友人の
K氏は
美術館ファン・・・どの程度かというと「パリへ行ってきた」「どうだった?」
「一日ルーブルにいた」というくらい。
パリまでというわけにはいきませんが、時々名古屋あたりの
美術館巡りをごいっしょします。そのK氏、
心臓の手術以来
「移動はゆっくり」・・・これがいいんですねえ。おつきあいすると、日ごろバタバタしている私も、
実にゆったりと時間が過ごせるんです。
今日は愛知県美術館で
「大ローマ展」と
「日展」見学、巡らなくても1箇所で2つの展覧会が見られるというので、朝9時、JR木曽川駅からゆっくり出発しました。
名古屋ではいつも、まずここで
コーヒーを飲みます。
マリオット・アソシア・ホテルの入り口エレベーター前の喫茶店。ここ、
700円で
モーニングサービスがつくんです、一宮でもないのに。700円が高い? ここは名古屋、しかも一流ホテルですよ。
私にとって一流ホテルの一番の印象といえば
パンがおいしいということ。それがコーヒーのおまけについてくる。家では食パンには必ず蜂蜜をつけるけど、ここでは軽くバターを塗ってパンそのものを、その
香りと食感を楽しむんです。その
パンが赤い殻のゆで卵とサラダを従えて大皿に
ワッと出て来る、サービスで!
これで驚いてはいけない。
コーヒーは何杯も
おかわりできるのだ! しかも
「コーヒー、もう少し召し上がりますか?」とやさしく聞いてくれる。こちらから「まあ1杯ちょー!」とやらなくていいのです。
だからいつ行っても
順番待ちなんです。でも、K氏といっしょなら苦にならない。ゆーっくり並んで座って待つ。
時間が頭の上をスーッと勝手に流れていきます。
さて、次は地下鉄・・・これもあわててはいけない。上りはまわり道でも
必ずエレベーターかエスカレーター、木曽川駅からずーっとそう。なんか
地下鉄も今日はゆっくり走っているように思える。
悠々と
愛知県美術館に到着。エレベーターで10階まで行って、まずは「大ローマ展」の会場に入ります。K氏は心臓手術以来
身障者扱いだから、二人まで
半額で入れる。その差額で
「音声ガイド」を借りて、説明書きに群がっている一般人を尻目に悠々と館内を巡る。
つづいて8階に下りて
「日展」・・・この展覧会、やたらと出品点数が多くて非常に疲れるので、今日はご招待いただいた
尾西の彫刻家の
櫻井真理(さくらいまこと)さんの作品までザーッと通過鑑賞。今日はご本人に会えなかったけど、先回「私の作品、写真撮られてもいいですよ」と言ってくださったので、今日も有効とばかり隙を見て
盗撮(?)
題名は
「つばさ」・・・指先をご覧ください。今にも大きく羽ばたこうという意思を感じませんか? いつもながら、
気持ちが前向きになるようなできばえに感心します。
続いて工芸のコーナーで、
日展初入選!一宮の松岡家具社長さんの記念すべき作品を鑑賞します。
陶芸です。どっしりとした大きさと暖かい色合いの中に、
繊細な線がむしろ
鋭利な印象を与える、すばらしい作品!・・・ご本人が「
県知事さんも
一宮市長さんも見てくださいました」と喜びを語っておられました。
初めての経験で、ご本人が「大丈夫かな?」と心配されるところをかまわず、
盗撮!
なんせ一瞬だから、作品がちゃんと撮れてなくて、松岡さん、申し訳ありません。
それにしても、みんな
どんどん立派になっていかれる。日展なんてはるけき夢だけど、
私だって展覧会に出せるような絵を書きたい・・・。
なんて思い、どうせ無理だからさらりと捨てて、さあ
昼めしだ。
今日はこの前食べておいしいなと思った名古屋駅前
「ホテル・アソシア」のバイキング。こんな見晴らしのいいところで、ゆっくりと食事ができる。ただし予約して30分、またしても入り口前のいすに座って待ちました。
時が〜頭の上を〜知らん顔して通り過ぎていきました〜。
普通こんなレストランでゆっくり食事をすると、時間どころか、
財布がゆっくりと流れていっちゃうんですが、ここ、名古屋なのに
一宮人好みのお値段なのです。
そういえば窓の外に見える
「ミッドランドスクエア」・・・ここのレストランでセレブの皆さんと食事をして、恥ずかしながら
割り勘が払えず、後日
郵便局から送金したというお話、以前しましたっけ・・・あれ以来あのビルには
決して近づかないようにしています。にっくきプリウスめ!
でも、
K氏のおかげでそんなことも全部忘れて、ほんとにゆったりと時間を過ごすことができました。
久しぶりのような気がします。
さあ、今度はどこの美術館に行こうか・・・どこで何を食べようか。

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