いしながら真依子に近寄っていった。)

梨沙子>ははぁ・・さては蓮くんと喧嘩したなぁ・・・

真依子>そんな単純な事じゃないんです。
あいつ・・闇女の子と浮気してたんですから。

梨沙子>(唖然とする梨沙子。)
蓮くんがまさか・・浮気するなんて。
闇女って? あぁ、あのヤンキー校で有名な。

真依子>もういんです。
蓮とは、きっぱり別れますから。

梨沙子>もうじきかたづけ終わるから待っててよ。
話、聞くからさぁ・・・

(こくりとうなづく真依子。
と、その時である。
けたたましいサイレン音とともに消防車とパトカーが数台、通り過ぎていく。)

梨沙子>火事みたいね・・・今、言ってた闇女の方角。
(冗談で炎に染まったあたりを指差し、そう言った梨沙子だが)

真依子>梨沙さん、マジ闇巣、燃えてるみたいですよ。

梨沙子>ええっ!!



(その頃、赤尾と正平は闇巣女子学園から3キロほど離れた場所にいた。
正平は車から降りると闇巣の方向をじっと見つめていた。)

ジャイアント(羽場)正平>いいんですか?
赤尾さんの高校、燃やしちゃって・・・

赤尾>(赤尾は車から降りず窓越しに正平の話を聞いていた。)
いいよ・・闇女に未練なんかないから。

ジャイアント(羽場)正平>そうかなぁ・・・
(正平は自分の過去を振り返りながらポツリポツリと語り始める。)
・・・こう見えても俺は高校時代、野球部で投手やってたんだよなぁ。
(遠い目をする正平。)
だけどね、合宿の風呂場で落ちていた石鹸、踏んで転倒しちゃってな・・・
ガラスに体ごと突っ込んじゃって・・・
で、肘に大怪我しちゃったんだ。

赤尾>羽場くんが? 投手?

ジャイアント(羽場)正平>2メートルを超える長身からの速球でね、
高校でも結構、もてはやされましたよ。
でも怪我は思ったより酷くてね。
これ以上、肘が曲げられなくなっちゃったんですよ。

赤尾>それで野球を断念したんだ?

ジャイアント(羽場)正平>そう・・・
野球部のエースから、ただの人ですよ。
ただの人になっちゃうとね、それまで、もてはやしていた人間がみんな離れていっちゃってね。
2メートル9センチの長身・・・もう化け物扱いですよ。
(苦笑いする正平。)
それが辛くてね・・・高校は中退したんです。

赤尾>そうだったんだ・・・

ジャイアント(羽場)正平>でもね、今になって高校辞めたこと、すごく後悔してる自分がいるんだよなぁ・・・
赤尾さんはこんな俺でも普通の人間として扱ってくれた。
そりゃもう心から感謝してますよ。

赤尾>あたしに感謝? そっ・・そうなんだ。

ジャイアント(羽場)正平>だから、なんちゅーかなぁ・・
赤尾さんには、どんなことがあっても闇巣にとどまって欲しいんだよなぁ。
でも学校自体が焼失しちゃったらなぁ・・・

赤尾>羽場くん・・・
(今まで自分に好意を持っている正平を事あるごとに利用してきた赤尾は、今の話を聞き、ちょっぴり後悔していた。)
総裁室に火をつけた時、防火シャッターが降りてきたでしょ?
あたし達が出た数分後にはスプリンクラーも作動してるはず。
おそらく燃えるのは闇巣総裁室のみね。

ジャイアント(羽場)正平>そっかぁ・・・
あと灰島たちとも仲直り出来るといいですよね。

赤尾>・・・・帰るよ。
(最後の言葉には答えず正平を車に乗るよううながす。
エンジンをかけパーキングブレーキを解除する赤尾。
ヘッドライトを点灯させたその時・・・)
えっ?!!

(車の前方に無数の西洋人形が道を塞ぐように現れたのである。)

ジャイアント(羽場)正平>こ・・これは・・・
(驚愕の表情の正平。
西洋人形は焼け焦げた姿のままだ。
焼け焦げた煙の臭いがあたりに充満する。
この焼け焦げた人形達は赤尾と正平を追ってきたとでも言うのだろうか?

そして人形たちの最後方から夜だというのにパラソルをさした一人の女が現れた。)

赤尾>ク・・クロサワ レイ・・・・
(赤尾の額から玉のような汗が浮かび上がる。)
どうやらあたしも潮時のようね。

ジャイアント(羽場)正平>奴が総裁室の主だな?
・・・赤尾さん、ここは俺が。
赤尾さんはこのまま逃げてくれ。

赤尾>で・・でも。

ジャイアント(羽場)正平>早く!!
(招聘は車から降りると不気味な西洋人形たちと対峙する。

暗闇にたたずむ西洋人形たちの目が一斉に赤く光りだした。)






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第48話 炎に包まれた総裁室  新世代闇巣女子学園



(赤尾と正平が闇巣女子学園に到着してからすでに1時間が経過していた。
赤尾たってのお願いではあったものの正平はなかなか動こうとはしない。
赤尾が正平に頼んだことは放火・・・
躊躇するのは当然の事であった。
このまま突っ立っていてもいたずらに時間が過ぎていくだけだ。)

赤尾>やっぱりノミの心臓なんだね・・・
(赤尾がポツリとつぶやいた。)

ジャイアント(羽場)正平>えっ・・・?

赤尾>(首を左右に振り)
なんでもないの・・・
いいよ・・自分でやるから。
(正平が持ったままのポリタンクを取り上げると一人、校舎内に入っていく赤尾。)

ジャイアント(羽場)正平>まっ・・待ってよ赤尾さん・・・
(正平は苦虫を噛み潰したような表情で赤尾のあとを追った。)

赤尾>怖いんでしょ? 帰ってもいいのよ?

ジャイアント(羽場)正平>・・・持つよ。
(赤尾が持っているポリタンクを取り返す正平。

「赤尾さんは本気だ・・・俺も腹をくくらねば・・・」

エレベーター前に立ちながらも二人は無言。
どうやら正平も覚悟を決めたようだ。)

(エレベーターのドアが開く。
すかさず正平が先に入り防犯カメラの位置を変える。
手を伸ばしただけでカメラの位置まで届いてしまうところが正平のばかでかさを物語っている。)

赤尾>(総裁室にはセキュリティーがかかっている。
雫の計算ではセキュリティーが反応してから発報し警備会社が到着するまでにおよそ5分。
この5分間にすべてを行わなければならないのだ。
赤尾はバールを取り出すとセキュリティーボックスを叩き落した。
と、同時に正平が16文キックでドアを蹴破ったのである。)

ジャイアント(羽場)正平>こ・・これは・・・
(はじめて総裁室を見る正平は恐怖で固まってしまう。
いたるところに敷き詰められた西洋人形・・・
驚かないほうが不思議だ。)

赤尾>時間がないの・・急いで。

ジャイアント(羽場)正平>わ・・わかった・・・
(我にかえった正平はポリタンクのキャップを取ると総裁室にばら撒き始めた。)

赤尾>いい? 火をつけたらすぐにここを出るから。
煙でセンサーが作動して非常ベルが鳴る前にね。
(コクリとうなづく正平。
赤尾はタバコに火をつける。
大きく煙を噴出すとポイっとタバコを床に投げ捨てたのである。)

ボッ!!
(火は一瞬のうちに広がった。
あっという間に炎は総裁室全体を包み込んだのである。)
バチバチバチ!!!!
(煙にセンサーが反応するとけたたましくベルが鳴り防火シャッターが自動的に降りてくる。
赤尾と正平はすべりこむようにして総裁室を脱出したのである。)

赤尾>こっちが非常口よ。
(赤尾は非常階段を全速力で駆け下りる。
だが巨体の正平は赤尾のように素早く動くことが出来ない。)
ちょっと・・・早く!!
(なんとか赤尾の車までたどりついた二人。
正平が乗り込んだのを確認すると赤尾は全速力でその場を立ち去ったのである。

バックミラー越しに黒煙をあげる闇巣女子学園最上階が見える。)

赤尾>これで闇巣執行部もおしまい・・・ざまぁみやがれ!!

ジャイアント(羽場)正平>赤尾さん・・・恐ろしい人だ・・・

(正平はこの赤尾の発言に鳥肌が立った。)




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第47話 赤尾 悪魔の囁き  新世代闇巣女子学園



(闇巣総裁室消去を命じられた赤尾。
灯油の入ったポリタンクを手渡され闇巣女子学園に向かおうとする赤尾の姿があった。
赤尾は迷っていた。
確かに闇巣執行部は自分と灰島たちの関係を引き裂いた憎むべき存在。
だが闇巣総裁室といえども自分が行おうとしている行為は放火だ。
もし犯人が自分であることがわかってしまったら自分の居場所はもうないのだから。
月明かりに目を閉じればクロサワに擦り寄る灰島たちの姿が浮かんではまた消えていく。
迷いに迷ったあげくようやく重い腰をあげた赤尾。
赤尾はポリタンクを積み込み車を走らせた。
実際には灰島達は総裁クロサワに服従する事を誓ったわけではなく赤尾がそう思い込んでしまっただけなのだが・・・
赤尾は取り返しのつかない大きな過ちを犯そうとしていた。

赤尾>・・・・羽場くん?
(信号待ちしているとひときは目を引く大男がとぼとぼと横断歩道を歩いていた。
赤尾はクラクションを軽く鳴らした。
ウインドーを開けサングラスを取ると正平に笑みを浮かべる。)

ジャイアント(羽場)正平>あ・・赤尾さん^^
(振り返る正平。
巨人特有のこもった声で赤尾の名を呼ぶとエサをもらう犬ころのように満面の笑みを浮かべ車に寄ってくる正平。)
車、変えたんですか?

赤尾>あぁ鉄仮面のこと?
突然、エンジンから煙ふいちゃってね。
おしゃか(廃車)になっちゃったよ。
(鉄仮面とはスカイラインRSターボICのこと。
グリルレスが特徴でありその外観から鉄仮面と呼称されていた。
信号はすでに青になっている。
だが後ろの車がクラクションを鳴らすことは無かった。
赤尾の車がどうみても暴走族にしか見えないことと外から話しかけている男がとてつもなく人間離れした大きさだったからに他ならない。)

ジャイアント(羽場)正平>なんちゅーか・・赤尾さんはレトロな車が好きなんだなぁ・・・
で、これ何ていう車なんです?

赤尾>羽場くん、知らないの?
これはねソアラ3000GTリミテットだよ。
(ちょっとムっとした表情で)レトロな車って・・・

そうだ・・ねぇ乗ってかない?
これから闇巣行くんだけどさ・・・

ジャイアント(羽場)正平>え・・いいんですか?
じゃあ・・お言葉に甘えて・・・
(助手席のドアをあけ乗り込もうとするがあまりの巨体に車に乗り込めない。)
赤尾さん・・駄目だ・・車が小さすぎて乗れないよ><

赤尾>しょうがないなぁ・・・
(赤尾はムーンルーフ(サンルーフのこと)を開いた。)
ここから頭だせば何とか入れるんじゃない?

ジャイアント(羽場)正平>むぅ・・・あっぽぉぉぉ・・・は・・入りました〜^^
(なんと正平は車のサンルーフから顔だけ出した状態で助手席に座ったのである。)

赤尾>じゃあ〜出発〜^^

ジャイアント(羽場)正平>(憧れの赤尾の愛車の助手席に座った正平。
最初は夢ごこちであったのだが車がスピードをあげていくと物凄い風圧が顔面に。)
うわぁぁぁぷ・・こ・・これは強烈ですなぁ^^;;;
ライトの光を求めた蚊や蛾が飛んできては正平の顔にあたり潰れていく。
闇巣についた頃には正平の顔面は潰れた虫だらけになっていた。)
ふぅ・・・ぬぼぼぼぼぼ・・・・
(さすがに正平も少々疲れた表情を見せる。)

赤尾>ねぇ羽場くん・・・お願いがあるんだけど。
(赤尾の悪魔の囁きに振り返る正平。)

ジャイアント(羽場)正平>お願い? なんすか?
赤尾さんの頼みなら何でもしますよ。

赤尾>(赤尾は車からポリタンクを取り出すと正平に手渡したのである。)





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第46話 闇巣総裁室消去計画  新世代闇巣女子学園



(翌日・・・
灰島は紫苑と凛子そして赤尾を呼び今後の方向性を示そうとしていた。)

灰島>って、訳だ。
ここは凛子の為に応援してやろうじゃねーか。

(灰島の言い分はこうだ。
これ以上、無益に渋一と敵対したところでメリットは見出せない。
確かに闇巣と渋一は過去に様々な因縁の歴史がある。
だがその為に凛子が好きな男と付き合えないってどうよ?
クロサワの命令に従うのはしゃくだけど、休戦協定もやむなし。)

凛子>・・・・
(申し訳なさそうにうつむいている凛子。
赤尾は目を瞑り腕組をしたままだ。
その様子を見ていた紫苑が心配そうに灰島に目配せする。)

灰島>赤尾の意見を聞かせて欲しいんだけど・・・

赤尾>・・くだらねぇな。

灰島・凛子・紫苑>・・・!!
(驚きの表情で赤尾を見つめる3人。)

灰島>おい・・それはねぇだろう?
オレら中坊時代からいつもつるんで来た仲じゃねーか。

紫苑>そうだよ・・いい事も悪い事もさぁ・・・

赤尾>帰るわ・・・

灰島>赤尾・・・オマエ・・・

赤尾>菫(灰島のこと)失望したよ・・オマエ、いつからそんな腰抜けになったんだ?
忘れたのかよ?
オレら4人で闇巣総裁室乗り込んで天下取るんじゃなかったのかよ。
凛子の恋を応援とかふざけた事、言ってっけど本心はクロサワが怖くなったんだろ?
あぁ?!!

灰島>・・・てめ〜ふざけた事、ぬかしてんじゃねーぞ!!
(赤尾の胸ぐらを掴み頬にストレートを叩き込む。)

ばっこーーーーーーーん!!!!

赤尾>がはぁぁぁっ!!!!
(壁際まで、ぶっ飛びそのままズルズルと崩れ落ちる赤尾。)
はぁ・・はぁ・・はぁ・・ぺっ!!
(口の中が切れたまった血を吐き出す赤尾。
それでも鋭い眼光で灰島を睨み返す。)

灰島>てめ〜立てよ・・こらっ!!
(完全にキレた灰島、赤尾に掴みかかろうとするが紫苑と凛子が必死に止める。)

凛子>お願い、もうやめて!!

紫苑>そこまでだ菫・・なっ?
(灰島をはがいじめにして押さえつける紫苑。)

赤尾>オレら・・長年つるんできたけど、もうおしまいだな。
クロサワにつきたきゃ勝手につきゃいいさ。
卒業するまで下僕扱いされてろって。
(教室を出て行く赤尾。)

凛子>・・・・
(強気な発言とは裏腹に赤尾の目には大粒の光るものが見えた。
そんな気がした凛子であった。)

赤尾>クロサワなんかに寝返りやがって・・・
絶ってぇ許さねぇ・・・

(決して灰島はクロサワの配下になるつもりなど無かった。
だが赤尾には灰島が寝返ったとしか思えなかったのである。)


(1時間後・・・)

雫>そう・・・灰島達がクロサワ側に寝返りましたか。

緑川>卑劣な寝返りは闇女の専売特許みたいなものですからね。

雫>ま、仕方ありませんね。
ならば奴ら(灰島たち)の居場所を消去しちゃいましょうかね。

赤尾>どっ・・どう言う事だよ?
(雫はガムをクチャクチャと噛みながら灯油の入ったポリタンクを赤尾に差し出した。)
これって・・・

雫>ふふ・・・闇巣総裁室・・消去。
(ライターをカチカチと鳴らしながら赤尾に手渡す雫。)
クロサワに寝返ったところで闇巣執行部はもう無い事を裏切り者たちに教えてやったらどうです?

赤尾>わっ・・・わかったよ。
(ポリタンクとライターを受け取る赤尾。)

緑川>フ・・馬鹿とハサミは使いようとは良く言ったものね。

雫>これであの忌まわしい闇女もジ・エンドですね。
(震えながらも灯油の入ったポリタンクを持ち再び闇巣学園へ向かう赤尾の後姿を見つめニィィっと笑う雫であった。)





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