今日、私に一通の手紙が届きました
それは ばぁが2度目の脳梗塞からのお付き合いで
ずっとずっと 親身にリハビリをしてくれたSTのY先生。
3度目の脳梗塞の後も、ばぁの希望を一番に考えてくれて
本来なら無理だと思えるような状態での嚥下指導も
ホントに 根気よくしてくださったんです
ばぁは、この先生が顔を見せると 私なんかが行くよりそりゃもう焼き餅やきたくなるほど笑顔を向けたんですよ
にこ〜〜〜って
居ないときは そっかぁ〜〜 休みかぁ〜〜って寂しそうにするし
私がいるじゃん って思ったけど、仕方ないですよねぇ(^^;)
でも、それくらい信頼してました。
ばぁの場合。。。嚥下障害は強く、本来なら口から食べるなんて危険でしかないのに、それを承知で計画を立ててくれました
ばぁは 強く願ったから。 それが生きる証だったから
でも、病状はドンドン悪化し、体調は悪くなるばかり
そうなれば当然体力も低下して嚥下障害も重くなる
だけど、それでも食への誘惑は強くて激しい鬱状態にまでなりました
もう家族には手の打ちようがなくなり、心療科で薬を処方して貰いました
意欲を押さえる薬です
当然副作用が心配でした。内臓にも悪いです。
でも、ばぁがばぁらしく過ごすために仕方のない選択でした
でも、それでも食への欲望は治まることをしらず
軽くはなったけど食べられない事への精神異常は消えることがなかった
だけど、そんな時、このY先生はやっと念願の赤ちゃんを授かったんです
ばぁも それはそれは喜びました!
『よかったぁぁぁ・・・』って
まるで我が娘のように 心底この時は母親の顔でした
だけど、その後Y先生の体調がおもわしくなくなり
病院をお休みするようになったんです
当然STの先生も交代していただきました
若くて可愛いSTさんでした
でも、内心は不安で一杯だったんです
私もまた 不安でした。
別にこのSTさんが頼りないとかではないんです
リハビリはちゃんと引き継がれ、とても丁寧にしていただきました
でも、 心の問題なんですね
だけど、Y先生には元気な赤ちゃんを産んで欲しかった
その思いはばぁも同じ。 だからちゃんと理解して頑張っていました
そのY先生の 予定日が近づいて来た時
私はばぁに提案しました
Y先生に 赤ちゃんのケープを作ってあげようよ って
それまでも、何個か毛糸の帽子やマフラーを編んできました
もちろん私との根気比べです
最初は無理かなぁと思いながらのスタートでした
何度も何度も編んではほどき の繰り返し
編み目が飛んだり、数が合わなかったり
増やし目が解らないから付ききりで繰り返し教えてきました
今日教えて解っても 次の日には忘れてしまうんです
だから私が居ない時の為に大きな紙に編み方を書いたり
私が介護に着くと、待ってましたとばかりに始めるんです
以前なら全然問題ない編み物なのだけど
右手は麻痺が強いから それはもう大変でした
編み棒が 硬直した手に食い込むほど握りしめていました
毛糸をたぐる指から何度も糸が抜け落ちて、
そのたびに しっかりまた指に巻き付け
大きなお腹と 浮腫んでパンパンになった足をベッド脇から出して
だけど、それでも編み物は唯一
体の辛さを忘れていられる時間だった
深夜はいつも私と二人 何時間も編んでいました
もう休もうよ と言っても知らないうちにまた起き上がって編み出すんです
寝ていても息が辛くて眠れないから・・・
長編みだけですが 立派なものでしたよ
最初と終わりはさすがに出来ないので私がしましたが
出来上がりは上出来でした
で、私はケープも出来るかも と思ったんです
ばぁは必死でした
まだ生まれてこない赤ちゃんの為に 一心に編んでいました
そんなに根を詰めないで 休みながらしようよ と言っても
何かを急ぐように。。。。
可愛い帽子も出来ました。 お揃いで 白いフワフワのベビーセット。
そして、まだ生まれないかなぁ まだかなぁ 間に合うかなぁ
って毎日気に掛けて せっせせっせと仕上げたんですよ
それが
これ
です
おかげでしっかり間に合いました。
仕上げや ボタンとか飾りは私がしたのだけど
まだ完成しないんかぁ って 私の顔みるたびせかされちゃいました
誰よりも きっと楽しみにしていた
Y先生の赤ちゃんの誕生
ばぁは。。。見ることなくこの世を去りました
病室には いつでも渡せるようにと 綺麗にラッピングして、
いつも棚の中で待機していたんです
その先生が、昨年の夏の始め 丁度1年前です
少し大きくなった赤ちゃんを連れて ばぁに会いに来てくれました
嬉しかった。
ケープも着てくれたんですよ その写真も春に送られてきました
そして今、子育てを頑張りながら
こっそり最近このブログを見てくれています
そのことが手紙に書かれていました
読んでいくうち 目頭が熱くなって 字が霞んでしまいました
本当に感謝しています
そして、願わくば これからももっと沢山の
ばぁのような患者さんを助けてあげていって欲しい
生きることのエネルギーを与えてくれた
その思いを もっともっとこれからも持ち続けてほしい
そして Y先生のような方が これから更に増えてくれるよう
私は切に願います
ありがとうございました。