今夜は夜勤の交代をした
明日の夕方まで 私は自宅で休んでいられる
さっきまで、病院のあの部屋で、母の苦しそうな顔をずっと眺めていた
座ってもすぐ呼ばれてそばに行く。
立ちっぱなしの介護。
でも、そばまで行かないと、私の存在に気がつけない
手すりを叩いて、私をよばる。 苦しい〜〜・・・と
そんな母を姉に任せて帰ってきた。
一人で見ているのは不安だよね
すごく恐いよね
でも、誰かがそばに居ることで、私は家に帰ってこれる
万が一、自宅に急変の電話がかかってきたら・・・
それはそれで仕方がないさ
だって、誰かが居れば 少なくとも一人じゃない
アル意味、もう、覚悟は出来てる・・・つもり。
そう、「つもり」 なのだ
実際はどうなるかなんて わからないけど
とにかく私は 母を任せて休ませて貰うよ
そして、また元気を補給してあいに行くさ!
さて 寝るべ
今日はインフルエンザの予防接種も受けてきた。
少し痛怠いなぁ〜
テンション上がってるから眠気がまだ来ないけど
お風呂に軽く入って お布団に潜ろう・・・
明日は日曜。お休みの日。 家族もみんな居るね
2004-11-28
夕方、買い物に出かけた
あちこち見て回る。家族と買い物しているときは家族の事だけ考える
でも、
一人、ぼんやり歩いていると・・・
否応なしに目に入る全てのことが母につながる
もうすぐクリスマスだなぁ
去年も病室で二人 クリスマスをしたっけなぁ
お正月も来るなぁ
病室に飾りつけてあげようかなぁ
あっ、アイスノンの交換用買おうかな
正月用の食器も買って置こうかな
なんて考えて・・・
その後に、必ず脳裏をかすめるものは・・・
もしかしたら必要無くなるかも。
買っても使われずにすむかも。
考えたくないのに、そんな事が浮かんでくる
手に持っては置き の繰り返し
そのうち何を見ても辛くなってくる
これ、食べたがってたなぁ とか
可愛い物飾ると喜んだよなぁ とか
そして私の顔は ドンドン眉間にしわが出来てくる
何かを堪えるように・・・
みんなこんな辛い思いをしてきてるんだな
人は不老不死じゃない。
いつかは最後の日が来る。
その日をこんな気持ちで経験してきてるんだね
たまに順番を間違えてしまう人もいる
うちの姪っ子みたいに
でも、普通に年をとれば順番が来る。必ず来る。
辛いことだけど仕方ないんだよね
だからこそ、今を大事に生きなきゃね!
2004-11-29
当医師から 鎮痛剤をいつでも入れていいと許可がでたらしい
おとついまでは 夜入れたら朝まで と聞いていたのに?
つまり それほどまでに悪くなっていて 今はもう苦痛を取り除けるなら…と言う考えなんだよね
でもそれは同時に体の自由も無くなること
もう座って居ることも至難の業だ 当然飲み込みも麻痺してくるから食べる事も出来なくなる
ただ苦痛だけを取り除けたらどんなにいいか
それこそ痛みも苦しみも感じる事なく 体を動かせたら?
たとえそれで 突然一気に倒れることになっても、その瞬間まで好きな事が出来たら
きっとすごく幸せだよね
そんな薬 ないかな〜
2004-11-30
深夜 2時半
母は鎮痛剤が効いているのか 浅い眠りについている
見てると 何やら手で何かをにぎりしめて それに噛りついているような真似?夢を見てるの?
その夢の中で 何か美味しい物を食べているんだね?
浅い夢は覚めやすい
どうか 目が覚めないよう少しでも楽しい夢の中に居てほしいな
いまいましい外の天気は雨と雷
そして深夜に鳴り響く救急車のサイレン
あぁ!今だけでも静かにしていて欲しいのに!
どうか この穏やかな寝顔を壊さないで!
薬はすぐに切れる そうすればまた苦痛が訪れる
私はじっと息を堪えて見守るしかない 物音をたてないよう…
ホントに ささやかな願いなんだよ!せめて夢だけでも と…
2004-11-30
昨夜から昼間にかけて、うつろな感じだった
深夜2時に痛み止めの皮下注射をしてから、薬が効いたのか?
それとももう起きている体力もないのか
ぐったりと静か過ぎるくらいくらいだった。
息は相変わらず苦しそう・・・胸をさすり時折ゼイゼイともがく
でも、その前の夜に比べると全然もがかない
なぜなら寝ているから・・・いや、寝ているように見えたから?
朝、いつもなら決まった時刻になると目を覚まし
ごはん〜〜 と言うのに?今日はこちらから働きかけないと反応がなかった
かなり悪くなっているのか?
でも、食べると言う欲求は残っているようで
こんなにしんどそうなのに起きると言う。
口の中は昨日、血の塊が出たから その名残でまだ汚れていた
アイス綿棒でマッサージをすると、赤茶色に染まった。
部屋が暑いせいか、冷たいお茶を飲みたがった。
数口飲ませてお粥を食べさせる。
かなり飲み込みが悪くなっていた。口の中に粒々が残る。
咳払いも力無く、激しく咽せる。
それでも食べたい気持ちはあるようで・・・
仕方なくお粥は止めてヨーグルトなどで満足させた。
食後、利尿剤の注入。
点滴は中止になった。
アンモニアの注入も無くなった変わりに、体外へ出すための下剤が増えた
昨日の血液検査で、アンモニアは平常値になったそうだ
だから今度は水分制限で、点滴が止められたんだね。
その分、口から接種できればいいのだけど、今の母は飲むこともままならない
でも、利尿剤は減らないから当然喉が乾く。
そしてまた肝臓は悪化する
その繰り返し・・・辛いね・・・
日中も、ぐったりとしている。
介護はらくだけど、逆に不安が押し寄せる
この状態は いったいどんな状態なんだろうか?
本人は辛くないわけないよね
動く元気すら無くなって、辛さを言葉や動作にすら出来ない状態?
それはどんな感じなんだろう・・・
辛い、痛い、苦しい という感覚も無いのなら楽かもしれないけど
動けないけど苦しいのだとしたら?
でも、どうすることもできない・・・
昼食、食べたい気持ちはまだあった。
これだけが今の気力なんだよね
お粥は恐かったから、完全なペースト状の物と、ムースだけ
食べてる顔に笑顔は無かったけど、でも、食べたいとは言う
父が、そんな母の姿を涙ぐんで見てる
悲しいよね。切ないよね。 辛すぎるよね
私らに出来ることは、最後までなんとか、今の欲求を満たしてあげる事
時々思い出したように、○○が食べたい と言うから
昨日はティラミスをあげたけど、今日は嫁さんが今川焼きをペーストにしてきた。明日は、今、煮込んでいるカボチャをあげるね
病院食は完全かもしれないけど、味がいまいちだよね
体には良いかもしれないけど、もうそんなことどうでもいい感じさ
美味しい物を、美味しく
我が家の味で・・・少ししか食べられないのだから
だから、うんと我が儘を言って欲しい!
次は何が食べたいか・・・
出来る限りの事をしてあげるね