2011/6/10
ああ、いつも思うんだ
変わり身でしかないと
誰かの影を見る人が
自分を見て頭をなでる
そんなことに気づいていなかった頃に帰りたいよ
嘘のようなそうではないような
記憶は消えてゆく
大事なものが失われてゆく
電子データがはかないなら
脳内も同じだろう
やがて自分が消えても
もう何の後悔もない
それだけの存在だったのだと
それが過ぎ行くもののあはれなのだとしたら
そうするしかないだろう
君は思い出してくれだろうか
そんなことはあるはずもないわかっているのに
つい、聞いてしまうよ
「ありがとう」といえるだろうか
最期に会ったあの人のように

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