やま「て、てえへんだ、てえへんだ!」
大家「おや、久しぶりにやまさんの“てえへん”だ。何があったんだい?」
やま「き、木曽川から湯気が出てた!」
大家「ははは、いい景色が見られたじゃないか」
やま「え、放っといていいんですかい?」
大家「いいもなにも、放っとくよりしょうがない天然自然の現象だ」
やま「そういやあ今朝の天然自然、なんとんくうすぼんやりしてた。
やま「きのうはこんなだったけどね」
大家「やまさん、写真の腕上げたね。空気感ってのをよく写してる」
やま「なんですかい、そのキンコンカンてのは?」
大家「ま、いいや。で、なにか用なんだろ?」
やま「いえね、そのう『一宮の文化はタコツボ文化じゃねえか?』ってことを言いたかったんで」
大家「(また誰かが入れ知恵したな)・・・タコツボがどうかしたのかい?」
やま「タコツボっていってもタコを捕るあれじゃあねえんだ。兵隊さんが一人ずつ入ってドンパチやるあれだ」
大家「それがどうしたい?」
やま「おととい起の『人柱観音供養祭』に参列してね、言っとくけど来賓だ」
大家「やまさんがなんで来賓なんだい?」
やま「そう来るだろうと思ったよ。大家さん、忘れたんかい? あっしあ『新一宮市誕生記念事業』だってんで、合併した3つの町の民話をくっつけてミュージカル仕立てで上演したんだ。これが証拠書類だ」
大家「おうおう、あの時はやまさんも大変だったな。脚本書いて演出やって、おまけにちゃっかり出演したり・・・ぷろぐらむの表紙絵やら、舞台装置や衣装の原画までまで描いてたじゃないか」
やま「そんなこたあどうでもいいとして、郷土の民話の一つが『与三の巻観音』つまり「人柱与三観音」だったってわけだ。そのことをよくご存じの丹羽旧尾西市長が私を見つけて、まあここに座んなよというわけで来賓席ってえことにね」
大家「大方そんなことだろうと思ったよ。で、それとタコツボとどう関係があるんだい?」
やま「いえね、尾西でこんなことがあったかと思えば26日には一宮で『杜の宮市』ってのがあってね。これが3万から4万人のお客を呼んでえらい繁盛だったというんだ」
大家「そうだったよ、ありゃあ凄かった。遠来の客が駅から真清田さんまで一日つながってたってえほどだから」
やま「でね、これってどっちも文化でしょ?」
大家「そりゃあそうだ、歴史を今に甦らせてみんながそれを喜んでるんだからな」
やま「それがね、どっちも一宮市なのにお互いにこんな意義あることを喜び合うってことが無え。あっちでドンドンこっちでパチパチって感じでね」
大家「それでタコツボかい?」
やま「なーんで名古屋の兵隊さん、堤に隠れてドンドンドンッ!って・・・」
大家「しかしなんだね、やまさんの話は長くていけない。核心だけって話にならないもんかねえ」
やな「ははは、タコツボだけに、なかなかツボに入れねえ・・・」
大家「おあとがよろしいようで・・・」

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