第230話 胡蝶の怨念 真紀が見たものとは  羅刹 第二部



(一方、部屋に戻った赤松は部屋の明かりをつけソファーに腰掛ける。
そして手帳にはさんであった一枚の写真を取り出し見つめる。
それはたった一人の肉親、服役中の竜崎総一郎の写真であった。)

赤松>父さん・・・もう少しだけ待っていて下さいね。
必ず私があんな薄汚い場所から出して・・・
(その時、突如部屋の照明が点滅し始め、ついには消えた。)

赤松>これはいったい・・・?
(ソファーから立ち上がる赤松。
暗い部屋に目をこらすと部屋の奥のほうに確かに誰かが居る。
その人物の目が赤く光ったように赤松は感じた。)
だっ・・誰なの?!!

葉山>上昇志向が強いのは結構だけど、あまりにもやり過ぎたようだね・・・
あなたを地獄からお迎えに参上しました。
(暗闇に赤松の視界が慣れて来たため徐々にその姿があらわになって行く。)

赤松>お前は・・・撫子組の葉山まこ・・・!!

(消されていた明かりが点灯する。
今度ははっきりとその姿を目視出来た。)

葉山>人の命を何だと思ってるの?
死んでいった胡蝶さんはじめ、たくさんの仲間達の恨み・・・
撫子組一番組長 葉山まこが晴らします。

赤松>あはははははははははは!!!!
あなたテレビドラマの見過ぎなんじゃない?
私はね、これまで苦労に苦労を重ねてきたの。
修羅場の数ならあなたなんか私の足元にも及ばない。
そしてようやく自分の居場所を見つけたのよ。
本来、私がいるべき立ち位置をね。
その為には多少の犠牲は仕方ないと思っているの。
礎ってやつ?

葉山>自分の保身、幸せの為なら他人の犠牲は仕方ないですって?
(赤松の身勝手極まりない発言に怒りがこみあげてくる葉山。

「こんな奴の為に撫子組は働いていたというのか・・・?」

葉山はポケットの中から胡蝶に託されたお札を取り出した。)

赤松>今度は八つ墓村かしら?
頭に蝋燭でも2本立てたらどう?
(この時、赤松は発信機で如月にSOS信号を送った。
赤松が危機の時、いつも如月が即座に現れるのはこの様な仕掛けがあったのである。)

葉山>これは亡くなった胡蝶さんから託されたお札・・・
あなたの悪事をこれで止めて欲しいってね。

赤松>なんですって?!!

(「生前、奇妙な人形を操っていた胡蝶だ。あのお札にも何かあるかもしれない・・・」

赤松は直感で何か得体の知れない不気味なものを感じていた。)
だがこうやって時間稼ぎをしていれば如月が救援に来てくれるはず。
と、信じて疑わない赤松であったが・・・

葉山>・・・・
(お札を構え、ゆっくりと赤松に迫る葉山。)

赤松>ちょっ・・ちょっとあなた正気なの?
私は国家公安委員長の公設第一秘書なのよ?
(じりじりと後ずさりする赤松。

「遅い・・・如月はなぜ来ないの?」

心の中で叫ぶ赤松。
だが赤松は知らない。
如月がすでに篠原みゆきによって手にかけられた事を・・・。

額から汗が流れ落ちる。
赤松はついにドアの所に背をつけてしまった。
後ろ手にドアのロックを解除するとドアを開く赤松。)

赤松>フフ・・・馬鹿な娘ね。
このドアから廊下に出て大声で叫べば人が来る。
人殺し〜ってね。

葉山>・・・・
(内心、しくじったと考える葉山。
だが、その時・・・)

カチャ!!
(突如、開けっ放しにしていたはずのドアが閉まってしまう。)

赤松>えっ?!! なんでよ!!
(必死にドアのレバーを廻しドアを開こうとするがドアが開かないのだ。)
カチャカチャカチャ!!!!

真紀>・・・・
(ドアの外(廊下側)に立っていたのは真紀。
真紀は赤松が出ようとした瞬間にドアを蹴っとばし、閉めてしまったのだ。)

葉山>赤松幸恵、覚悟しなさい!!
(必死でドアを開けようとする赤松の背中にお札を貼り付ける。)

赤松>やめて!! 助けて!! お願い・・・
嫌ゃああああああああああああああ!!!!!!!!
(赤松の全身から煙が立ち込める。)
ぷしゅうーーーーーーーーーーーーーーーー




(数分後・・・
部屋の中から葉山が出てきた。
ドアの横に立つ真紀が葉山を見つめるが葉山は放心状態で真紀には目もくれずエレベーターの方へと消えて行ったのである。)

真紀>・・・・
(部屋の中に目を通す真紀。)
こ・・これって・・・

(部屋の中では先ほどまで赤松が着ていた衣服や下着が脱ぎ散らかされていた。
衣服を手に取る真紀。
衣服の中から出てきたもの・・・
それは人形と化した赤松幸恵のなれの果てであった。



暑中お見舞い申し上げます  



暑い日が続きますね〜^^;

皆様、どうかお体 ご自愛下さいませ。

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novさんからのあ姫のイラストを頂きました。

novさん、ありがとうございます^^



第229話 去り行く二人そして・・・  羅刹 第二部



華月>お・・お前は・・・
(ドアの前に現れたみちるを見て驚く華月。)

みちる>西軍時代も含めて過去にここまでボコボコにされたのは初めてでねぇ。
どうせ撫子組の連中に制裁受けると思ってたけどさぁ・・・
日が経つにつれ腹が立って来たって訳。

華月>フフフ・・・この死に損ないが!!

みゆき>みちるだっけ? 手を貸すよ。
(みちるに手助けを申し出るみゆきだが)

みちる>これはあたしとこの女忍者とのタイマンだ。
手は出さないで。
コイツ(華月)はあたしが殺る。

みゆき>でもあんたまだ傷が・・・
(みゆきの言うようにみちるの傷はまだ完全に回復してはいない。
それだけに心配そうな表情のみゆき。)

みちる>この女忍者は目黒衆の奴らでね。
言わばテロ組織ノース・ザ・エンペラーの生き残り・・・
ノースの後始末は元池袋カーディス西軍副将 瀬川みちるの仕事さ。

みゆき>わかった・・・
(みちるの覚悟を見てとったみゆき。
腕組しながら壁によりかかり戦況を見つめる。)

華月>能書きはもうたくさん・・・行くよ!!
(鋼鉄製の花札を構えみちるめがけて投げつける。)
シュ!! シュシュシュ!!!!
(まるで手裏剣のごとくみちるに襲い掛かる花札。
みちるは最初の数枚こそ、よけたものの・・・)

みちる>あぁっ!!
(一枚の花札がみちるのべストに突き刺さりそのまま壁に刺さってしまう。
さらに次々に刺さる花札。
壁に張り付け状態となり身動きが取れないみちる。)

華月>あなた・・さっきあたしの事、ノースの生き残りとかほざいたわよね?
ならばあなたは西軍の残党じゃない!!
(小刀を抜き、みちるに襲いかかる。)

みちる>くぅ・・・!! ばっ!!
(華月が襲い掛かる瞬間、ベストから腕を抜き張り付け状態から脱出するみちる。
10本の指が小刻みに動く・・・指拳だ!!)

華月>何いっ?!!
(だがみちるの指拳よりも早く華月の小刀がみちるに!!)
ズブリ!!

みちる>・・・・!!
(なんと、みちるは掌(手のひら)で華月の小刀を防御したのだ。
みちるの掌を貫通する小刀。
勢いあまってみちるは後方に倒れこんでしまう。)

華月>死ね!!
(みちるに馬乗りになって小刀をさらに深く刺し込もうとする華月。)

みちる>ん・・くぅっ・・・
(激痛に顔をしかめながらも足の裏を華月の腹に押し当て蹴り飛ばす。)

華月>きゃっ!!
(後方にひっくり返る華月。
その瞬間、みちるの掌に刺さっていた小刀は抜ける。)
キサマぁ!!
(瞬時に立ち上がり小刀を構えみちるに突進する華月。)

みちる>(掌の出血がおびただしいみちる。
それでも最期の気力を振り絞り立ち上がる。
そして両手を左右に羽根のごとく広げ蝶々拳地獄突きの構えを取る。)

ズシャアアア!!!!

(みちるの腹に小刀が突き刺さる寸前のところで
みちるの手刀が華月の首に突き刺さる。
蝶々拳地獄突きだ。)

華月>くぅわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・!!!!
(信じられないと言った表情で目を見開く華月。
口から血反吐を吐きながらスローモーションの様にベットに倒れこむ。)

みちち>はぁ・・はぁ・・はぁ・・
(精魂使い果たしたかの様に壁にもたれかかりながら荒い息を吐くみちる。
戦況を見守っていたみゆきがすかさずベットのシーツを引き裂きみちるの掌に巻いてやる。
しばらくしてみゆきはみちるに肩を貸しながら部屋を出て行った。)

(そんな二人の後姿を静かに見つめる者がいた。
真紀である。
真紀は、みちるがここに来ていたことに一瞬驚いた様子・・・
そう。・・・みちるは人知れずこのホテルに乗り込んできたのだから・・・)

真紀>・・・・
(去り行く二人を無言で見送った真紀、そして部屋の中にチラリと目を通す。
そこには無残に倒れている如月と華月の姿があった。
そして真紀はゆっくりと上の階を目指し歩き出す。
当初の目的であったみゆきを護る役目は終わったはずなのだが・・・はたして)


第228話 女忍 如月の最期  羅刹 第二部



(緒方が血祭りにあげられた同時刻、ひとりの女が如月の部屋に訪れていた。
女の名は華月・・・如月の血を分けた双子の妹である。)

如月>華月・・・もう傷の方はいいの?

華月>姉者・・・心配おかけして申し訳ない。
それにしてもあの小僧(蓮のこと)・・・女性の顔に傷をつけるなんて許しがたい奴。

如月>渋一の連中は皆、野獣・・・

華月>次のミッションでは橋野真意子と佐藤蓮・・・
あの二人をこの鋼鉄の花札で切り刻んでやるわ。

如月>たいした意気込み様ね・・・
それより華月、夜食一緒にどう?
まだ何も食べてなくてね・・・
(部屋においてあるルームサービスのメニューをぱらぱらとめくる如月。)

華月>姉者と同じ物でいいわ。

如月>(うなづくと電話を取りフロントにかける。)
あ、ルームサービスお願いします。
子牛のクリーム煮のセットをふたつ。
ドリンクはアイスミルクで。
ええ・・お願いしますね。

(それから数十分後・・・部屋のチャイムが鳴る。)
ピンポーン♪

如月>やっとルームサービスが来た様ね・・・
もう・・遅いじゃない・・・!!
(空腹なだけに怒りが顔に出てしまっている如月。)

ルームサービスの女性>遅くなりまして申し訳ございません。
ご注文のお品は揃いましたでしょうか?

如月>・・・・
(確認すると)ええ。

ルームサービスの女性>ではこちらにサインをお願い致します。

如月>(伝票を受け取りサインをする如月。
そして伝票を返そうと正面を向くが女性の姿はなかった。)
そ・・そんな・・・
(半信半疑で部屋へ戻ろうとすると行く手を塞ぐようにルームサービスの女性が・・・)
あなた・・いったい何なの?!!

ルームサービスの女>ホテルの中では得意のカラスたちも侵入できないものね。

如月>キサマ・・・何者?
(瞬時に小刀を抜きルームサービスの女性に突きつける。)

ルームサービスの女性>忘れたの?・・・元撫子組七番組長 篠原みゆきよ!!

如月>お・・おのれ!!
(小刀でみゆきに斬りかかる如月。
だが、みゆきは強靭なハイキックで小刀を蹴り落とす。)
カチャーン!!
(床に落ちる小刀。
次の瞬間、みゆきは瞬間移動し如月の背後に廻るとチョークスリーパーに入る。)
ぐっ!!・・・うがうぐ・・・!!
(見る見るうちに顔面が蒼白状態となっていく如月。
すでに白目をむき口から少量の泡を吹いている。)
ゴキッ!!・・・バキッ!!
(まるで首の骨がへし折られたかのように不自然に曲がってしまう如月の首・・・
如月はそのまま膝をつき前のめりに崩れ落ちた。)
・・・・・・・・。

華月>姉者ぁ!! き・・キサマ・・・!!
(鋼鉄製の花札を取り出すとみゆきめがけて投げつける。)
シュ!! シュパァ!!

みゆき>すぅっ・・・!!
(またも瞬間移動で花札を難なくよけるみゆき。
花札は、さらに入り口のドア方向に飛んでいく。)

女>ぱっ!!
(その時、入り口には、もう一人の女が現れた。
女の手にはブラックジャック(黒の革手袋)がつけられており、なんと跳んできた花札をキャッチしたのだ。)
そして不気味にニィィっと笑う女。

華月>なっ・・なんだと?!!
(唖然とする華月。
ドアの前に立つ女は・・・
曼荼羅模様のターバン姿にサイケデリックなロングスカート・・・エスニックなそのスタイルは、紛れもなく、あの池袋カーディス西軍時代のスタイルに戻っていた瀬川みちる・・・その人であった。)



第227話 バスルームに散った緒方  羅刹 第二部



(ホテルの自室に戻りバスローブに着替えると鏡の前に立つ緒方。
鏡に映る自分の姿には、首筋に鉄線の跡がうっすらと残っていた。
あの第二次渋谷戦争の際、非常階段から脱出を図ろうとした緒方を襲った白戸の鉄線糸。
緒方は鏡に映る首筋の跡を見る度、あの時の恐怖が蘇るのだ。)

緒方>忌々しい・・・奴(白戸のこと)だけは絶対に許さない。
必ず捕まえてこの前の、いや今までの仮を返すわ・・・何十倍にもしてね。
フフフ・・・

(緒方は当時、筆頭観察方として撫子組の為に尽力していた事は間違いではない。
総長である香住にその能力を買われ、今まで組長達から格下扱いされていた観察方のイメージを覆した事は緒方の功績に他ならないのだ。
だが観察方である緒方が日増しに発言力を強め組長人事にまで口を挟んだ事により他の組長達から激しい怒りをかってしまった。
中でも白戸佑子とは六寺たえの戦力外通告以来、激しく対立してきた。
そして向えた第二次渋谷戦争・・・
組長達と違い戦闘能力を持たない緒方ら観察方は退却せざるおえなかった。
だがその場面を白戸に見つかり危うく殺されかけたのだ。
その事がなければ、緒方は今も香住に忠誠を誓い撫子組に残っていただろう。
そう・・あの非常階段での一件が緒方等子の全てを狂わせた。
撫子組の仲間である白戸に殺されかけたと言う事実は緒方を赤松幸恵に寝返らせたのである。
そして緒方は警察に渋谷戦争をリーク、撫子組のメンバーの大半が捕まるというあの逮捕劇へと繋がっていく。

緒方はバスローブをゆっくりと脱ぎ下着を取るとバスルームの中へと消えていった。
シャワーを浴びている緒方。
だがバスルームの天井裏には白戸の姿があった。)

白戸>・・・・
(天井裏の隙間からシャワーを浴びる緒方の姿をじっと見つめる白戸。)
ギギィィーーー!!!!
(指に巻きつけてある鉄線を口で噛み、ゆっくりと伸ばしていく。
そして輪状になった鉄線糸を素早く緒方めがけて投げつける。)
シュルシュルシュル!!!!

緒方>えっ?!!
(緒方がはっとした時にはもう鉄線糸が首に巻きつけられていた。)
うげっ!!

白戸>(白戸は天井裏を大きく開くと鉄線糸を引きながらバスルームに飛び降りる。
と、同時にテコの応用で緒方は首を吊られたまま天井裏まで吊り上げられた!!

緒方>ぐげっ!! ぐがっ!!
(鉄線で首を絞められているだけに言葉にならない。
もがき苦しむ緒方。)

白戸>あなたの身勝手な行動でどれだけ沢山の仲間が捕まり、そして死んでいったかわかる?
撫子組は裏切りを許さない!!

(白戸は、しゃがみこみながら鉄線糸を限界まで引っ張った。
あれだけもがき暴れていた緒方の足がピタリと止まった。
そして鉄線糸を勢いよくたち斬る白戸。)

緒方>・・・・バッシャーーーーン!!!!!!!!
(天井裏まで吊るし上げられた緒方。
その首に巻きつけられていた鉄線が突如、斬られたのだ。
勢いよくバスタブに落下する緒方。
バスタブから激しい水しぶきが飛んだ。)

白戸>・・・・・・
(全裸姿でブザマに浮かんでいる緒方を見つめる白戸。)
シュルシュルシュル!!!!
(鉄線糸はまるで生き物の様に再び白戸の指に巻きついた。)






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