中心静脈からの栄養が入るようになってから 母の体も少しずつ力が戻ってきた。
しかし、いろんなリスクを考えると通常でも2週間
母の場合 それより短い10日間が目処だと言われた
それまでに何とか他の栄養補給方法を考えなくてはいけない
お腹から入れる胃瘻(いろう) 補給も考えたが どだい母には無理なことだった
だって、胃どころかそこまでの穴すら開けるのは困難だから
ではやはり 鼻から胃まで管を通して行う経管栄養の 経鼻胃管カテーテルしかないだろう。
前回これも失敗に終わって、誤嚥性肺炎を恐れてそれっきりしなかったが
今はかなり母も気持ち的に変わってきているようだし
多少言い聞かせれば 頑張ってくれるかも?
とにかくやってみなければ始まらない。
いや、やらなきゃいけない。
口からの栄養補給が出来ない以上 これしか方法がもう残っていないから
まず 今回一度目の挑戦・・・
前回ほど暴れはしなかったが それでも3人がかりで押さえ込んだ
もう少しだから 頑張って!!と言い聞かせながら
しかし、結果は失敗・・・上手く喉から奥にはいってくれない
今日はこれくらいにして、また明日頑張ってみましょう と
あぁぁ 本当に大変だぁ
2003年7月26日
今日、鼻からまたチューブをいれてみた
カテーテルではもう駄目だから、薬も飲めないしね
ホントになんとか入って欲しいよ
祈りながら 看護士の傍らで見守っていた
「はい、入れますよ、頑張って! ほら、ゴックンって飲み込んでみてぇ」
看護士さんも必死だった もちろん母も。
で、とうとう ガンバって挿入成功!! やったぁーー!!
入った〜〜!!やっとの思いで無事入れることができたよ。
多少違和感はあるけど、我慢してね。
その日 早速に白湯があたった
まさに3週間ブリに胃の中に物が入ったんだよ
大丈夫かなぁ〜〜〜と心配になったが
でも、なんとか無事全部いれられた。血圧の薬もそこから入れることが出来た
これから少しづつ元気になれるよね!信じてるのだ!
明日はミルクになるらしい。
足のカテはまだ栄養が充分では無いため ギリギリまでとれないけど
これもとることが出来たら そうすればお風呂も入れるね。
毎日体調が変わるけど、きっと大丈夫さ!
私も気合いでがんばるのだぁ〜〜〜!!
7月30日
夜、いつものように私は介護についていた
鼻からの栄養補給のおかげでかなり?力も戻ってきた?
そしてその夜・・・
あぁぁ ついにやってしまった!
私がウトウトして ハッ!と物音に気が付いて母を見たら
何やら手で引っ張っている
そう、母は鼻から管を引き抜いてしまった!
無意識なのか、故意なのか、
とにかく引き抜いてしまったのだ せっかくやっと入れたのにぃ
あんなに抜けないよう注意をしてたのに・・・
ショックだった
明日・・・また頑張って入れなきゃいけないんだよぉお
7月31日
翌朝、看護士さんは あららぁと言うような顔で苦笑いだったけど、でも今回は思ったほど大変じゃなかった
母もコツがつかめたのかな? それとも看護士さんの腕が良かったのかな?
なにはともあれ 良かったです
しかし・・・
この経鼻カテーテルによる食事は母にはとても苦痛なものだった
まず、一気に入れるわけにはいかないので 長い時間かけて少しずつ胃の中に入れる
そして入れ終わった後も 20分は決して横に寝ることは出来ない
何故なら もし、逆流でもしたら肺に流れ込み 肺炎になってしまうから
その間約1時間ちょい、母は辛い体制でずっと座り続けなければいけないのだ
それも、ナースステーションの中で タダ一人ひたすら時間の過ぎるのを待つ
毎回その時間が ただただしんどくて しんどくて、
食事が終わるころは精も根も尽き果てた顔で帰ってくる
まだまだ母には座っていることさえ苦痛なのだ
私はそれを ぐっと堪えながら見ているしかできない
せめて、自分の部屋で出来るなら話し相手とかできるのにな
病院では万が一のことがあるといけないから たとえステーションに一人きりほっておかれても 部屋に戻ることは出来ないのだ
私は何度も何度も気になって 廊下をウロウロするばかり
辛いよ〜