「静かで落ち着いた雰囲気」が
理想の保育園の姿である・・・ごく身近なところでこんな話が出て、しばし考え込んでしまった。
時を同じくして、5才の女の子が
「わたしのおじいちゃんは、えんちょうせんせいよりかしこかった」
と言う。理由を尋ねると、
「おじいちゃんは“うちゅうじん”なんかやらんかった」
とのことである。
“うちゅうじん”とは、私が若い頃、
キャンプファイアーの18番として歌ったり踊ったりしてきた
『UFO音頭』のことである。
「わたしははうちゅうじんのナントカです」と、のどを手で叩きながら言うのがはやっていたので、よせばいいのに「宇宙人ならこういうのがある」と披露してしまった。
♪ ギャッギャギャーン ギャッギャギャーン (繰り返し)
空飛ぶ円盤 宇宙人 魔女美女幽霊 バンパイア
人間なんか○○くらえー
チョンワチョンワチョンワチョンワ
水金地火木土天海冥
真夏の夜に○○おどりー!
* ○○は不適切な言葉なので、ムニャムニャと歌っている
これが馬鹿受けで、こどもたちは以後私の顔を見るたびに
「うちゅうじんやってー!」と騒ぐようになってしまったのだ。これはまずいと思って、できるだけ
要望に応じないようにしてきたが、その女の子は冷ややかに見ていたんだねえ。
「エンチョーセンセーがうちゅうじんやるの、やっぱりおかしいか?」
「うん」
という次第である。
エンチョーの馬鹿面を見るたびに、
かしこかったおじいちゃんの顔が浮かぶんだなあ。
踊りといえば、昨夜はわが園のセンセーたちも
「白山まつり」に参加して、大いに踊った。名鉄岐阜駅のすぐ北東、白山小学校区は
溝端神社で毎年盛大に行われる地域の一大行事である。
この地域こそ
「和光会発祥の地」(山田病院創立の地)・・・法人としてそのお祭りには力が入るわけだが、今や和光会の踊りが、
祭りのフィナーレを飾る「名物」になっているのだ。
54名の若い職員が、
力と汗をふりしぼって踊る様は、夏の夜の祭典のトリにふさわしいもので、踊り終えたときの彼らの満足感が、なんともいえず
共感を呼ぶ。
というわけで、私はこの元気いっぱいの職員とともに、「かしこいじいちゃん」として、
理想の保育園づくりに励むのである。
大丈夫かなあ?・・・という気がしないでもない。

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