バリ島からのメッセージ  22世紀に残る音

また、ひとりの偉大なアーティストが亡くなられました。

スウェントラさん。

インドネシア・バリ島でジェゴグという巨大な竹で作られたアンサンブル、スアルアグン(Suar Agung)の創始者。その重低音から醸し出されるリズムのうねりを体感された方も多いかと思います。

スウェントラさんとは、1980年代から間隔が空きながらも何度か共演させていただきました。

ヨーロッパ・ツアーをご一緒した時は小編成でしたが、「レオさん、僕らはお米を食べないとパワーが出ない」と、本当に寂しそうに訴えるスウェントラさんやメンバーに応えねばと、スーパーにお米を買いに行き、劇場のキッチンをお借りしてご飯を炊いてあげました。

その甲斐あってか、その晩の演奏はあまりに凄くて、プロデューサーが「なにかスピリチュアルなおこないをしたのか!?」とビビッていたのを覚えています。

何のことはない、お米を食べただけだよと伝えましたが、まだまだ、アジアの音楽が物珍しい時代に白い米で神がかり的な演奏をする彼らをヨーロッパの人には理解できなかったと思います。

アジャ・アディ(ガーナ)、ドゥドゥ・ンジャエローズ(セネガル)、ミルトン・カルドーナ(プエルトリコ)、フェラ・クティ(ナイジェリア)、スウェントラさん(バリ島)、そして、衛藤公雄(父・筝曲家)。

僕に本物の音楽の素晴らしさ、豊かさを教えてくれた偉大なアーティストたち。

みなさん星になってしまいましたが、旅をし、共演をし、ご飯を食べ、彼らから受け取ったメッセージはあまりに大きいのです。

例え、自分がネガティヴな状況でも「自分の音楽を信じなさい」という鍵だけはなくさないようにしたいです。どこの扉が開くのか分からないし、開けても誰も、何もないかもしれないけれど。

先人が切り開いてきた道は、もっともっと偏見と差別の中で切り拓かれてきたはず。

来週、5月16日にスウェントラさんの葬儀が行われるとのことです。

まさにその日から16年ぶりにステファン・ケントを招聘してライブが始まります。なので、16日の南青山マンダラは僕の大太鼓で奉納演奏から始めようと思います。

かわいい後輩が「託されちゃいましたね」と言ってくれたけれど、タイミングというものは確かに感じます。

3年前の夏、19年ぶりに佐渡のフェスティバルで鼓童とスウェントラさん率いるスアルアグンと共演する前夜、ドゥドゥ・ンジャエローズさんの訃報が入りました。

演出を担当していた僕は再会を祝う舞を小島千絵子さんに託しましたが、同時にドゥドゥへの奉納の舞になりました。

来週からのブレンドラムス・ツアー。これまでになくスピリチュアルで大切な時間を過ごすことになります。

スウェントラさん、ありがとうございました。

合掌

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