卒業式、卒園式・・・別れの季節だね。
木曽川町の小学校は20日が卒業式でね。じいちゃんは来賓として出席した。
「らいひん」ってわかるかい? えらそうなお客さんのことだ、ははは。
じいちゃんが行った黒田小学校は、140年も前にできた学校で、
山内一豊が生まれた黒田城の跡にある。こういうの「歴史的」っていうんだ。
なにが歴史的かって、校歌がすごい。これ、わかるかい?
♪ 光あまねき日ノ本の 良き國民とならんとて
一千有余の我々は 学びの園に通うなり
(じいちゃんは「あまねき」は根っこの甘い木かと思ってた。
“よきくにたみ”って何の事か、大人になるまでわからなかった)
♪ 教えのくさの数知れず つみて帰りて父母の
土産となさん師の君の 深き心のそのくさを
(“くさ”は種と草をかけてあるのかなあ。だれか“臭!”って言ってた。
“師の君”って誰の事かわからなかったしなあ)
♪ 根気なれかし丈夫なれ 力の限り働けよ
ためになれよと示されし 学びの教え尊しや
(これは家でもしょっちゅう言われて働かされていたので、
尊いことだとはとても思えなかった)
♪ 朝日に匂うさくらばな 松の緑の色変えず
雪に埋もれて咲く梅の 匂いに勲ありと知れ
(勲、功・・・じいちゃんは「いさをありとしれ」と歌ってたから、
“いさ”ってなんだろうとずーっと考えていた)
これを6歳の時から歌ってたんだもんなあ。
当時の子どもはずいぶん頭を鍛えられて、想像力豊かだったんだ。
それはそうとみんな、校長先生ってずいぶん年寄りだと思ってないかい?
でも、どこの小学校の校長先生もじいちゃんより10歳以上若いんだぜ。
全くやんなるよ、年は取りたくないね・・・
黒田小学校の校長先生もすっごく若々しくて、
卒業生がお父さんお母さんと並んで行進するのを見送るとき、
こんな風にして写真を撮ってらっしゃったんだよ。
さすが、お父さんお母さんの顔が見えるようになったらカメラを下げられたけど、
子どもたちとも仲良しで、いいなあ、若いって。
じいちゃんはもうだめだな、年取ってここまで元気が出ないよ。
でも、明日は以前園長さんをやっていた沖の橋保育園の卒園式、
25日は白山小学校の卒業式に出席するんだ。
せめてネクタイぐらいド派手にして若く見せようかな・・・と思ってる。
あ、明日は11時から児童館の誕生会だから、卒園式早引きしなきゃあ・・・
叱られるかな? 年寄りのくせに。

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