第226話 法相になった暁には・・・  羅刹 第二部



(赤松は井ノ中蛙公安委員長の法務大臣内定の前祝で祝杯をあげていた。)

赤松>改めましておめでとうございます。

井ノ中公安委員長>ありがとう。
(グラスを合わせる二人。)
それで赤松くん・・・私にお願いとは何かね?

赤松>現在、服役中の父・・竜崎宗一郎の事なのですが・・・
法務大臣にご就任された暁には先生のお力で何とかしていただけないでしょうか?

井ノ中公安委員長>竜崎さんの事か・・・
彼の処遇には私も頭を痛めていた所だ。
しかし私はまもなく法務大臣となる。
刑期を短くするよう働きかけようじゃないか。

赤松>さすがは井ノ中先生、父も喜びますわ。

井ノ中公安委員長>竜崎さんは私を政界に送り出してくれた大恩あるお方だ。
私も恩返しが出来るというものだよ。
ぐわはははははははははは!!!!

(その頃、二人が食事をしている部屋の入り口に待たされている二人。
緒方と如月である。)

緒方>そろそろディナーも終了する頃かしらね?

如月>はい。予定ではあと5分くらいかと。
この後、私は赤松さんを部屋まで送り届けて今日の任務は完了です。

緒方>それにしてもお腹すいちゃったわね・・・
今日の任務終わったら一緒に夕食でもどう?

如月>いえ結構です。明日も早いものですから・・・

緒方>そう? 残念だわ。(「ふん、いけすかない女ね・・・」と心の中でつぶやく緒方。)

(その時、扉が開き中から井ノ中公安委員長と赤松が出てくる。
二人はご機嫌な様子だ。
赤松に会釈するとぴたりと寄り添い同行する如月。)

緒方>本日はお疲れ様でございます。
(井ノ中と赤松に挨拶する緒方。)

井ノ中公安委員長>ご苦労様・・・今日はもういい。
時間も遅いのでキミ達は部屋でやすみなさい。

緒方>ありがとうございます。ではこれにて失礼致します。

(そして赤松と如月、緒方、井ノ中はそれぞれの部屋へと帰っていった。)

赤松>如月・・今日もお疲れ様。
あなたまだ食事とってないのよね?
これでルームサービスでもとりなさい。
(サイフから1万円札を出し如月に渡す赤松。)

如月>はい^^ ありがとうございます。
実はお腹ぺこぺこだったんです。
(子供のような笑顔を見せる如月。
それは先ほど緒方に見せた態度とはまったく違うものであった。
如月は目黒衆の女忍・・・仲間を売った緒方はやはり信用できない様だ。
そして赤松だけに見せた彼女の笑顔。
女忍とはいえ、この辺りはまだ10代の少女の顔が見え隠れする。)

(一方、部屋に戻った赤松は部屋の明かりをつけソファーに腰掛ける。
そして手帳にはさんであった一枚の写真を取り出し見つめる。
それはたった一人の肉親、服役中の竜崎総一郎の写真であった。)

赤松>父さん・・・もう少しだけ待っていて下さいね。
必ず私があんな薄汚い場所から出して・・・
(その時、突如部屋の照明が点滅し始め、ついには消えた。)

赤松>これはいったい・・・?
(ソファーから立ち上がる赤松。
暗い部屋に目をこらすと部屋の奥のほうに確かに誰かが居る。
その人物の目が赤く光ったように赤松は感じた。)
だっ・・誰なの?!!

?>上昇志向が強いのは結構だけど、あまりにもやり過ぎたようだね・・・
あなたを地獄からお迎えに参上しました。
(暗闇に赤松の視界が慣れて来たため徐々にその姿があらわになって行く。)

赤松>お前は・・・撫子組の葉山まこ・・・!!



第225話 悪魔達の祝杯  羅刹 第二部



衆議院議長>よって癌直人内閣不信任案は否決されました!!
(野党が国会に提出した癌内閣の不信任案は惜しくも否決されてしまった。
テレビで国会中継を見ている国民はこの茶番劇に吐き気をもようした者も少なくないだろう。
満面の笑みを浮かべ立ち上がると深々と頭を下げる癌直人総理大臣。)

フランケン岡田幹事長>パチパチパチ!!!!
(フランケンシュタインのような人相でにんまり笑う不気味な幹事長。)

貧舫行政刷新担当大臣>総理おめでとうございます。
これで癌内閣は安泰ですわ^^
(さっそく握手をもとめにいく貧舫。
長いものにはまかれろが座右の銘らしい。)

河馬野幸男官房長官>うざい大沢一郎派、アホの鳥山由紀夫派も総理が「退任時期を考えている。」と言っただけでコロリとひっかかりましたね。
まったく単純で愚かな連中です。
(自分のおろかさを棚上げしてほざく河馬野幸男。)

戦国由人代表代行>ようするに奴らは鳥の脳みそ程度って事やな(爆笑)
癌総理、次は私に幹事長ポストを頼むよ。
(大沢一郎追放しか頭に無い戦国。)


癌直人総理大臣>あのね・・・(鼻をほじくりながら・・・)
みんなして僕を引きずりおろそうなんてとんでもない話だ。
僕はね国民生活が第一と考え不眠不休で頑張ってるんだよ。
それなのに癌おろしだなんて・・・ったく酷いよね?
それに日本の総理は毎年変るって諸外国の連中に馬鹿にされるんだよ。
だから一日でも長く延命する事が重要だと思うわけよ。
大沢一郎なんて、あんなもん党員資格停止をさらに延長だ!!
癌改造内閣では大沢派と鳥山派は一人もいれないからね!
(国民生活が第一と言いながら本音は自分の総理の座の延命だけに執念を燃やす癌。)

(そして国会の廊下で癌総理にすりよる国家公安委員長。)

井ノ中蛙公安委員長>癌総理、不信任案否決おめでとうございます。

癌直人総理大臣>おお!! 井ノ中くん、今日はありがとう!
(公安委員長兼衆議院議長もつとめる井ノ中に握手する癌。)
えと・・
(下唇を突き出しながら考える癌。
頭が悪いのでしばし考える。)
そうだキミの希望はたしか法務大臣だったね?
う〜んと第何次〜・・・癌改造内閣で内定させるからね^^
(何度目の内閣改造かもわからなくなっている癌。
駄目だこりゃ^^;)

井ノ中蛙公安委員長>ま・・まじですか?!!
へっ・・へへい!!
おあ・・りがとうございます!!
(ひれ伏すように土下座し癌にお礼を言う井ノ中公安委員長。
その光景を満足そうに見つめる癌。

そして井の中は自室に戻る。
そこには新たに井ノ中の公設第一秘書となった赤松幸恵の姿があった。)

赤松>公安委員長、ご機嫌ですのね。

井ノ中公安委員長>当たり前だ。
癌政権がつぶれれば私の大臣ポストも一貫の終わりだからな。
それより赤松くん・・・
実は今、癌総理から次期法務大臣就任の内定をいただいたよ。
現任の江田十月さんももうじきお払い箱なのだろう。

赤松>それはおめでとうございます。
これで私も晴れて法務大臣の公設第一秘書となるわけですね?

井ノ中公安委員長>ああ。まったくもってその通りだよ。
ぐわははははははははははははは!!!!!!!!
(下品極まりない笑い声が部屋中に響き渡る。)

赤松>夕食にホテルの予約してあります。

井ノ中公安委員長>うむ。 今日は前祝だな。
ぐわははははははははははははは!!!!!!!!
(もはや自分らが犯してきた撫子組の逮捕や死亡者が出た事をも忘れてしまっている井ノ中と赤松。
二人はホテルの一室で祝杯をあげた。

だが同時刻、二人が宿泊するこのホテルに人知れず向っている者達がいた。
安東香住、白戸佑子、葉山まこの撫子組残党の三人である。
さらに三人には気づかれないように別行動で篠原みゆきの姿も・・・
撫子組の復讐はもう間もなくだ。)




第224話 それぞれの想い  羅刹 第二部



香住>篠原さん・・無事でなによりです。
(突然の着信。
相手は撫子組組長を解任されたみゆきからであった。
警察は撫子組を解体に追い込もうと全員逮捕の構えだ。
解任したとはいえ六寺も逮捕されている。
当然、みゆきにも赤松の魔の手が伸びる事も考えられる。
逃亡中も香住はみゆきの事を気にかけていたのである。)

みゆき>総長・・・
(自分達が大変な立場に立たされているにもかかわらず、みゆきの事を心配してくれる香住。
みゆきは一瞬、声がつまった。)

香住>先ほど胡蝶さんが亡くなりました。
赤松とその部下であるカラス遣いにやられた様です。

みゆき>こ・・胡蝶さんが?!!
(しばし無言になってしまう。)
総長・・赤松たちを殺るんですね?

香住>・・・・
(みゆきの問いに応えない香住。)

みゆき>あたしも行きます。

香住>・・・・
(無言だが驚きの表情を見せる香住。
自分は解任されたにもかかわらず撫子組の仲間の為に一緒に行くと言うみゆき。)

みゆき>総長・・今、残っているのは白戸さんとまこちゃんですか?
敵は強大です。
微力ながらお世話になったみんなの為にあたしも行きます!
(携帯電話の会話だけに香住の表情をうかがい知る事は出来ない。
だが香住から戻ってきた返答は意外な物であった。)

香住>篠原さん・・ありがとうございます。
篠原さんが手を貸して頂けるのなら本当に心強い限りです。
ですが・・今回は、お気持ちだけ頂く事にします。

みゆき>なぜ? あたしだって今まで一緒にやってきた仲間のはず・・・

香住>篠原さんはすでに撫子組を解任された身。
警察が撫子組消滅を思案しいる今、ここに戻るのは得策ではありません。
赤松討伐は私と白戸さん・・・そしてまこちゃんの3人で必ず成し遂げます。
篠原さん、どうかお元気で・・・
(そう言うと一方的に切ってしまう香住。)

みゆき>ツーツーツー・・・・
(みゆきは携帯をポケットにしまい込む。
自嘲ぎみに笑うみゆき。
香住のみゆきを想う気持ちは十分過ぎるほど伝わっていたからだ。)
けっ! みーきの力は必要ねーってか。
なら総長・・・みーきは勝手に加わらせてもらうよ。

(やはり真紀の感は当たっていた。
昔から困っている相手を見るとほっておけないみゆきの性格を知り尽くしていたからである。)



第223話 撫子組 数奇な運命  羅刹 第二部




(ズタボロにされ死んでいった胡蝶の亡骸をおぶって葉山は香住達の待つ隠れ家に向っていた。
とめどなく溢れる涙を拭いもせず歩き続ける葉山。
数メートル先の視界も、もはや涙にかき消されようとしていたのである。)

胡蝶>は・・葉山さん・・・
私はもうここまでのようです・・・
それより・・最後のお願いを・・・聞いてもらえますか?
(そう言うと血だらけの手で懐からお札を取り出す胡蝶。
そして震えるその手でお札を葉山に託す。)
これを赤松幸恵に貼り付けて下さい。
彼女の悪事も・・・これで終結させる事が出来ます。

葉山>わかりました必ず。
(葉山は胡蝶が最後に自分に託したお札をしっかりと胸にしまいこんでいた。
街の治安の為に懸命に働いてきた撫子組が実は赤松と国家公安委員長に利用されてきただけだった事を知るにつけ激しい憤りが葉山の心の中を支配していた。
しかも撫子組は今や犯罪者、いや国家の敵として全国に指名手配されてしまったのだ。)
この世にこんな理不尽な事があっていいわけないよ・・・
(葉山は胡蝶を背負ったまま数時間も歩き続けようやく隠れ家にたどり着いたのである。)

香住>こ・・胡蝶さん!!
(香住が驚くのも無理もない。
数時間前まで胡蝶は元気だったのだから。
葉山の背中から胡蝶を下ろし抱きかかえる香住。
もはや胡蝶に反応は無く冷たくなっている事に愕然とする香住。)

白戸>これはいったいどういうことですか?!!
(キッチンにいた白戸も香住の声にとびだしてきた。
あまりにもむごたらしい胡蝶の亡骸にしばし声を失う二人。)

葉山>赤松・・あいつ人間じゃないですよ!!
胡蝶さんにこんな酷い事を・・・!!

香住>この傷は?

葉山>おそらくあのカラス遣いの仕業だと思います。

白戸>もう許せません!!
(香住も白戸のセリフに同調したかの様にコクリとうなづいた。)

葉山>総長・・やはりここは渋一と和議を結び共通の敵、赤松を狙ったほうが・・・

白戸>まこちゃん、まだ総長の気持ちがわからないの?
総長はね・・・
(白戸のセリフを途中で遮ったのは香住であった。)

香住>今さら渋一・・・いや大西真紀が私達と和解し共闘するなどありえないと思います。
無論、私達も亡き先代総長明日美姉さんの意思に従いギャルなる不埒者に助けをこう様なまねをしたくはないのです。

葉山>でも・・・
それじゃ亡くなった胡蝶さんが報われません!!

香住>数奇な運命ですね・・・ですが
たとえこれだけの少人数になろうとも撫子組は悪を討ちます!!
(ついに赤松一派討伐を宣言した香住。
その時、香住の携帯に着信が入った。
相手は撫子組を解任された篠原みゆきからであった。)






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