第105話 竜崎家の闇 A  羅刹


竜崎>あれは・・・
今をさかのぼる事、4年前の事だ。

当時、私と一人娘沙夜との間には大きな溝の様なものがあった。
彼女も中学3年生であったし、あまり親とは話したがらない年頃・・・
そう、反抗期であったのかも知れない。

当時、ギャル文化が渋谷で全盛期を迎えていた時代。
沙夜もたぶんに漏れずB系なるギャルグループに所属していた。
私は彼女の将来を心配し何度もB系ギャルをやめる様、説得したが彼女は私の言う事に一切、耳を傾ける事は無かった。
日増しに化粧は濃くなり服装も派手になっていったよ。
中学生であるにも関わらず連日クラブ通いの日々・・・
学校も行ったり行かなかったり・・・
有名大学付属中学に入学できたというのに夏休みに入った頃には成績も最下位に近づいていた。
そして・・・終いには、とうとう学校へ行く事も無くなってしまった。

沙夜は私と後妻との間に出来た娘だ。
妻は5年前に病に倒れこの世を去った。
沙夜がギャルなる連中と遊びだしたのは丁度その頃からだ。
あんな連中と付き合いさえしなければ、あの様な恐ろしい事件に巻き込まれる事も無かったであろうに・・・

そんなある日の事だ。
深夜になって沙夜は服を血に染め帰宅した。
その頃、まったくと言って良いほど会話の無い冷えきった親子関係ではあったが、こればかりは父親として問いたださない訳には、いかなかった。
問い詰めた所、沙夜は号泣し風子という娘を刺したのだと言う。
その頃、渋谷には撫子組がギャルと戦争を始めていた。
当然、B系ギャルグループに所属していた沙夜にも、この戦争に参加する様、風子という娘から要請があったらしい。
残念ながら沙夜はこの頃、ドラッグにも手を出していた様で風子に脅迫されていたらしいのだ。
追いつめられた沙夜は勢いあまって風子をナイフで刺してしまったと言う事らしい。

私の胸にすがりつき泣きじゃくる沙夜を観た時、私は父親として沙夜を護ろうと心に誓ったのだ。
思えば沙夜を脅迫し無理やり撫子組との戦争に参加させようとした風子など言語道断である。
聞けば、その風子なる娘はマンバだと言うではないか。
そんな社会のゴミに私の可愛い沙夜の人生を滅茶苦にされてたまるものか。
幸い私は政界や警察庁には顔が利く。
風子という娘は死んだのだそうだが通り魔殺人としての扱いにしてもらった。

だが沙夜はその後も心が落ち着くことは無かった。
夜になると風子を刺した光景が何度も頭をよぎり彼女を追い込んでいったのだ。
沙夜は風子との事を忘れたい一心で何度もドラッグを使用した。
いつしか沙夜はドラッグ無しには生きていけない体になっていた。

あぁ・・なんという残酷な運命なのだろう・・・・
ドラッグを使用しフラフラになった彼女は家のベランダから地上に転落してしまった。
幸い一命は取り留めたが車椅子生活となってしまった。
そして現在は言語障害もわずらっている。

こうなったのも全てギャルなる存在が原因なのだ。
私の大切な沙夜の人生をこんなにも惨めなものにしてしまった。
私は全てのギャルなる存在を憎み、この世から抹殺するまで戦い続けようと心に誓ったのだ。


(書斎で一人、物思いにふける竜崎。
だが彼の認識は大きく曲解されている。
確かに沙夜達、B系のギャルサーを撫子組との渋谷大戦争に誘ったのはフー子である。
しかしフー子は決して沙夜を脅迫などしていないし、沙夜が刺したのは脅迫されて追いつめられた為ではなく篠原みゆきに殴られた事に対する逆恨みであったのだから・・・
竜崎による事件改ざんは4年前のあの時から始まっていたのである。)

第104話 竜崎家の闇 @  羅刹


(その頃、竜崎は自宅に戻る為、首都高を走っていた。)

運転手>理事長、お電話が入っていますが・・・

竜崎>うむ。(電話を運転手から渡されると耳元へ持っていく。)
私だ・・・・どうかしたのかね?
何・・・!!
(車内にしばらく沈黙が続く。)
・・・死者が出たと言うのかね?
・・・まずいな。
警察には私の方から手を廻しておく。
いいかね? この件に撫子組は関与していない。
あくまでもギャル同士の集団乱闘という事にしておいてくれ。
うん・・・うん・・・頼むよ。

運転手>理事長、引き返しますか?

理事長>いや・・このまま自宅に向かってくれ。
疲れているのでね。
(その後、竜崎は携帯で警察に連絡を取り、虎の事件同様、またも事件を闇に葬ったのである。)


【30分後、竜崎邸に到着】

家政婦>旦那様、お帰りなさいませ。
(玄関に家政婦が出迎え竜崎の上着を脱がす。)

竜崎>彼女の様子はどうかね?

家政婦>はい。 
それが・・お嬢様は今日は、まったくお食事をお取りになりません。
あの痩せ細ったお嬢様の姿を見ると、お可哀想で
(ハンカチを目頭に当て涙ぐむ家政婦。)

竜崎>(竜崎は、そのまま娘の部屋に向かった。)
とんとん!!
パパだ。・・・中に入っていも良いかな。
(中から返事は無い。)

(静かに扉をあける竜崎。
中には車椅子に座った少女が竜崎を出迎えた。
少女は18歳、だが顔は青白く体は異常に痩せ細っている。)

竜崎>おお・・沙夜・・我が娘よ・・・
(竜崎は車椅子の少女を抱きしめた。)

沙夜>パ・・パ・・・
(どうやら言葉もまともに話せなくなっているらしい。)


(彼女の名前は竜崎沙夜。
4年前、フー子を刺した真犯人である。)


第103話 大惨事再び  羅刹


観盾>天魔槍鬼 観盾麻琴に敵はない!!
邪魔だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

ギャル達>うわぁぁぁぁぁぁ!!
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

ザシュッ!! ザシュッ!! ザシュッ!!
(壁になっているギャル集団をなぎ払いリーダー格と思われるギャルの元に観盾の豪槍が近づいて来る。
その光景は壮絶を極めた。
槍にて袈裟切りにされる者、磔のように串刺しにされる者、
目に見えぬ衝撃波で、腰を抜かし戦意を喪失させてしまった者。

しかし観盾は、そんな戦意を喪失した者でも容赦なく槍を振り下ろす。
血ヘドと涙を流しながら意識不明になっているギャルもいる。
ついに死傷者まで出した今回・・・
もはや、この光景は過去の六角璃瑠渋谷襲撃の比ではなかった。)

亜美>さゆり!!
美香さん探してきて!!
ここは、ウチらでなんとか食い止める!!

さゆり>駄目だよ!!
ウチらが勝てる相手じゃない!! 
もう限界だよ・・・逃げようみんな!!

亜美>馬鹿ぁ!!
確かに勝てる相手じゃないのはわかってる。
でも・・でもさぁ・・・逃げちゃ駄目だよ!!
この街はウチらで守るの。
大好きなこの街をさぁ!! みんなの力で!!

さゆり>・・・・・・・・!!!!

亜美>アタシなら大丈夫、亜美はマルキューの客の押し合いにだって負けないんだから^^

(さゆりは亜美の無事を祈りながら必死に美香のもとへ走った。)

第102話 一騎当戦  羅刹


(美香が、渋谷の仲間からセンター街が大変な事になっているのを聞いたのは
スペイン坂で丁度、みちるとクレープを楽しんでいる時であった。)

美香>なっ、なんだって!!
(思わずクレープを階段に落としてしまう美香。)

さゆり>美香ぁ! 美香ぁ!・・早く、センター街が大変な事に!!

みちる>撫子組か?

美香>行くよみちる!!

みちる>あぁ。

(所変ってここはセンター街、
観盾の周りにはかなりのギャラリーが囲んでいた。
そして、その倍はあろうかというギャル集団の群れ。 裕に50人以上はいるだろう。
すでに観盾の周りには雑兵も女義士も伍長もいない。
のされたり、疲労困憊で戦力外になっている。
あきらかに戦力差がありすぎるのだ。
だが、観盾の周りにも何人ものギャル達が沈んでいた。)

ギャル1>あのチビ・・普通じゃねーぞ。 素手であそこまで出来るか?

ギャル2>びびんな!
前にノースの奴らが来たときにウチらだけで決めたじゃねーか!!

ギャル3>そうだよ、渋一の娘達に守ってもらうだけじゃなくウチらの街はウチらで守んなきゃ!!

観盾>雑魚どもが軍議などしても無駄と言うものだ。
さっさとケリつけてやるぜ。
あるいが私の相手はオマエらみたいな雑魚じゃないんでね・・・
(そういうと肩にかけている大きな布に包まれた棒を取り外す観盾。)

ギャル達>?

観盾>いいか・・貴様ら一人もここから生きて帰れないと思え。
(その布を取り払うと・・)
ドカッ!!
(観盾の倍の倍あろうかという巨大な豪槍が現れた。
柄の部分から刃先まで二メートルもあろうかという獲物だ。)



ギャル1>うっ嘘だろ・・・!?

ギャル2>どっどうせ偽もんだ!! おいコイツを取り囲め!!

ギャル達>わっ・・わかった!!
(司令塔となるギャルの合図に無数の群れのギャルが観盾取り囲んだ。)
ザザザザザ・・・・・・!!!!

ギャル1>やっちまえ!! 相手は、あと一人だ!!

観盾>ふっ・・怯えるまでもない・・一瞬だ・・・
(観盾は一歩前へ踏み出すと右斜めに槍を振り下ろす。)
ズサァァァ!!
(そして、すかさず左斜めに振り下ろす。)
ジュサァァァァァァ!!

ギャル>ギャァァァァ!!!!
(胸を袈裟切りにされたギャルは鮮血を飛び散らしながら倒れる。)

ギャル3>くそぉぉ!!
(一人のギャルの怒号によりギャル達が四方八方から襲い掛かる。)

観盾>ハァッ!!
(それを見た観盾は槍を目の前に出し足を踏み出しながら、なんと片手で槍を360度旋回しながら台風のように前進する。)
ドガガガガ!!!! スバババババ!!!!

ギャル1>まっ・・まじかよ?

ギャル達>うわぁぁぁぁぁぁ!!!!
(四方八方にいたギャル達が塵のように飛ばされて行く。)

観盾>そりゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃっっ!!!!
(最後に凄まじい足踏で、衝撃波を起こす観盾。)
ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリリ!!!!!!!!!!

ギャル達>あっ・・あっ・・あっ!!!!!!
(その衝撃で膝から次々に崩れ落ちるギャル達。)

ギャル1>くぅぅぅぅぅ!! まだだ!! まだ終わっちゃいねーぞ!!!!

観盾>カスがっ・・!!
シュッッ・・・ズブッ!!!!
(群がるギャルの一人の体を突き刺すと、旗のように持ち上げる凄まじい光景。)

ギャル>うげぇぇぇ!!!!
(真っ赤な鮮血が体の中心からドボドボこぼれ落ちる。
それは、まさに地獄絵図に他ならない。)

観盾>(なんと突き刺したギャルを持ち上げたまま荒れ狂う竜の如く左右に振り回す観盾、その周りにいたギャル集団も次々に観盾の豪槍の餌食となって行く。)

ギャル達>きゃああああああああああああっっ!!!!
うぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!

観盾>どぉりゃゃゃゃゃゃ!!
(周りのギャルを一掃すると最後に槍に突き刺さっている哀れなギャルを投げ飛ばす。)

ギャル>もらったぁぁ!!
(観盾の隙をついて背中を狙うギャルだが。)

観盾>甘い!!
(体を半回転捻り、マサカリのごとく打ち下ろす。)
ドガァァァァァァァァァァァァァ!!

ギャル>がっ・・がっ・・そっそんな・・・
(血だらけになりながらそのままうつ伏せに倒れるギャル達、もはや全滅状態だ。)

観盾>天魔槍鬼観盾麻琴に・・・敵はない。

第101話 予感的中  羅刹


(秋が来たというのに今日は冷たい風が吹き少し肌寒い。
しかし、ここ渋谷センター街だけは、いつもとかわらぬ熱気に包まれていた。
センター街を行きかう人々は、それぞれ自分の個性を主張し、輝いている。
そしてセンター街を自分の庭の様に親しんでいる美香とみちるは、いつものように放課後、ゲーセンライフを楽しんでいた。)

美香>やりぃ! 美香の勝ちだね^^

みちる>か〜負けた〜(><)
美香いつの間にそんなに強くなったんだよー?

美香>へへーん♪
みちるに内緒でココに通いつめてたんだよ(^ .^y-~~~

みちる>ったく・・アタシを超えるゲーマーになりそうだよ(汗)
プシュッ!!
(コーラの缶の栓を開けながら椅子に座るみちる。)

みちる>そーいやさ最近撫子組、静かじゃね?

美香>あ〜そうだねー真紀ちゃんたち襲ってから、目立った動きないよね。

みちる>赤松が一枚かんでたってのがウゼーけどね。
まさか各個撃破やめてこっち来るって事はないよね・・?

美香>さあね。
ノースと違ってどのくらい戦力あるのか知らないけど・・・
そんな簡単にはここ(渋谷)は落とせないって。

みちる>そっそーだよね〜(汗) あははは

美香>撫子組に六角みたいな奴がいなければの話だけどね・・・
(美香はボソっと呟いた。
だが・・皮肉にも二人の予感は的中してしまう。)


(ところかわって夕闇せまる渋谷センター街。
流行の街、センター街になんとも異色な格好をした集団が歩いている。
観盾率いる撫子組四番隊と雑兵。 その数およそ20。

女義士>組長・・こんなやかましい所、見学されてないで早く渋一に行かれなくて良いのですか?

観盾>(ギロリとその女義士を睨みつけると)
・・・ふん。 貴様はバカか?
この数であの巣窟に向かっていった所で勝機があるとでも思っているのか?
統率者たる者、常に戦力というものを見極めねばならん。

女義士>ハッ・・失礼致しました。

観盾>ふっ・・それにこの辺を歩けば嫌でもあの愚か者達にも出会うだろう。

(その時、今風のギャル集団が観盾達にからんで来た。)

黒ギャル1>ギャハハ!!!! 何それー!! なんかの仮装大会? チョーウケる〜

黒ギャル2>ダッサァァー!! オマエらみたいのが来んと渋谷のレベルが落ちんだよ!!

(観盾は、ギャル達を鋭い眼光で睨みつけるも素通りした。女義士達もそれに続くが・・・)

黒ギャル3>シカトすんなてめー! ペッ!
(ギャルが噛んでいたガムが観盾の、いや撫子組の魂とも言える義の陣羽織に付着する。)

女義士>!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

(その瞬間、観盾の眼が憎悪の炎に燃えた。)

第100話 観盾始動  羅刹


香住>それで・・湖蝶さんは大西真紀討伐に失敗したという事ね?

緒方>悪く見てとればそうなりますが・・運が悪かったともいえましょう。

香住>南さん・・六寺さん・・湖蝶さん・・
(大きな溜息をつく新生撫子組総長香住。)
以前と比較すれば渋谷における不埒者の数は大幅に削減できたものの
こと渋一に限っては、ことごとく作戦は失敗に終わり・・
葉山さんに至っては無許可で勝手に動き出し、余計な敵をも作る始末。

緒方>葉山さんに関しては私も申し訳なく思っております。
もっと内部の監視も強化するべきでした。
(深々と頭を下げる筆頭観察型緒方。)

香住>貴方だけを責めるつもりはありません。
今後は内部の観察も強化するように。

緒方>はっ!!
(もう一度、深く頭を下げる緒方。)

コンコン・・・
(その時、香住の部屋のドアをノックする音が響く。)

香住>どうぞ。

ガチャ・・・
(ドアが開かれると鋭い眼光をした背の低い女性が入室してきた。
右手には何やら大きな獲物を持っている。
撫子組四番組長、観盾麻琴である。)

観盾>総長・・そろそろウチらの出番だろ?

香住>・・・

観盾>この期に及んでまだ待機って、そんなのんきな事言ってられねーよな?

香住>・・・
(観盾の二度の問い掛けにも返事をせず、ただ黙視している香住。)

観盾>何も言わねーなら行かせてもらうぜ?
これ以上、撫子組がなめられる訳にはいかねえんだ。

香住>・・・確かに。

観盾>ふっ・・期待して待ってな。
名のある渋一の首級、手土産に帰って来るからよ。
(そう言うと観盾は、そのまま退室していった。)

香住>「観盾さん、頼みましたよ。 組長達の無念・・晴らして下さい。」
(香住は観盾の後姿を見ながらそう心で呟いた。)




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