難病助成疾患数300以上に拡大 全額支給は見直し
(2012年10月30日午後6時39分)
厚生労働省の難病対策委員会は30日、国が医療費を助成する難病の疾患数を現行の56から300以上と大幅に拡大する一方、給付水準を見直すことを決めた。年内に難病対策の報告案を取りまとめ、新法を制定して早ければ来年度にも新しい制度を開始する。
これまで重症の患者は医療費が全額支給になるなど手厚い助成を受けていたが、所得に応じて全員に一定の自己負担を求めることになり、一部からは反発も出そうだ。
委員会は厚労省が医療費や研究費の助成をしたことのある482疾患を対象に議論。
福井新聞
難病130疾患も対象に 来年施行の障害者支援法
(2012年12月6日午後5時58分)
厚生労働省難病対策委員会は6日、一部を除き来年4月に施行される障害者総合支援法の障害福祉サービスの対象に、潰瘍性大腸炎など国が指定する難病130疾患と関節リウマチの患者を加えることを決めた。近く政令を定める。
難病対策では、医療費助成を受けられる疾患を現行の56から300以上に拡大する方向で議論が進んでいる。厚労省は新たな医療費助成の範囲が決定されるのに合わせ、障害者総合支援法が対象とする疾患の種類についても見直す方針。
福井新聞
厚生労働省難治性疾患克服研究(研究奨励分野)に関する情報
平成21年度より、難治性疾患克服研究事業において、これまで十分に研究が行われていない疾患について診断法の確立や実態把握のための研究を行う、研究奨励分野が新たに設置されています。
難治性疾患研究班情報(研究奨励分野) >> 多発肝のう胞症(平成23年度)
肝臓疾患分野
多発肝のう胞症(平成23年度)
たはつかんのうほうしょう
1. 概要
肝臓内にのう胞が多発する疾患で女性に多い。肝のう胞そのものは良性疾患であるが、
のう胞が増加して巨大になることにより周囲の臓器が圧迫されて呼吸困難や運動制限などが生じる。また、感染やのう胞内出血などの危険性もあり、肝機能に影響を及ぼすこともある。
2. 疫学
詳細は不明であり、調査課題である。
3. 原因
発症原因は不明であるが、女性患者が多いことにより女性ホルモンとの因果関係が想定されている。家系内の発生も報告されており、その中には19番染色体上に異常を認める症例もある。
4. 症状
血液検査では肝機能異常を認めないことが多いが、のう胞が巨大化して周辺臓器への圧迫症状が生じる。そのため腹部膨満、腹痛、呼吸困難、運動制限、下腿浮腫、ヘルニアなどの症状で長期にわたって生活に支障をきたす。
5. 合併症
約半数の症例に多発性のう胞腎を合併する。のう胞内感染による発熱、出血などがある。さらに、頻度は低いが腹水、閉塞性黄疸、肝静脈閉塞が起こることもある。また、下大静脈が圧迫されることにより下腿浮腫が起こることもある。
6. 治療法
穿刺吸引、肝切除、肝移植およびTAEが行われているが、その有効性は明らかではない。
7. 研究班
多発肝のう胞症に対する治療ガイドライン作成と試料バンクの構築研究班
参考リンク
難病情報センター
各疾患の解説 50音順索引
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