……というわけで、「秘密の箱」新章を公開しました。
http://novel18.syosetu.com/n9641cg/
ノクターンノベルズさんは掲載時に編集することができるのでそうしています。
読む方の方でも、表示の調整が可能なので読みやすい表示でご覧頂ければ幸いです。
この間、ノクタおよび抹茶に投稿・公開するにあたり、文の段替えや会話文の改行処理など、今までより余白をいっぱいとるようにしています。
これまで、自サイトではCSSでたっぷり行間をとることにより、書籍などに準じた書き方(見せ方)をしてきました。
しかし、WEBにはWEBの「文章の見せ方」がある、という考え方にも一理あると思うようになりました。
実際、掲示板やここのようなブログでは、頻繁に改行、段替えを行います。
たとえそれが小説であっても、いや長文の小説であればなおのこと、「読みやすさ」「文を読むことのストレス」に配慮した方がいい、という考えです。
ただ、実際にテキストエディタで文章を書いている時には、通常通りの書き方をしています。
ひとつには、ひとかたまりの流れや展開が直感的にわかりやすいこと、もうひとつには行数でおおよその分量を調整しやすい、という理由です。
ただでさえ長い私の文章を、楽しく読んでくれ、あるいは待ってくださる方がいることに、感謝しています。
恐らく、何がしかの過剰な自意識が、これでもかと説明せずにはいられないモチベーションになっている気もします。
そもそも、長文はコミュニケーションの手段として、けっして褒められたものではないし、役にも立ちません。
ビジネスの場面はもちろん、通常のコミュニケーションにおいても、端的でわかりやすい文章が求められることは多いと思います。
私は結構Twitterが好きですが、140字という制限は実に理にかなっているようにも感じます。
にもかかわらず、「秘密の箱」は(他の自作も往々にしてそうですが)非常に僅かな変化をあの長さで描いています。
これが単なる自己満足に過ぎなくても致し方ないところです。
ただもし、読んでくださった方がいるとしたら、そして何か楽しみや興味や面白みを感じてくれたら、それだけで公開した甲斐があるというものです。
2-14「共振現象」は、「僕は催眠をかけない」とかつて宣言したノブアキが催眠を取り戻す、そのためだけに一章費やしました。
途中、絵梨の心理について考え、ことばを交わすことで、また絵梨の側からも思いや考えを伝えることで、「秘密の箱」に催眠が戻ってきました。
しかし、言語化されないメッセージを多数やりとりしている部分もあれば、同時に複数の意味をやりとりしている場面も多々あります。
それを理屈ではなく物語で見せるのに、これだけの文章量が必要でした。
もちろん、物語的にご都合主義的な部分があることは否めませんが、これは今現在の私の精一杯のスムーズな展開、もし「無理やり感」があるとしたらそれは、不徳の致すところです。
相変わらず私は、「絵梨はノブアキのどこを好きになったんだろう?」と考え続けています。
次章でその一部は語られることになりますが、語られることが常に真実とは限りません。
第二部[ケンタウロスの恋人編]は、恐らく次章で終わりとなります。
絵梨とノブアキ、この二人が恋人としてどういう関係を築いていくのか、あるいは築いていたのか。
そのへんの結論は全て丸投げにして、お話しをすすめていこうと思っています。
これはもう、完全に私の趣味の世界です。
お疲れにならない程度に、おつきあい頂ければ幸いです。

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