2012/9/4

メランコリア  ドラマ

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監督:ラース・フォン・トリアー
出演:キルスティン・ダンスト、キーファー・サザーランド
2012年 公式サイト

評価:★★☆

惑星メランコリアが地球に接近に伴うヒロインの不可解な行動を描く「アンチクライスト」のラース・フォン・トリアー監督の異色SF作。

コピーライターのジャスティンはマイケルと幸せな生活を送る予定であったのだが、結婚式の当日、ジャスティンは不可解な行動をとり、結婚式を台無しにしています。それと同時に惑星メランコリアが地球に急接近する。

本作の見所は「アンチクライスト」でもあった超スローモーションでの美しい映像である。絵画を見ているような感覚になる。しかも悪夢のような絵画である。

ジャスティンの結婚式の場面はドキュメンタリータッチで撮影されており少々退屈だった。
美しくも悲しいラストシーン(冒頭の映像からつながる)は衝撃的だった。

ラース・フォン・トリアー監督は「奇跡の海」「ドッグヴィル」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」など女優に厳しい演技を求めるのでも有名だがキルスティン・ダンストも体当たりの演技で挑んでいる。
その結果、カンヌ映画祭ではダンストがアメリカ人女優ではなかなか取れない主演女優賞を受賞している。

キーファー・サザーランドがヒロインの義理の兄の役を演じているが、この人を見ると全ての作品でジャック・バウワーに見えてしまう。

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2012/8/12

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い  ドラマ

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監督:スティーブン・ダルトリー
出演:トーマス・ホーン、トム・ハンクス、ソンドラ・ブロック
2012年 公式サイト

評価:★★★

9.11のテロで最愛の父親を亡くしたオスカーは外の世界のあらやる事に恐怖を感じるようになってしまった。ある日、父の書斎のかびんの中から鍵を見つけたオスカーは、この鍵に合う鍵穴を見つけることが父親とのつながりを見つける唯一の手段として、探索を始める・・

自分の話で恐縮だが、小学2年生の一人息子と仲がいい。自分では年の離れた兄弟のような感覚で接していて嫁さんからはいつまでも子供のようだと言われている。もし仮に事故で自分が死んでしまったら、息子はどう思うのか。もし、数秒のうちに何か伝えなければならなければ何を伝えるのだろう。ということを考えながらこの映画を見た。

本作は少年オスカーの再生の物語である。最愛の人を失った悲しみから立ち直るためには少年一人では荷が重過ぎる。そこで登場するのが、マックス・フォン・シドー(私的には「エクソシスト」の神父のイメージが強いが)演じる隣人や、全てを理解していた母親である。

ラストでオスカーがまとめた「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」には絶望ではなくて希望にあふれていた・・・



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2012/7/22

戦火の馬  ドラマ

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監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:ジェレミー・アーヴァイン
2012年

評価:★★★

スピルバーグの新作で1982年に発売されたマイケル・モーバーゴの児童小説の映画化。

農夫テッドは、荒地を耕すための農耕馬を買いに町の競りに参加するのだが、思わず目を引かれたサラブレットを高額で落札してしまう。サラブレッドを家に連れ帰ったテッドは妻に怒られるが、息子アルバートは馬をジョーイと名づけ自分の家族のように育てるのだった。

やがて、第一次世界大戦が始まり、軍馬としてジョーイを売ることになったテッドだがアルバートは納得しないまま別れを告げる。
ジョーイはイギリス軍の騎兵隊の馬として扱われるが、戦いで騎手を失い放浪していたところをドイツ軍に拾われる。
ジョーイに会いたいアルバートは軍に志願するが、ジョーイは戦場をあちこちと転々としていく・・・

本作は戦場を駆け抜ける馬の目線で、戦争の哀しさを描いた内容である。
印象としては、映像が凄く綺麗な作品である。冒頭の自然の中で馬が走るシーンとそれに対比される戦場のシーンはコメンタリーでも説明されているように天国と地獄の対比の美しさである。それに戦場を駆け抜ける馬のシーンはどうやって撮影したのであろうという出色の出来である。
また、ミリタリーオタクのスピルバーグだけあって戦場のシーンの描き方にこだわりがあり、イギリス軍が近代化されていない騎兵部隊で近代化されているドイツ軍にあっさりやられてしまったり、初期の戦車であるひし形戦車マークIVなどが登場する。家族向けの映画だけあって「プライベイトライアン」のような出血シーンはまったく登場しないので違和感はあるのだが。

ジョーイが途中で遭遇する農場の娘を演じていたセリーヌ・バケンズが美少女で将来人気が出ると勝手に思った。
動物モノで感動したい人にはいいかも知れない。
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2012/6/25

ウィンターズ・ボーン  ドラマ

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監督:デブラ・グラニク
出演:ジェニファー・ローレンス
2011年 公式サイト

評価:★★★☆

17歳の少女が遭遇するアメリカの闇を描く映画。サンダンス映画祭でドラマ部門のグランプリに選ばれ、各国の映画祭で絶賛されアカデミー賞で多数の部門のノミネートを果たした。

ミズーリ州のオザーク高原は全米でもトップレベルの貧民達が住む地域である。主人公のリーは心を病んで寝たきりの母親と幼い弟と妹の面倒を見ていたが、父親が保釈中に失踪し、見つけないと担保として家を奪われ、家族が離散することになってしまう。
リーは父親を探すために、遠い血縁をあたるが・・・

次から次へと17歳の少女に降りかかる苦難。近代化が進んだアメリカでホラー映画顔負けな怖い展開がまっているとは驚きである。
幼い弟と妹との生活を維持するために果敢にも戦うリーの姿を見て応援したくなった。
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2012/6/10

カンパニー・メン  ドラマ

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監督:ジョン・ウェルズ
出演:ベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ
2011年 公式サイト

評価:★★★

巨大企業で若くして重職についたボビーは突然、会社からリストラされてしまう。家や車のローンを抱えていままでの生活を変えられないボビーは・・・・・

最近、日本だけではなくギリシアやイタリアなど世界的な不景気のニュースを耳にし、自分の会社や家庭の将来も気になるこのごろ、ひとごととは言えない内容の映画でる。

愛車のポルシェに、そこそこの家、可愛い妻にという人もうらやむような生活から一変して生活するにもままならない生活になったらどうなることか。本作の主人公たちも突然、会社から解雇を言い渡されてあがく内容である。最初は生活が変えられないし、妻にもなかなか言い出せないでいるが、やがて、生活を変えていかなければならないことに気づいていく。

「昔は(造船という)モノを作っていたのだが、最近は(コンピューター上の)モノではないものを扱っている。」といった内容のトミー・リー・ジョーンズのセリフがあり、幸せをつかむににはほど遠いが色々と考えさせられ、未来に立ち向かう勇気を与えてくれる映画である。

映画評論家町山氏のポッドキャスト評はコチラ
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2012/6/10

ザ・ファイター  ドラマ

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監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:マーク・ウォルバーグ、クリスチャン・ベール
2011年 公式サイト

評価:★★★

仕事の部署がえがあって、忙しかったのでブログが更新出来ずレビューが溜まってしまった。

1980年代後半に活躍した実在のプロボクサー、ミッキー・ウォードの半生を描くマーク・ウォルバーグ主演のスポーツ映画。
かつてプロボクサーだった兄ディッキーの影響でボクサーとなったミッキーだが、貧民街に暮らす生活の中で兄は落ちぶれて、母親と姉たちにたかられていいように試合に出させられていた。時には体重差の開いたヘビー級の相手と闘うことになり、完全にノックアウトされたミッキーは恋人の勧めもあり、家族と手を切ろうとしていたが、兄が捕まり、馬鹿にされたことで一念奮起する・・

都合のいいことばかりしか言わない兄や母親や姉たちに囲まれて、それに耐えているミッキーがなんと悲惨に描かれていることだろうか。家族や恋人のいいなりになっていて自分を主張できなかったミッキーが自分の意思で闘う映画である。
ノーラン監督の「バットマン」役であるクリスチャン・ベールのげっそりやせ細った役作りはさすがアカデミー賞ものである。「マシニスト」のときのやせ方も凄かったので、ベールの体が壊れないか気になる・・。

監督のデヴィッド・O・ラッセルは「スリー・キングス」「俺たちニュース・キャスター」を監督している。
アカデミー賞の助演男優賞でクリスチャン・ベール、助演女優賞でメリッサ・レオが受賞している。
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2012/3/25

フェア・ゲーム  ドラマ

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監督:ダグ・リーマン
出演:ナオミ・ワッツ、ショーン・ペン
2011年 公式サイト

評価:★★★★ おすすめ

元外交官ジョセフ・ウィルソンの妻、ヴァレリー・ウィルソン(旧姓プレイム)がCIAの秘密工作員だという情報リークされた実際に起きたプレイム事件を映画化した社会派ドラマ。
このリークの背景には当時の政権の「イラクに大量破壊兵器がある」ということを理由にイラク戦争が始まったが、事前のCIAの調査によって大量破壊兵器がないことを確認していたにもかかわらず、政府高官の圧力でねじまげられてしまっていたことをジョセフが主張したことに対する報復であるとされている。

「フェアゲーム」とは「狩りのゲーム」。獲物はヴァレリーのことだ。

心が折れないことが信条であったヴァレリーが政府のマスコミ操作などの圧倒的な力により家族も危険にさらされ、屈しそうなときに唯一、守り通したいあるもののために夫と一緒に立ち向かう決意をするところに勇気づけられる。

情報と引き換えにアメリカに逃亡することを約束されていた一家が秘密工作員という情報がリークされヴァレリーが作戦から外されたがために、イラク戦争のまっただ中に取り残されるシーンは痛ましい。

監督は「ボーン・アイデンティティ」「Mr.&Mrs.スミス」「ジャンパー」のダグ・リーマン。
ナオミ・ワッツとショーン・ペンといった演技派の2人が夫婦を演じている。

実際の当時の映像が効果的に使用されておりラストは必見。戦争をする理由とは?巨大な圧制に追い詰められ屈しそうなときにはどうする?など色々考えさせられる作品で社会派ドラマ好きにはオススメな作品です。
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2012/2/18

ブルー・バレンタイン  ドラマ

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監督:デレク・シアンフランス
出演:ライアン・ゴスリング、ミシェル・ウィリアムズ
2010年公式サイト

評価:★★☆

ディーンは妻のシンディと娘のフランキーの3人家族である。
シンディは努力家で資格を取り、病院に勤務しながらキャリアアップを目指している、一方ディーンの方は朝からビールを飲みながら仕事をしていた。出合った頃はあつあつだった二人の関係は次第に冷めていく・・・

本作は普通の恋愛ドラマのように単純に時系列を追った映画ではない。
二人の関係が壊れていく現在と、出合った頃の若く相手にときめいていたときの過去を対比させながら愛の誕生と崩壊を描いていくのである。
両親が修復できない状態にあるのを娘のフランキーは知らない。去っていくディーンに追いすがる娘のシーンは切ない。

出演は「きみに読む物語」のライアン・ゴスリング、「ブローク・バックマウンテン」のミシェル・ウィリアムズ。
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2012/2/13

ミスティック・リバー  ドラマ

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監督:クリント・イーストウッド
出演:ショーン・ペン、ティム・ロビンス
2004年

評価:★★★

先日TVで放送され、重い内容の作品と知りつつも前から気になっていた作品なので鑑賞。

ジミーとショーンとデイブの3人組の少年は幼馴染でつるんで遊んでいたところ、男たちにデイブだけ連れ去られ、性的暴行を受けてしまう。
やがて25年経ち、ジミーは犯罪に手をそめるが、引退し雑貨屋で働き、ショーンは刑事になり、デイブは普通に家庭を持っていたがそれぞれの交流はなくなっていた。
ある日、ジミーの娘が惨殺され発見され3人は運命的な再会を果たすことになる・・・・

クリント・イーストウッドの監督作品。
ジミーの娘をデイブが殺したのではないかとジミーが疑い始め、刑事であるショーンが事件の真相を追い続ける。最後まで重苦しさが尾をひく映画であるが、見終わったあともズシンと心に残る映画である。
少年時代にデイブが連れ去られたときから3人の運命の歯車は狂ってしまったのかも知れない。ラストシーンのショーンとジミーのやりとりは心に残る。


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2011/10/10

ワイルド・アット・ハート  ドラマ

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監督:デビッド・リンチ
出演:ニコラス・ケイジ、ローラ・ダーン
1990年

評価:★★★

デビッド・リンチ特集により再掲載。

デビッド・リンチ監督のアクの強い登場人物が繰り広げる一風変わった恋人達の逃避行の映画。カンヌ映画祭でパルムドールを受賞。

セイラーは、恋人ルーラの母親であり、娘に対して妄執的な愛情を頂くマリエッタからの差し金で送り込まれた男を殺してしまう。刑務所に入り保釈となったセイラーはルーラと共にマリエッタからの追手からの逃避行を始める・・・・

恋の逃飛行劇であるのだが、ところどころリンチ節といった味付けがしてある。事故を起こして血まみれでバックを探しながら死んでしまう少女やウィレム・デフォー演じるボビーの最後のシーンなど強烈なインパクトのある場面である。

また、本作は悪い魔法使いや良い魔法使いなど「オズの魔法使い」へのオマージュが多用されている。

主演はニコラス・ケイジである。自分の私物である蛇皮のジャケットを決めた姿はいまに比べると数段格好良い。ヒロインは「ザ・ドライバー」のブルース・ダーンの娘でリンチ映画の常連ローラ・ダーン。なんと執拗に2人を追いかける母親マリエッタはローラ・ダーンの実の母親のダイアン・ラッドが演じている。
また、「ツインピークス」の美女シェリリン・フェンも交通事故にあった少女役でさりげなく出ていたり、ローラ・パーマーことシェリル・リーが良い魔女役で出演するなど、本作の前に作られた「ツイン・ピークス」のメンバーも起用されている。
「ブルーベルベット」に続くイザベラ・ロッセリーニ(イングリット・バーグマンの娘)が登場しているが当時リンチ監督と交際していたそうだ。

本作の映画のチラシは最初なかなか手に入らず、いろいろと探しまくって入手した。
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2011/10/3

エレファント・マン  ドラマ

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監督:デビッド・リンチ
出演:ジョン・ハート、アンソニー・ホプキンス
1980年

評価:★★☆

デビッド・リンチ作品として最初に日本で紹介された映画である。「イレイザーヘッド」は本作より後になって公開されている。

外科医フレデリックはある日見世物小屋で見かけた「象人間」と呼ばれる男に非常に興味を引かれた。興行主バイツから研究を目的にお金を支払い病院に連れてきたフレデリックはしだいにその男ジョン・メリックが知能があり、純粋無垢な人間であることを知ることになる・・・。

公開当時、感動の文芸作品といった紹介されかたをされていた記憶がある。TV放送時に見て泣ける映画だったが後年、リンチの監督作だと知ってびっくりした。
最近、見直したのだが、メリックの母親が象に襲われるイメージなど悪夢っぽいところはリンチっぽさを感じさせる作りとなっている。それにアンソニー・ホプキンスが若い!(30年前の映画なのでそりゃそうだが・・)
評価があまり高くないのは、醜悪な姿なのに心優しいというモンスター作品は「フランケンシュタイン」しかり、見ていて痛々しいのでそんなに好きな部類ではないためである。本作で子供たちからかわれて追われるエレファント・マンを見ていてロン・チャイニー・JR版の「オペラ座の怪人」がイメージとかぶった。

公開当時、予告編で見た黒い装束に片目だけくりぬいたズタ袋をかぶり奇怪な歩き方をするジョン・メリックの姿がとても怖かった。(「13日の金曜日パート2」のジェイソンはこの姿を模したものと個人的には思っている。)
それと思い出したのだが、本作は実話を元にしており、当時ノベライズを買った覚えがあり、冒頭の写真に実際のジョン・メリックの写真が載っていたのが印象的であった。

製作は「ヤング・フランケンシュタイン」「新サイコ」などシュールなコメディをつくり続けているメル・ブルックス。本作でジョン・メリックを気に入る女優ケンドール・夫人を演じる「卒業」のアン・バンクロフトはブルックスの妻である。

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2011/9/19

500日のサマー  ドラマ

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監督:マーク・ウェブ
出演:ジョゼフ・ゴードン、ズーイー・デシャネル
2010年

評価:★★☆

グリーティングカードのメッセージのライターをしているトムは会社に入ってきたアシスタントのサマーに運命的な出会いを感じて、一目ぼれしてしまう。
ザ・スミスの音楽の話をきっかけに、サマーといい雰囲気になとなり、傍目には明らかに恋人としての付き合いなのだが「友達として」といわれるだけである。トムは焦燥していく。サマーと過ごした500日を描くラブ・コメ映画である。

普通は恋愛映画といったジャンルはめったに見ないのではあるが、恋愛についての正反対の価値観を持つ二人を男の目線から描いているという、一風変わった内容に惹かれて鑑賞した。
理想の恋人との安定のある恋愛を夢見るロマンチストのトムのサマーへの思いは私の昔の経験とシンクロして痛々しく感じられた。女性の目線から見るとまた違った感じ方をするのではないかと思う映画であった。

数々のプロモーションビデオを監督していた監督だけあって、500日間の出来事を時間順ではなくシャッフルしながら紹介するところがおしゃれである。
ヒロインのズーイー・デシャネルは身近にいそうな雰囲気の美人である。デシャネルという変わった名前で検索してみたら海外TVドラマの「ボーンズ」の主役を演じるエミリー・デシャネルの妹だった。
また、「キックアス」のヒットガールことクロエ・グレース・モレッツが主人公の恋愛相談役である妹を演じている。
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2011/9/4

追想  ドラマ

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監督:ロベール・エンリコ
出演:フィリップ・ノワレ、ロミー・シュナイダー
1975年 フランス

評価:★★★☆

復讐映画第2弾!今回は知られざる復習劇の佳作である。

第二次世界大戦の末期、ナチスの占領下のフランス小都市で外科医ジュリアンは戦時中ながらも美しい妻クララと前妻の娘フロランスと幸せに暮らしていた。ナチスの親衛隊の強行策が激しさを増してきたことから、妻と娘を自分の古城へ疎開させることにする。しかし、五日後、妻と娘に会いに行ったジュリアンは凄絶な光景を眼にする。それは、マシンガンで蜂の巣にされた娘と火炎放射器で炭化した妻であった。ナチス兵たちが城に押し込み、妻で娘を惨殺したのである。ジュリアンは城に留まるナチス兵たちを一人ひとり処刑していく・・・

「追想」というタイトルにだまされて、当時映画館に足を運んだ観客は内容に凍りついたかもしれない。復讐していく最中に昔の幸せだったころの妻との思い出がフラッシュ・バックしていくのが「追想」なのであろう。
自分の別宅である古城ゆえに隠れ部屋などを駆使してナチス兵を倒していく。妻を殺した火炎放射器を用いての復讐をとげるさまは圧巻だ。

監督はアラン・ドロン主演の冒険物の傑作「冒険者たち」のロベール・エンリコ。主演は私のオールタイム・ベスト10に入る「ニュー・シネマ。パラダイス」で老映画技師アルフレードを演じたフィリップ・ノワレ。
「地獄の貴婦人」の悪女役は驚いたが、本作のロミー・シュナイダーは美人でキュートで映画の中とはいえ殺されてしまうのは残念だ。彼女はアラン・ドロンと婚約していたときもある。
永らくDVD化されていなかったが、9/7に国内で発売されるそうだ。
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2011/8/28

狼の死刑宣告  ドラマ

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監督:ジェームズ・ワン
出演:ケビン・ベーコン
2007年

評価:★★★☆

「復讐映画特集その@」
復讐をテーマとした映画を紹介します。今回は第1弾。

ニックは投資会社に勤めており、2人の息子と妻と3人で幸せに暮らしていた。ある日、立ち寄ったガソリンスタンドで長男のブレンダンがストリート・ギャングの少年により殺されてしまう。司法で裁ききれないことを悟ったニックは、自ら復讐することを誓う・・・・

幸せだった生活が一変してドン底の悪夢となる。運命は時として残酷である。
復讐で何も得るものはなく、失うだけの不毛なだけなのだが闘いをやめるわけにはいかないといったことを色々と考えさせられる映画であった。
息子の形見の皮ジャンを着込み、終盤のストリート・ギャングのアジトに殴りこみをかけるシーンは目頭が熱くなった。
また、本作で出てくる女性警察官は何もしないくせに、自分の都合ばかり押し付けて腹立たしかった。

監督は「SAW:ソウ」のジェームズ・ワン。原作はチャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」でも有名なブライアン・ガーフィールド。
「フット・ルース」の頃が懐かしく、「インヴィジブル」「ワイルド・シングス」「ミスティック・リバー」などエキセントリックな役が多かったケヴィン・ベーコンが復讐に身を焦がす良き夫であり、良き父である主人公を演じている。
中盤の立体駐車場での4分間ワンカットのシーンの撮影では12時間要したそうだ。


予告編トレーラー


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2011/8/14

ひまわり  ドラマ

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監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ
1970年

評価:★★★

オープニング、画面一面のひまわりの花。映画を見たことはない人でもこの切ない曲はどこかで聞いている人が多いと思う。これは相思相愛にもかかわらず、戦争に引き裂かれた男と女の物語を描いた反戦映画である。

場所はイタリア。ジョバンナとアントニオは海岸で運命の出会いを感じ、挙式をあげる。しかし、戦争が勃発し結婚から数日後にアントニオはロシアへの遠征に行くことになる。しかし戦争が終わってもアントニアは戻ってこない。生き残りから彼が極寒の地で行き倒れたことを聞いたが、彼が生きていることを確信してジョバンナは一人ロシアへ渡るのであった。やがて、衝撃の事実が判明する・・・・。

日本で昔人気のあったソフィア・ローレンはどうも私の好みではなかったので前半のジョバンナとアントニオの恋愛部分はいまいち楽しめなかったが、ジョバンナがロシアに渡ってアントニオを見つけるが既に妻子もちとなっていた部分からストーリィに展開があり食い入るように見てしまった。
そして、数年後再開するジョバンナとアントニオ。二人の間にはもう取り返しのつかない時間の壁が立ちふさがるのである。
劇中のひまわり畑はロシアで行き倒れた兵士たちの墓の上に咲いたものと説明がある。アントニオも一度行き倒れたときにジョバンナの知っているアントニオは消えてしまったのだ。

ニューヨークでの若い男女の恋物語など面白く思わないので見ないのだが、戦争や国境を越えた悲恋の物語、たとえば「ライアンの娘」「ドクトル・ジバゴ」「イングリッシュ・ペイシェント」「哀愁」などの作品群は時々見てしまうのである。

有名な音楽は「ピンクパンサー」「ティファニーで朝食を」の名作曲家ヘンリ−・マンシーニ。

ラストに流れる「ひまわり」のテーマ曲を聞くと映画を見た後では切なさが胸にしみる。

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