内海は
「大東旅館」からの風景である。
冷たい海で
海苔粗朶の手入れをする夫婦の仕事を、飽きずに眺めていた。
町長を退職して「これからどうしようかなあ?」なんてことを考えていた頃だ。
実はこの絵が、
海を渡ってハノイへ行くことになった。ベトナムの首都である。
私の知人のご主人が
さる有名企業のエライさんで、近々ハノイに赴任されることになっているが、新社屋のその方の部屋に
“日本風景”の絵を飾りたいと・・・奥様のご要望で、この絵がその役割を担うことになったのである。
その方はこれまで
中国広州市の支社におられて、その
支社長室にも、実は私の絵を飾っていただいていたのだが、その絵は
“長良川の鵜飼い舟と満開の桜”という、まことに日本的な風景を写した絵だったのだが、これは・・・日本的かなあ? 日本人への郷愁を感じさせるようなものかなあ?
海苔の養殖なんてベトナムでもやってるのだろうか?
漁師夫婦の服装は日本的だろうか?
冷たい海ということを感じてもらえるだろうか?
あ、
スズキの軽トラックがあるから、これは日本だ!
いや、今やスズキの車はインドにだっていっぱいあるという話しだし・・・
でも、幸いなことに奥様が気に入ってくださって、昨日
ご夫婦で受け取りに来てくださった。しかも木曽川図書館の展覧会場に、である。
わが絵よ、ベトナムで静かに「日本的」を伝えてきなさい。
さて木曽川図書館での美術展である。
寺西先生は
「絵描きは女性にもてる」ということをせっせと証明してくださっている。
というわれわれの作品展もさることながら、
「玉堂展示室」ものぞいていただきたい。
この絵など、実にいい!
そして、どなたが書かれたのか、解説がまた実にいい。
「玉堂記念木曽川図書館」は勉強になるなあ!

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