そうないよね。この蜜月関係(4/4) Earth Celebration 2015
私が鼓童のメンバーだった頃、ソロ活動を通じての出会いや体験をECに活かすべしと制作に猛アタックしていたことを懐かしく思います。
そう、ECと言えば、海外アーティスト。
中でもアフリカ系パーカッショニストとのコラボが強烈でした。
私が企画書を書いたことから端を発し、国際交流基金の助成金を得て実現した西アフリカツアーはとてつもない体験になったわけですが、ECにもそれはそれは大きな影響を与えました。
セネガル、ガーナ、ナイジェリア。西アフリカ最強打楽器天国。
そのECの醍醐味と言える言葉も通じないミュージシャンとのコラボは、当時の鼓童の誰にとっても未知との遭遇でした。
どのように進めていったかと言うと・・・、
細かいこと気にしない。
そして、リハよりも先にごはんを一緒に食べる(=私たち、毒盛ってない)。
これ本当です。
幸い、今回のゲストのスアルアグンのリーダー、スエントラさんは日本語がお上手ですし、お付き合いも長いことからコミュニケーションは問題ありませんでした。
でも、今の若い鼓童のメンバーにとっては初めての海外アーティストとのコラボ(のようでした)。
3日目演出の充君からの依頼もあり、コラボのパートは私が仕切らせてもらいました。
まず、西洋の概念で成立している音楽ではなく、しかも団体戦の場合、3拍子とか4拍子という捉え方をアタマから外します。
日本のお囃子や祭り太鼓もそうですよね。でも、リズムを合わせないといけない。
そこで大事なのは、コミュニケーションとエナジー。そして、音のダイナミクスなんです。
かなり抽象的ですいません。
例えば、アフリカのミュージシャンなどは3・4・6・12などの拍子の概念がなくても、心地よいリズムならば、共通言語(リズム)を感じ取ってガツン!と入ってきます。
面白い話があります。
ガーナのアジャ・アディとはヨーロッパのMEGADRUMSというプロジェクトのツアーで初めて会ったのですが、クラシック音楽で育ったリーダーの5拍子の曲をリハしていた時のこと。
「レナード。このリズム、一つ足りなくね!?」
彼にとって心地よくなかったんです。なぜか。
頭で考えられたリズムだったから。
また、コラボで良く陥りやすいことのひとつに比較対象してしまうということがあります。
そもそも、テクニックやパワー、グルーヴ感はその地で根付いて、それぞれが生まれ持っているもの。
鼓童のメンバーそれぞれにだって、私にもあるんです。
それを日本的な謙虚さが前に出て、遠慮してしまうとうまくいかない。どうにかこうにか、同じプラットフォームに乗ること。
ましてやECのホストであれば、主導権を奪われない。アッツいでしょ!?(笑)
とは言え、そこで大事なのは日本の太鼓の音のでかさです。
この取り扱いをちゃんとしないと、共演者にとっては破壊的な行為にしかならなくて、何も共有できない音の群れとなってしまうのです。
きちんとコントロールされている音であり、道具(太鼓)ならば、少々、音がでかくなっても彼らはそれをエナジーとして捉えて、もっと応戦してくれるはず。
EC稽古の最初に鼓童へ落とした雷も、ここに着地するための大事な約束事として伝えたかったのが本意です。
祝祭の夜。
私はコラボであっても、「ほとばしる鼓童」を演出せねばという使命感を胸に全体のバランスとキューを出すことに集中していましたので、ほとんど叩いていませんでしたね(笑)

photo: Maiko Miyagawa
18年ぶりというそれだけで壮大なエナジーの交歓祭だったと思いますが、今年はさらに凄い「魂の蜜月」が起こりました。
ECが開幕する前夜、ECにも出演されたセネガルのパーカッショニスト、ドゥドゥ・ンジャエローズの訃報が届いたのです。85歳だったそうです。
30年近く開催していれば、たくさんの出会いと別れがあります。
第1回のゲストであるブルンジ・ドラマーズは、民族間の紛争で多くの方が虐殺されたのではないかと伺っています。
NY在住プエルトリカンのミルトン・カルドナも昨年亡くなられ、ベストフレンドのアジャ・アディ(ガーナ)、そして、ECにはお招きできませんでしたが、アフリカでお会いしてその存在に一同が吹っ飛んだフェラ・クティ(ナイジェリア)。
ECの舞台、アフリカの大地で雄姿を見せてくれた、私にとってのヒーローが皆さん亡くなってしまいました。
今年のECの半端ないエナジーは、ご来場いただいた皆さんだけでなく、遠くアフリカからも送られてきたようで身震いしました。
日本のヒーローはまんだまんだ元気!誰が何と言おうとこの方でしょ!蜜月ショット(笑)

photo: 今海一樹
本当にアツい夏が終わり、それぞれの活動が始まりました。
鼓童は秋のツアーに入ったようです。私もECのすぐ後、今一番人気のタレントさんのPV撮影があり、今は情報公開されたばかりの11月ツアーの準備に入りました。
鼓童時代から秋は苦手でしたが、今年の夏のエナジーで突っ走れそうです。
改めて、区切りとなる今年のECに私を呼んで下さったことに心から感謝いたします。
次の再会が、よりエナジーに溢れた創造的な場であることを今から楽しみにしています。
本当にありがとう!
そう、ECと言えば、海外アーティスト。
中でもアフリカ系パーカッショニストとのコラボが強烈でした。
私が企画書を書いたことから端を発し、国際交流基金の助成金を得て実現した西アフリカツアーはとてつもない体験になったわけですが、ECにもそれはそれは大きな影響を与えました。
セネガル、ガーナ、ナイジェリア。西アフリカ最強打楽器天国。
そのECの醍醐味と言える言葉も通じないミュージシャンとのコラボは、当時の鼓童の誰にとっても未知との遭遇でした。
どのように進めていったかと言うと・・・、
細かいこと気にしない。
そして、リハよりも先にごはんを一緒に食べる(=私たち、毒盛ってない)。
これ本当です。
幸い、今回のゲストのスアルアグンのリーダー、スエントラさんは日本語がお上手ですし、お付き合いも長いことからコミュニケーションは問題ありませんでした。
でも、今の若い鼓童のメンバーにとっては初めての海外アーティストとのコラボ(のようでした)。
3日目演出の充君からの依頼もあり、コラボのパートは私が仕切らせてもらいました。
まず、西洋の概念で成立している音楽ではなく、しかも団体戦の場合、3拍子とか4拍子という捉え方をアタマから外します。
日本のお囃子や祭り太鼓もそうですよね。でも、リズムを合わせないといけない。
そこで大事なのは、コミュニケーションとエナジー。そして、音のダイナミクスなんです。
かなり抽象的ですいません。
例えば、アフリカのミュージシャンなどは3・4・6・12などの拍子の概念がなくても、心地よいリズムならば、共通言語(リズム)を感じ取ってガツン!と入ってきます。
面白い話があります。
ガーナのアジャ・アディとはヨーロッパのMEGADRUMSというプロジェクトのツアーで初めて会ったのですが、クラシック音楽で育ったリーダーの5拍子の曲をリハしていた時のこと。
「レナード。このリズム、一つ足りなくね!?」
彼にとって心地よくなかったんです。なぜか。
頭で考えられたリズムだったから。
また、コラボで良く陥りやすいことのひとつに比較対象してしまうということがあります。
そもそも、テクニックやパワー、グルーヴ感はその地で根付いて、それぞれが生まれ持っているもの。
鼓童のメンバーそれぞれにだって、私にもあるんです。
それを日本的な謙虚さが前に出て、遠慮してしまうとうまくいかない。どうにかこうにか、同じプラットフォームに乗ること。
ましてやECのホストであれば、主導権を奪われない。アッツいでしょ!?(笑)
とは言え、そこで大事なのは日本の太鼓の音のでかさです。
この取り扱いをちゃんとしないと、共演者にとっては破壊的な行為にしかならなくて、何も共有できない音の群れとなってしまうのです。
きちんとコントロールされている音であり、道具(太鼓)ならば、少々、音がでかくなっても彼らはそれをエナジーとして捉えて、もっと応戦してくれるはず。
EC稽古の最初に鼓童へ落とした雷も、ここに着地するための大事な約束事として伝えたかったのが本意です。
祝祭の夜。
私はコラボであっても、「ほとばしる鼓童」を演出せねばという使命感を胸に全体のバランスとキューを出すことに集中していましたので、ほとんど叩いていませんでしたね(笑)

photo: Maiko Miyagawa
18年ぶりというそれだけで壮大なエナジーの交歓祭だったと思いますが、今年はさらに凄い「魂の蜜月」が起こりました。
ECが開幕する前夜、ECにも出演されたセネガルのパーカッショニスト、ドゥドゥ・ンジャエローズの訃報が届いたのです。85歳だったそうです。
30年近く開催していれば、たくさんの出会いと別れがあります。
第1回のゲストであるブルンジ・ドラマーズは、民族間の紛争で多くの方が虐殺されたのではないかと伺っています。
NY在住プエルトリカンのミルトン・カルドナも昨年亡くなられ、ベストフレンドのアジャ・アディ(ガーナ)、そして、ECにはお招きできませんでしたが、アフリカでお会いしてその存在に一同が吹っ飛んだフェラ・クティ(ナイジェリア)。
ECの舞台、アフリカの大地で雄姿を見せてくれた、私にとってのヒーローが皆さん亡くなってしまいました。
今年のECの半端ないエナジーは、ご来場いただいた皆さんだけでなく、遠くアフリカからも送られてきたようで身震いしました。
日本のヒーローはまんだまんだ元気!誰が何と言おうとこの方でしょ!蜜月ショット(笑)

photo: 今海一樹
本当にアツい夏が終わり、それぞれの活動が始まりました。
鼓童は秋のツアーに入ったようです。私もECのすぐ後、今一番人気のタレントさんのPV撮影があり、今は情報公開されたばかりの11月ツアーの準備に入りました。
鼓童時代から秋は苦手でしたが、今年の夏のエナジーで突っ走れそうです。
改めて、区切りとなる今年のECに私を呼んで下さったことに心から感謝いたします。
次の再会が、よりエナジーに溢れた創造的な場であることを今から楽しみにしています。
本当にありがとう!

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